今回は、マクロビオティックの食材選びについてお伝えします。
マクロビオティックの料理は、素材を生かした、とてもシンプルなものなので、素材の質にこだわるのが、おいしくするコツなのです。
「本物」の調味料を選ぼう
まずは、調味料にこだわってみましょう。マクロビオティックでは、使う調味料が限られているので、自然の製法で作られた「本物」の調味料に変えていくのが、おいしくするコツです。
昔ながらの製法で作られた調味料は、やはり、それなりの値段がします。でも、手間・暇をかけて、丁寧に作ったら、そのくらいの価格がするのは当然なのです。安いものは、手間暇をカットするために添加物を加えたり、安い原料を使ったり、それなりの理由があるのです。
まずは、お塩、醤油、味噌から。
- お塩
- 醤油
- 味噌
工業的・化学的に作られた食卓塩ではなく、自然塩にします。
無農薬有機栽培の大豆と小麦・良質の水・自然塩を材料にして、昔ながらの製法で杉樽で2~3年天然醸造したものがおすすめです。
醤油と同じように、材料にこだわり、昔ながらの製法で木樽で天然醸造したものがおすすめです。
有機(オーガニック)について
マクロビオティックでは、できるだけオーガニックな食材を選びます。「オーガニック」は、日本語で言うと、「有機」で、無農薬・無化学肥料で育てられた物のことです。できるだけ、自然な食材を選ぼうということです。
でも、オーガニックと言うと、ちょっと値段が高いイメージがありますよね。以前に、食のワークショップに参加した時、ひとりの学生が質問しました。
オーガニックの食品は高いので、貧乏学生にはなかなか買うのがむずかしいのですが、どうしたらいいでしょうか?
それに対して先生は、
今の学生が、お金がないなんて嘘よ。現に、髪を染めたり、化粧をしたり、外食をしたり、体と地球を壊すことには平気で高いお金をつぎこんでいるじゃない。優先順位に問題があるのです。自分と地球を守ることより大切なことが、他にある?
これを聞いて、たしかにそうだなあと思ったのです。
普段の食材に、ちょっと高いお金を使うだけで、体と心が健康になって、薬や病院が不要になる人が、今の世の中にも、ずいぶんいる気がします。食の「安さ」だけを求めないで、自然に近いものを選ぶようにしましょう。
一方で、あまりオーガニックに神経質になりすぎる必要もないかなあと思うのです。ヨガをすることで、排出能力、浄化能力が高まっていれば、少々の農薬や化学物質は、流してしまえるのではないでしょうか。
何でも受け入れられるのも、ヨガの教えです。
できるだけ広い視点で、自分の健康だけでなく地球の環境のことまで考えて、良い食材を選んでいくことが大切と思います。
私たちが食べたものは、排出されてまた地球に戻っていくのです。
私たちが、安いものばっかり買うと、自然にも健康にもこだわって、良いものを作っている生産者は、続けていくことができません。今、実際に、そういう危機に瀕している農家がいっぱいあります。
私たちが、良いものを選べば、その生産者はもっとがんばれて、逆に、私たちが選ばなかった生産者は、考え方を変えざるを得なくなるのです。
みんなで、地球に良いものを応援していきましょう。
次回はついに最終回。マクロビオティックの情報収集についてお伝えします。
お楽しみに~。
プロフィール:
2002年、インドのバラナシを旅行中にヨガに出会い、ヨガがライフワークとなる。2010年、久司道夫先生のマクロビオティック(KIJ)のリーダーシッププログラム(レベル1)を修了。心と体の健康をテーマに、日々活動中。