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『ヨガ・スートラ』の第3章にはとても不思議な数々の超能力について書かれている部分があります。
ヨガの目的は超能力ではないはずですが、なぜ魔法のような不思議な力について書かれているのでしょうか。
実際にヨガの練習をしていると、不思議な体験をする人はたくさんいます。
一体、ヨガでどうしてそのような体験ができるのか、ヨガ哲学的に考えてみましょう。
ヨガで超自然能力が発揮できる仕組み
ヨガを練習していると不思議な体験をする人がとても多いです。
思ったことが現実になり未来を予知したと感じたり、人の考えることが見えるようになったり、味覚や聴覚がとても敏感になったりと、様々な経験があると思います。
オーラの色が見えたり、過去世が分かったりという話もよく耳にします。
自分自身が体験したことがないと、そのような不思議な話は怪しいと感じてしまうかもしれません。
これらの超自然的な能力はヨガの様々な経典にも記されています。
例えばヨガ・スートラであれば、第3章にはとても沢山の超自然能力が書かれています。
ヨガによってあらゆる可能性が開ける
いわゆる超能力でなくても、ヨガを始めてから新しいことができるようになったと感じる人はとても多いと思います。
これは、ヨガによって新しい能力が与えられるわけではありません。
今まで自分の思い込みでできないと感じていたことが、思い込みを手放すだけで発揮できるようになるのです。
日本語で言うと、火事場の馬鹿力ということが場ありますが、それがとても近く、
本来その力は自分の中に存在していたものです。
しかし、普段は「こんな重たいもの持てるはずない」「こんなに走れるわけがない」と、自分自身の可能性に蓋をしてしまっています。
本当に無我夢中になった時、ぐだぐだとできない言い訳を言う余裕がなくなった時に、本当の力が突然発揮できるようになるのですね。
ヨガの瞑想では、言葉の通り無我夢中になります。
瞑想を行う時には、瞑想の対象に集中することで、それ以外の雑念を全て止めていきます。自分自身のことも忘れてしまうほどです。
例えば、呼吸に集中をする瞑想を行うとします。最初は「私が呼吸をしている」と言う意識ですが、呼吸の流れに集中が深まるにつれて、呼吸そのものになっていきます。
体の中に流れるエネルギーの流れに完全に集中ができると、呼吸によって入っていたエネルギーが肺、心臓を経由して体全体まで行き渡る全てを明瞭に見ることができるようになります。
瞑想対象のみが輝いて現れ、あたかも瞑想者の自己意識を消失した境地がサマーディである。ヨガ・スートラ3/3)
- 完全な集中状態であるダーラナ
- 瞑想が深まったディヤーナ
- 自我が消えて瞑想の対象そのものになるサマーディ
この3つの段階を合わせてサンヤマと呼びます。
サンヤマを行う対象によって、今まで「私は人間だから」「私は女性だから」「私は歳をとったから」と様々な言い訳をして作り上げた自分の限界を乗り越えて、あらゆる能力が発揮できるようになります。
ヨガ・スートラに書かれた超能力の数々
世界中でヨガを練習する人が読むヨガ・スートラには様々な超能力について書かれています。
あまりにも信じ難いこともあれば、きっと昔の聖者はできたに違いないと思うようなことも多々あります。
世界中の古代文明の遺跡には、どうして当時の人がこんなものを作れたのか理解ができないと思うような、高度な遺跡が多々あります。
古代の人たちは、今ほど科学が発展してない分、人間自体が持っている潜在的な能力を発揮できたのかもしれないですね。
いくつか例をご紹介します。
前世が見える
サンヤマによってサンスカーラ（行・潜在印象）を直感することで前世が分かると書かれています。
サンスカーラはあらゆる行為を行った後に残る潜在印象で、サンスカーラによってあらゆる結果がもたらされます。
目に見えないものなので、そこに意識を向けるのはとても難しいです。
他人の心が読める
人の心を読む技術は古くから知られています。
他者の想念にサンヤマを向けることで可能となります。
自分の死期を悟る
自身の死期が分かるという話も頻繁に耳にします。
誕生と死はどちらもカルマ（業・行為）の結果です。
自分のカルマにサンヤマを向けることで寿命が見えます。
剛力になる
象などの力の強い猛獣にサンヤマを向けることで、同等の力を発揮することができます。
自分自身で決めた自分の限界を越えることができます。
透視や千里眼
心臓に意識を向けることで白い光が見えます。
その光を当てることによって、どんな場所に隠されたものでも、遠くにあるものでも見つけることができます。
宇宙を知る
太陽にサンヤマを向けると宇宙を知ることができます。
月にサンヤマを向けると星の配置を知ることができます。
北極星にサンヤマを向けると星の流れがわかります。
インドは天文学が活発ですが、古代から信じられない制度で星について知ることができたのは、瞑想によって宇宙の流れが分かるようになった聖者たちの功績だと信じられています。
空中浮遊
空中に浮くことができるというのも古くから言われている能力です。
いくつかの方法がありますが、塵（ちり）のようなとても軽いものにサンヤマを向ける方法で、空中を歩けるくらい軽くなるそうです。
天の声が聞こえる
聴覚と虚空の結びつきにサンヤマを向けることで、どんな微細な音も聞こえるようになります。
神々の声も聞くことができます。
インド哲学の根本となっている『ヴェーダ』と呼ばれる聖典がありますが、ヴェーダはバラモン（司祭）が天から降ってきた声を暗記して後世に伝えたものだと言われています。
世界中で多くの宗教の開祖は、瞑想を行う中で天からの声を受け取っていますね。
自分自身の可能性を信じてヨガを練習しましょう
ヨガ・スートラにこれらの超自然的な能力はヨガの本来の目的ではありませんし、何か特別な能力が発揮できたとしても、そこに執着することはよくありません。
すごい体験ができたとしても、そこに執着してしまうことで、苦悩が訪れることもあります。
大切なことは、自分自身の本質を知ることです。
思っていたよりも、ずっと可能性に満ちた自分自身を知ることができ、自分は自由なのだと実感できます。
しかし、ヨガによって自分の限界を越えることができるというのは知っておくといいでしょう。
特殊な能力でなくても、ヨガを練習している多くの人がすでに変化を実感していると思います。
例えば、知り合いにヨガを勧めたい時に「私は体が硬いから」「私はもう歳だから」「運動音痴だから」と断られる人も多いと思います。
しかし、すでにヨガを練習している人であれば、誰でもヨガを行うことで可能性が広まることはすでに体験で来ているのではないかと思います。
変化は小さなものでも大丈夫です。
人見知りだったけれど、ヨガの練習後に周りの人に話しかけることができた。いつもは恥ずかしいけど、家族に感謝が言えた。
そんな些細なことであっても、人の人生を大きく変えてくれますし、積み重なっていくことで魔法の様な変化を感じられる人も多いです。
ヨガによって、私にはできないという思い込みを1一つずづつ手放せると良いですね。
