陰陽マークで有名な「太陰太極図(たいいんたいきょくず)」の意味とは?

陰陽マークで有名な「太陰太極図(たいいんたいきょくず)」の意味とは?

“陰陽”の白と黒の丸いマークの意味や名前、知っていますか?

陰陽五行や東洋医学の話になると登場する、この白黒の丸いマーク、見たことありますよね? ヨガ業界では、陰ヨガをイメージさせるマークとしても多くの場で使われていますが、このマークの名前や意味、ご存知ですか?

このマークにもちゃんとした名前がついており、「太陰大極図(たいいんたいきょくず)」または「陰陽太極図(いんようたいきょくず)」という名前があります。他にも「天地自然之図(てんちしぜんのず)」や「先天太極図(せんてんたいきょくず)」と呼ばれることもあります。

また、丸の中の白と黒の形が魚をイメージさせることから、「陰陽魚図(いんようぎょず)」と呼ばれることもあるそうです。

白と黒で表されるのは「陰」と「陽」の表れ

ここで使われている白色は”陽”を表しており、黒色は”陰”を表しています。そもそも、この太極図は森羅万象、全てのものが陰と陽の要素によって成り立っているという考え方から来ています。光と陰、ポジティブとネガティブ、熱い冷たいと言った2つの要素で世の中はできているという考え方です。

勾玉みたいな形にも深い意味がある

陰と陽の図 
陰と陽は、はっきりと真ん中で分けられる物ではない

「2つに別れるのであれば、なぜキレイに真ん中で別れずに、こんな勾玉みたいな形をしているの?」という疑問が生まれますよね。これは、陰と陽ははっきりと真ん中で分けられる物ではなく、陰に傾いているものもあれば、陽に傾いているものもあるということを意味しています。

時計の12のところを見てみると、白が大部分を占めており黒がほとんどありません。これは、すごく陽に傾いているということ。

反対に6のところを見ると、黒が大部分を占めており白はほとんどなく、陰に傾いているということ。

ただし、「陽極まれば陰となる」「陰極まれば陽となる」という言葉があり、陽は行き着くと陰になり、陰は行き着くと陽になります。12のところは白が大部分を占めていますが、その後、時計の針を進めていくと黒(=陰)が広がってくるということです。

小さな丸は「100%はない」という考えの表れ

陰陽図の小さな丸の意味
陰陽図の小さな丸の意味

白い白勾玉には、黒円(=陽中陰)があり、黒勾玉の中には白円(=陰中陽)が描かれています。

これは、陽の中にも陰があり、陰の中にも陽があり、「100%陽!」「100%陰!」というものはないという考え方を表しています。つまり、何が陽で何が陰かと分類することはあまり意味がないと言うこともできます。
 
こうして見てみると、たった一つのこのマークの中に深い意味が含まれていることがわかります。私たちの気持ちや感情も、陰に傾いている時もあれば陽に傾いている時もあります。気分が滅入っている時には、「ちょっと陽の要素が必要かも!」と考え、元気すぎる時こそ「少し陰の要素、冷静さが必要かも!」と考えるなど、バランスをとることの大切さを教えてくれるマークなんですね。