ヨガのウォームアップをする際や、トリコーナ・アーサナで天井を見る時に「首が痛い・・」。多くのヨギーがそんな悩みを持っているのではないでしょうか。
「そんなことで痛みを感じるはずがない!」とか「私だけかも?」などと恥じる必要はありません。今までたくさんのヨガインストラクターが、私にこっそり首の痛みを告白してくれました。
実は痛みは身体の使い方が間違っていることをお知らせしてくれる、とてもありがたいサイン!このサインを元に原因を探ることができれば、あなたの首の痛みも徐々に解決していくことでしょう。
首を回す、ってどういうこと?
ちょっと実験をしてみましょう。まずは「首」を意識して回してみます。あなたはどこを回しているでしょうか。顎の辺りから下を意識して回しているのではないでしょうか。ですが実は、首というのは耳の辺りから下。顎のラインよりずいぶん高いところから始まっています。また「首」と言われる場所はそこだけが独立してあるのではなく、頭のすぐ下から”背骨の一部”として、頸椎、胸椎、腰椎とつながっています。
「首を回す」ように見える動作は、実際には頭を先端に背骨や身体全体を動かすことを指すのです。誤った方法で「首を回す」と、頸椎部分だけを回そうと、つまり身体の構造にとって自然ではないことをしようとするため、痛みがでるのです。
試しに「頭を回す」と思ってみませんか?すると今度はどうでしょうか?きっと動きの可動域が広がるはずです。痛みなく気持ちよく首を回すには、頭を意識することがラクに動くコツなのです。
頭の位置や大きさを知ることはとっても大切!
さらに、頭の正確な位置を知っておくとさらに良いでしょう。
「頭」は頭頂から顎のあたりまでと思っていませんか?ですが実は頭は耳の少し上までを指します。たいていの人はもっと低い位置までをイメージしているものです。手で実際に触れて高さを確かめてみましょう。せっかく効果があると言われるポーズも、実際の身体の構造とイメージが異なっていたり、部分だけを意識したりしてしまうと効果は半減!痛みの原因になってしまいます。
なぜ頭はそんなに大切なのか?
ヨガのポーズの説明では、肩や腕、手、脚、股関節の話はよくしますが、「頭」については残念ながらほとんど語られません。これは脳には”感覚がない”という理由もあり、そもそも意識されることが少ないのです。
しかし身体を動かす指令はどこからするか?四肢を動かし、身体のバランスをとるのはどこか?といえば頭(脳)なのです。脳幹にはいろんな神経が通っていて絶えず身体に指示を出しています。しかし、頭の大きさから考えるとかなり小さな穴に神経が通っているのがわかりますね。
重さは5~6キロ。米袋くらいあるこの大きく、身体の一番上にある司令塔を空間の中で”意識”するだけで、あなたのヨガは大きく変わります。「首」を意識するより「頭」と脊椎全体のイメージができるようになると、全身の動きが滑らかになります。だまされたと思ってやってみてくださいね。
「首を回す」という一見簡単な動作も、正しいやり方で行えば本当に効果のある、とても気持ちのいいポーズになります。