ヨガの究極のポーズ、シャヴァーサナ
ヨガをやったことのある方なら誰でも、ヨガの初心者か熟練者か問わず、またヨガのレベルや流派(スタイル)に関係なく、必ずやったことのあるポーズがあるでしょう。それは何だかわかりますか?
答えはシャヴァーサナ(屍のポーズ)です。
どの流派のヨガでも必ず、練習の最後にシャヴァーサナをしてからクラスが終わります。これだけ基本中の基本となっているポーズには、きっと何か特別な効果があるのでは!?ということで、今回はシャヴァーサナ(屍のポーズ)にスポットライトを当てて検証してみます。
シャヴァーサナとは?難しいの?その魅力とは?を徹底解明!
シャヴァーサナは直訳すると「屍」という意味。屍、つまり死体のように横たわっているこのポーズは一見すると、ただ寝転がっているだけの簡単なポーズのように見えます。
Shavasana is one of the first poses we learn, but one of the last to master.
シャヴァーサナは私たちが最初に習うポーズの1つだが、習得するのが最後になるポーズの1つでもある
ー Swami Nirmalananda
「習得するのが最後になるポーズ」という言葉の示す通り、実は見た目以上に習得するのが難しく、身体の緊張、感情的な葛藤や精神的なストレスの全てを手放した本当のシャヴァーサナを行うことは、ヨガを実践する上で、永遠の目標と言えるかもしれません。
また、屍、つまり一度「死」を迎えることで、様々な執着を手放すという意味合いもあります。
さらに、1回のヨガの練習は人の生まれてから死ぬまでを表しているという考えのもと、呼吸法から始まりシャヴァーサナで終わる流れには、赤ちゃんが生まれて初めて呼吸し、老いて死んでいく人生そのものを表現しているとも言われています。
シャヴァーサナの効果
シャヴァーサナには次のような効果があると言われています。
- 脳や神経系を休める
- ストレスや軽いうつの軽減
- 身体の緊張緩和
- 血圧の低下を促進
- 頭痛、疲労、不眠症の緩和
心身に緊張がない状態でゆっくりと呼吸を行うことで、深いリラックス状態、つまり副交感神経が優位になります。副交感神経が優位になると、筋肉が緩み血管が広がり、心拍がゆっくりに落ち着き、内臓が活発になるという変化が起こります。
筋肉が緩み血管が広がることで栄養、酸素、体温が身体のすみずみにまで行きわたり、老廃物や疲労物質などの不要なものがスムーズに体外へ排出されやすくなります。また内臓の働きが活発になることで身体の修復や疲労回復が行われます。
シャヴァーサナはこんな方におすすめ
- 毎日慌ただしく過ごしている方
- 仕事にプライベートにとにかく忙しい方
- 同じ姿勢で長時間過ごしている方
- 常に考えごとをしている方
これらの項目に当てはまる方は、心身に必要以上の緊張やストレスが蓄積されている状態かもしれません。
正しいシャヴァーサナは身体の緊張を取り除き疲労回復にも効果的です。また、忙しさの中で生まれた絶え間ない思考の繰り返しから一歩離れるという意味でも、シャヴァーサナは有効な手法でしょう。
ただ寝転がっているだけではなく、身体、心、マインドの全ての緊張を取り除いた習得が最も難しいポーズの1つでもあるシャヴァーサナ。正しいシャヴァーサナで心身の深いリラックスと疲労回復を目指しましょう。