クミン

概要

クミン(英名:Cumin、学名:Cuminum cyminum)は、セリ科クミン属の一年または二年草で、別名はジーラ、ウマゼリ(馬芹)。原産は、エジプト、地中海沿岸など。

高さ20cmほどの一・二年草で、種まきから3〜4ヶ月で果実を収穫できる。種子として扱われるが、植物学的には果実である。三日月型の実が2つ合わさった卵型で、キャラウェイと間違えやすいが、セリ科ならではの香ばしい強い香りが特徴的である。

概説

クミンは、インドでは料理に欠かせない代表的なスパイスのひとつで、中東のマトン料理、メキシコ料理のチリコンカン、アフリカのクスクス、中国大陸まで世界で幅広く使用されている。またカレーパウダー、ガラムマサラ、チリパウダーなどミックスパウダーの主要材用でもある。

主に果実の部分をシード状のものをそのまま使用するか、粉状にしたものを使用する。ベトナム料理では葉の部分を香り付けに用いる。

歴史

古代エジプトで5000年以上前に栽培が始まり、香味料やミイラの防腐剤として使われていた。薬としてクミンの価値が高かった時代があり、聖書にも「通貨として使われるほどだった」と書かれている。

ヨーロッパでは料理や薬用に加え、貞節や多産などのシンボルとして迷信や呪いなどと深く結びついており、クミンシードが恋人の心変わりを防ぐと信じられ、浮気を防ぐお守りにしたり、新郎新婦のポケットに忍ばせる風習があったという。日本に伝来したのは19世紀前半で、国内では栽培されず種子を輸入している。

効果&効能

食欲不振、健胃、消化促進、駆風、鎮用、肝機能促進、催乳、下痢、胃弱等

関連項目

アーユルヴェーダ
スパイス
エッセンシャルオイル
カルダモン
クローブ
コリアンダー
シナモン
ジンジャー
ターメリック
フェンネル
ブラックマスタード
ペッパー
ラベンダー
ティーツリー
ペパーミント
レモン
オレンジ
ローズマリー
フランキンセンス
ユーカリタプス
ゼラニウム
イランイラン

出典・参照元

  • 日本メディカルハーブ協会『ハーブ&スパイス大事典』(日経ナショナルジオグラフィック社)
  • ジャパンハーブソサエティー『ハーブのすべてがわかる事典』(ナツメ社)
  • 水野仁輔『いちばんやさしいスパイスの教科書』 (パイ インターナショナル)
  • 和田文緒『いちばん詳しくて、わかりやすい!アロマテラピーの教科書』(新星出版社)
  • グリーンフラスコ『アロマテラピーのすべてがわかる事典』(ナツメ社)
  • アロマツール社『エッセンシャルオイル家庭医学事典』 (パナチュラルハーモニー&サイエンス)