ユーカリタプス

概要

ユーカリタプス(英名:Eucalyptus、学名:Eucalyptus globulus)は、フトモモ科ユーカリタプス属の常緑高木。主な産地は、オーストラリア、スペイン、中国、南アフリカ、ポルトガル、マダカスカル、フランスなど。

高さ50mほどに成長する常緑高木で、感染症が発生しやすい湿地帯を乾燥させ浄化する力を持つ。オーストラリア周辺に600種を超えるユーカリタプスが分布しているが、精油が採れるのは数種類である。その中でもグロブルス種が最も一般的である。

概説

鼻が通るようなシネオール特有のシャープな香りで、集中力を高めてくれる精油である。同じフトモモ科のティーツリー同様、強い殺菌作用を持ち、抗ウイルス、抗炎症、鎮痛作用に優れ、花粉症や風邪による喉の痛み、鼻水・鼻詰まりなどの呼吸器症状や感染症に効果がある。また、筋肉痛や打撲の痛みを和らげ、治癒を早める効果もあるといわれている。

シネオールが高濃度で含まれており、非常に刺激が強いため、使用量に注意が必要である。妊娠中、高血圧や癲癇の人は使用を避ける。

歴史

ユーカリタプスの名はギリシア語で「よく覆った」という意味の言葉に由来し、非常に生命力が強い上に成長が早い。世界で最も高くなる木のひとつであり、オーストラリア先住民のアボリジニは、熱病や伝染病、傷病の治療薬として古くから用いてきた。19世紀にドイツ人医師が最初にヨーロッパにもたらし、世界中で栽培されるようになった。

日本にユーカリタプスが導入されたのは1877年頃で、植えると土壌の湿気が取れ、大気が清浄になるとされ、木材もパルプになるなど利益がある木として「有加利」と当て字され、大正半ばに栽培されるようになった。

効果&効能

神経強壮、強壮刺激、頭脳明晰、利尿、去痰、抗カタル、粘液溶解、鬱血除去、鎮咳、抗菌、抗ウイルス、抗真菌、免疫強化

関連項目

アーユルヴェーダ
エッセンシャルオイル
スパイス
ラベンダー
ティーツリー
ペパーミント
レモン
オレンジ
ローズマリー
フランキンセンス
ゼラニウム
イランイラン
カルダモン
クミン
クローブ
コリアンダー
シナモン
ジンジャー
ターメリック
フェンネル
ブラックマスタード
ペッパー

出典・参照元

  • 和田文緒『いちばん詳しくて、わかりやすい!アロマテラピーの教科書』(新星出版社)
  • グリーンフラスコ『アロマテラピーのすべてがわかる事典』(ナツメ社)
  • アロマツール社『エッセンシャルオイル家庭医学事典』 (パナチュラルハーモニー&サイエンス)
  • 日本メディカルハーブ協会『ハーブ&スパイス大事典』(日経ナショナルジオグラフィック社)
  • ジャパンハーブソサエティー『ハーブのすべてがわかる事典』(ナツメ社)