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集中したいのに、集中できない
SNSやインターネット、多くの情報であふれた私達の暮らしは、便利になった反面、膨大な情報を常に取捨選択しています。たとえあなたが何もしていなくても、目や耳に飛び込んでくるめまぐるしい情報を、あなたの脳はフル回転で処理しているのです。
仕事や勉強で時間内にタスクを終わらせたいのに、集中力が途切れる。頭がぼんやりしてなかなか前に進まない。そんな時はありませんか?脳が忙しいまま次の何かに取り組む時、新たなタスクが脳に課せられます。そのため、脳が処理をしきれず思考能力が落ち、単純なミスをしてしまったり、やる気も低下するため悪循環が生まれやすくなるのです。
脳の活性化には逆転のアーサナが効く
本来、2足歩行の私たちの体内では、心臓のポンプからゆっくりと脳へ血液が送られています。ゆえに、脳にたっぷりと血液を行き渡らせ、脳を活性化するのに最適と言われている逆転のアーサナである「ハンドスタンド (Adho Mukha Vrksasana)」や「ヘッドスタンド(Sirsasana)」を行うと、心臓が脳よりも上に位置する状態になるため、重力によって脳への血流を促し、脳のすみずみまで血液が満たされていきます。
そのため、集中力アップ、頭痛の軽減、血流やリンパの流れが活発化されるために代謝がアップするなどの良い効果があるとも考えられています。また逆立ちにより天地が逆転した状態で物事を見ることが、違った視点から出来事に対処したり考えられたりするという効果もあり、仕事の効率化にもつながります。
日常生活に取り入れやすいアーサナ
とはいえ、逆立ちのポーズを行う際に、壁のサポートやヨガインストラクターのサポート無しでおこなうのは、難易度が高く危険な場合もありますよね。実は、ハンドスタンドやヘッドスタンドをしなくても、逆立ちと似た効果が得られるアーサナがあります。それは、深い前屈をキープする「立位の深い前屈 (Uttanasana)」。
立位の深い前屈 (Uttanasana)
(1)立位から、しっかりと両足裏を地面に根付かせ、お腹のコアを引き上げ、両手は腰に。
(2)ゆっくりと息を吐きながら、腰から深く前屈します。
(3)肩、首、腕の力を抜いて、頭頂を地面に向けて頭は重力で重くし、上半身だけを脱力。
(4)鼻からゆっくりとした呼吸をくりかえし、腰がつらい方は膝を少し曲げてお腹と前腿をつけてみましょう。
※不慣れな方にとって長時間の前屈はめまいなどを引き起こしやすくなります。起き上がる際には息を吸いながら、ゆっくりと腰から背骨の1本1本を起こし、頭を最後にして起き上がりましょう。
このアーサナは、逆立ちに似た姿勢になっています。つまり、逆立ちをしなくても同様の効果が得られるのです。集中力の途切れや、頭がすっきりしない時に気軽にできるアーサナであるだけでなく、腰とハムストリングを伸ばし、内腿を強くする効果もあります。
日常生活に取り入れて代謝と集中力アップ
この深い前屈は、ヨガマットがない生活の中でも気軽に試していただける普段使いのポーズですので、日々の仕事や勉強に忙殺されヨガレッスンから遠ざかっている方も、このポーズでぜひ脳を活性化させる習慣をつけ、ご自身の脳をお休みする時間を設けてみてはいかがでしょうか。