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お悩み:太陽礼拝の、コブラのポーズで背中に痛みが…。考えられる原因を教えてください
太陽礼拝の流れの中でチャトランガからコブラにいくとき、背中に痛みを感じます。コブラではなくアップワードドッグにすると痛くありません。力の入れかたなど、何か問題があるのでしょうか。
(52歳、自営)
“伸展可動域”あるいは“肩の力み”に問題があるかもしれません。
回答者:串本操
コブラのポーズは伸展系の代表格です。正しく行えないと背中、腰を痛めてしまうリスクが高いアーサナでもあります。
相談者さんのように、背中を痛めてしまう原因としては、次の2つが考えられます。
原因1:身体全体の伸展可動域が足りていない
コブラのポーズを細かく見ていくと、主に頚椎、胸椎、腰椎、股関節の4箇所を伸展させる動作になっています。
そのため、この4箇所の伸展可動域が不足している場合、痛みが発生しやすくなります。
たとえば、股関節、胸椎の伸展可動域不足の場合、腰椎で動きをカバー。その結果、腰椎が過剰に伸展してしまうので、腰への負担が大きくなり腰痛が発生します。
対策:いきなり完成形を目指さない
腰に痛みを感じる場合は、いきなり完成形を目指さずアーサナに入る前に、ストレッチなどで胸椎、股関節の伸展可動域を確保してから、コブラのポーズをしてみてください。
上記の方法で、痛みが落ち着いていたら、痛みの原因の一つに「胸椎、股関節の伸展可動域不足」が考えらえます。
どのアーサナにもいえることですが、可動域が不十分な状態であるにも関わらず、思い描く理想の完成形に向かって無理やり身体を動かせば、当然どこかを痛めてしまいます。
自分の身体としっかり対話をしながら行ないましょう。
原因2:肩に力が入りすぎている
コブラのポーズでは痛くて、アップワードドックでは痛くないということは、可動域の問題ではなく、完成するまでの過程に問題がありそうです。
相談者さんは、チャトランガからコブラのポーズへ移ると痛みが出るとのことですが、チャトランガは上半身の強さが必要なアーサナで、身体を支えるために大胸筋や上腕三頭筋が働きます。そこから身体を反らしながらコブラのポーズへ展開する際、上半身の力が抜けていないと肩をすくめるような形になってしまいます。
本来ならば肩と耳の距離を伸ばすように意識するのが理想です。
胸椎を伸展する時、肩甲骨も連動して動きます。どのように連動するかというと、左右の肩甲骨を寄せながら下方に引き下げていくのです。
これを「肩甲骨の内転-下制の動き」と言います。
実際に、その場でハト胸になるように胸を張ってみてください。胸椎を伸展させると同時に、自然と肩甲骨同士を引き寄せながら下方に引くように動かしているはずです。これが「胸椎伸展と肩甲骨内転-下制」の運動連鎖になります。
次に、思いっきり肩をすくめた状態でハト胸になるようにしてみてください。
とても胸を張れるような状態ではないことがわかりますね?つまり、肩をすくめるという動作は、胸椎の伸展を抑制してしまうのです。
相談者さんは、もしかしたらチャトランガからコブラに移行する際、このような身体の使い方をしているのかもしれません。
対策:胸椎と肩甲骨の連動性を高める
フェイスタオルを用意します。上体の前で、タオルの左右を持ってピンと張るように引っ張り、タオルを鎖骨に当てるように引き寄せます。身体の動きとしてはボートを漕ぐような動作になります(ローイング動作)。
これを繰り返し行うことで、「胸椎伸展と肩甲骨内転-下制の動き」を意識付けることができ、チャトランガからコブラのポーズに移行する際の痛みを緩和できるかもしれません。
これらを意識してより良いヨガライフを送れることを願っています。
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