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日々のレッスンや仕事に忙しく、自分の練習時間の確保が難しいんです…。
私たちヨガジェネレーション企画部は講座に参加される皆さんから「レッスンを1週間に14本、15本持っていて、移動や他の仕事、さらには子育てや家事もしているので、練習する時間が…。」そういった声を良く聞きます。
確かに、現代人はとても忙しい。
しかし、どうして、ヨガ指導者には練習が必要なのでしょうか。
今日は、ヨガのプラクティスといえば、ヨガジェネレーション、いやヨガ業界でもトップクラスの練習量を誇る、ヨーコ・フジワラ先生、そして長年ヨガ業界を裏方として、牽引してきたヨガジェネレーション代表:酒造博明から「どうしてヨガ指導者に練習が必要なのか」についてお話をして頂きましたので、皆さん、お楽しみください!
毎日のヨガのプラクティスはトータル3時間!?圧倒的な練習量
指導はヨガではない。ヨガとは意識を自分の内側に集中させること
だけど、やっぱりこの業界を良くしていくためには、プロとして練習するのはあたりまえにしていきたいと思っている。例えば、ヨーコはいつも「トレーニング中のヨガは自分の練習じゃない」っていうよね?
じゃあヨガって何なのかというと「意識を向けること」。意識を向けるということは、意識を自分に集中させることだと思うの。だけど、指導をしているときの意識は、もちろん生徒に向いているはず。
それが自分に向いていたら、それは指導ではなくて、ただの自己満足だよね。
プラクティスはヨガ指導の引き出しになる
自分が昨日出来なかったことが今日出来たとき「出来なかったと出来たときのその違いはなんだろう」って考えて導き出した答えが指導の引き出しになっていく。
実験をして、自分の言葉を作っているんだよね。今、ワークショップでよく教えているのが「背中Vの字にして」っていう言葉を使っているんだけど、普通の人が聞いたら「ん?どういうこと?」ってなると思う。
だけど、それって私が練習のときに、「背中のVの字」ってテーマを作って、どのポーズでも成功した実体験に基づいてるの。それをちゃんと説明するから皆わかってくれる。
休みはあるの?
だけど、今、ヨガ業界でプロになりたい、ヨガの先生になりたいって思っている人が毎日ヨガをしていないっていう事実があるのだとすれば、厳しい言い方かもしれないけど「なれなくて当然なんじゃない?」って言い方になってしまうんだよね。
僕はプロって言葉に敏感だから、今現在、例えばOLさんをしていて、「今からヨガの先生になりたいんですけどなれますか?」って聞かれたら、僕は即答で「なれますよ、なれると思いますよ。」って言う。
だけど、RYT200を取って、オーディションを受けたらプロになれるっていうのは僕が今言っているプロとは違う。僕が思うに、プロって言うのは1万時間くらい練習を積み重ねないといけない、まさに1万時間の実体験だと思うんだよ。
プラクティスは裏切らない。自分に戻る場所
ヨーコは、僕が会ってきた先生の中でもかなり練習している先生の1人。だから、何かヨガ業界の人にメッセージないかな?
皆卒業すると、日本に帰って、クラスを持つ。持ってみたもののクラスに人が集まらなかったり、人気のクラスと比べてみたりして自己嫌悪に陥っていくんだけど。そういうとき、プラクティスは自分を見つける基礎になる。
私自身、元々体が柔らかかったわけでもない中で、誰かと比べたり、自己否定したり繰り返してきて、そういうこともう充分やったなって思うくらいやったから、その気持ちもわかるんだけど、そんなときプラクティスは絶対に裏切らないから。
あぁやっぱりこれでいいんだってわかってくると自分のやり方で練習すること、自分のやり方で伝えることがわかってくる。
そうすると自分のやり方に共感する人が生まれてくる。
鼻息荒く、練習しろー!って言うわけじゃないんだけど、せっかくヨガが好きで、その先にあったヨガの先生になろうって思ったんだから、もっともっと練習すれば更なる高みにいけるんじゃないかなと思うんだよね。
ヨガ業界の未来を作る先生たちへ
ヨガ指導者養成講座と名の付く講座はいまや、ごまんとあります。早ければ1日で資格取得ができてしまい「先生」と名乗ることもできてしまう。それは決して悪いことではありません。ヨガを深く勉強できる場が増えたことは、喜ばしいことでもあります。
しかし、ヨーコ先生がおっしゃっていた通り、ヨガは体験したこと、経験したことを伝えていくもの。生徒の前に立ち、そしてプロとして活躍することを願うのであれば、日々のプラクティスは指導者としての責任の1つとも言えます。
「年寄りの言うことと牛の鞦は外れない」ということわざがあるように(こんなこと言ったら、酒造とヨーコ先生に叱られそうですが)たくさんの経験をしてきた業界の先輩が教えてくれることは、素直に聞き実践してみるのが、我々、業界の若手ができることなのではないのでしょうか。
私もヨガ業界に入って3年目に入りました。先輩方が作り上げてきてくれたヨガ業界。いつまでもおんぶに抱っこではなく、真似をするのではなく、私たちのやり方を作り上げていくためにもこういった声は真摯に受け止め、変えていく努力をしていきたいものです。
3話連続となる、今回の対談。次回は、「ヨガを受ける、練習する生徒としての責任」についてお話を伺いたいと思います!