ちょっとみなさんに質問させてください。
- 小学校の時の同級生の名前を全員いえますか?
- 中学生時代に同じクラスになった人はどうでしょう?
- 高校は?はたまた大学に進学された方は?
私は、苗字で考えてみても、おそらく中学の1年生〜2年生くらいで、パーフェクトに言えなくなってしまいます。あれだけ毎日顔を合わせた仲間なのに、10年以上の歳月は、彼らの顔と苗字を一致させなくするのです。…悲しいですね。
では、現在のご自分の環境に意識を戻してください。現在、お仕事をされている方で、ここ数ヵ月間に合った、取引先の方(名刺交換したすべての人)を何人覚えてるか思い出して下さい。(名刺を見ながら顔を思い出すのでもいいです)
この質問に、ほとんどの人の顔と名前を覚えている、とお答えになった方は、おそらく仕事の成績や会社での評価も高い方だと思います。私が会社員時代、入社1年目の時に先輩から言われたこともまさにこの「仕事上で会った人すべての顔と名前を覚えなさい」ということでした。
先日、そんな記憶を思い出させてくれる、素敵な人に出会いました。彼女は、まだ年齢も若く、ヨガインストラクターになって数年の、いわゆるヨガの新人インストラクターです。人一倍元気で、いつも笑顔。元気一杯の人あたりで、しかも実はかなり人に気を使える、彼女の同年齢ではあまり今まで会ったことのない、しっかりした子だな、という印象を受けました。
そして、お茶を飲みながら、ヨガインストラクターという仕事についてあれこれ話をしました。そして、一緒にいた彼女の友人からこんな話を聞いたのです。
「○○○ちゃんは、自分のクラスに来てくれた、生徒さんの名前をほとんど覚えているんですよ!」
それを聞いた僕は、
「えっ!?全員??それは無理じゃない??だって一回しか来たことない人もいるわけでしょ?」
と、少し疑いの目で彼女に嫌味な質問を投げ返しました。すると彼女の口からは…
「もちろん、100%全員ってわけにはいかないのですが、クラスに来ていただいた方で、了解を得た方と写真を撮るようにしてるんです。そして、その写真のうしろに日付と生徒さんの名前を書いて、自分のクラスに来てくださった方全員のアルバムを作って、毎日見返すようにしてるんです」
そう言って、彼女はバックから、今流行りの小型ポラロイドカメラ(撮った写真が小さなフィルムになってその場で出てくるカメラ)を取り出して、僕に見せてくれました。
なんでも、すでに1000人近い生徒さんとの写真がアルバムになっているんだそう。そして、撮りためた写真を見ては顔と名前を一致させるために、記憶する努力をしているだそうです。
想像してみてください…。毎日行っているクラスならともかく、数ヵ月前に1回しか行ったことないスタジオに再来店し、スタジオに入ってきた自分に、その先生は
「○○○さん、お久しぶり♪元気でしたか??」って声がかかるんですよ!?
僕ならまずびっくりして、凄く嬉しくて、感動して、間違いなくその先生の元にこれからもずっと通おうかと考えますね。実際彼女も、たまに来る生徒さんを、覚えた名前で呼んであげてびっくりされる笑顔を見るのがとても嬉しいんだそうです。
以前から、よく人気のヨガインストラクターになるにはどうすればいいんですか?という質問をされるのですが、そのヒントは彼女との会話の中にも隠されていたように思います。
ヨガのスキルだけを磨くことがヨガインストラクターの仕事ではない。ヨガを仕事として選んだ自分が、今できる努力とは何か?これから、ヨガインストラクターを目指される方にも、ぜひ考えていただければと思います。
そんな大切な事を楽しみながら、そして継続的に実践している彼女。まだ年齢的にも、ヨガとしてのスキルも若い彼女の元には、現在たくさんの生徒さんがクラスに通っていらっしゃるそうです。