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お正月も終わり、いよいよ新年が本格始動ですね。まだまだ寒さは続きますが、いかがお過ごしでしょうか?
今回は、本格始動し出した新年にもぴったりで、且つ年がら年中行いたい(笑)、そしておそらくはヨギ、ヨギーニの皆様には馴染みの深い、シヴァナンダ・ヨガの太陽礼拝をご紹介していきます!
アシュタンガ・ヨガの太陽礼拝との違いも合わせてみていくと、また面白い発見がありますよ!
そもそもシヴァナンダ・ヨガとは?
まずはシヴァナンダ・ヨガについて少しおさらいしてみますね。元々、医師であったスワミ・シヴァナンダ氏によってインドで考案されたヨガであり、特徴としてはどちらかというと動よりも静の要素が強く、ヨガの実践によって得られる精神の変化に重きを置いています。
そしてシヴァナンダ・ヨガで提唱されるヨガの実践とは、アサナ(ポーズ)にとどまらず、瞑想、生活習慣や食事法など、総体的な生き方そのものの教えに他なりません。
つまり、シヴァナンダ・ヨガの太陽礼拝ではそのプラーナヤマ、アーサナによって心の静寂を得ることが大切な目的でもあります。
シヴァナンダ・ヨガ太陽礼拝を構成する12のアーサナ
シヴァナンダ・ヨガの太陽礼拝は12のアーサナで構成されており、それを一呼吸一動作のヴィンヤサで動いていきます。それぞれの要素を分解してみてみましょう。
- プラナマーサナ
- ウルドゥバ・ハスターサナ
- ウッターナーサナ
- アシュワサンチャラナーサナ(ローランジ)
- サントラナーサナ(プランクポーズ)
- アシュタンガナマスカーラ(八点のポーズ)
- ブジャンガーサナ(コブラポーズ)
- アドムカシュバナーサナ(ダウンドッグ)
- アシュワサンチャラナーサナ(ローランジ)
- ウッターナーサナ
- ウルドゥバ・ハスターサナ
- プラナマーサナ
胸の前で合掌。吸う息と吐く息で中心の軸を感じましょう。
前回の記事でご紹介したアーサナです。吸いながら両腕を前から上げて骨盤を前へと押し出し体の前面を伸ばします。
吐いて股関節から前屈。
吸いながら右足を後ろへ引き足の甲を伸ばし、手のひら全体を地面につけて腰から背中、首までを長く伸ばし、視線を自然に上げます。
左足を後ろに、足を揃え両つま先を立て、ここで一度息を止めます。
吐きながら膝を付き脇を締めながら胸を手の間に下ろし、額を床に付きます。
吸いながら足の甲を伸ばし腹部を前にスライドし上体を起こします。脚全体でも床を押して。
吐きながらお尻を上げ座骨を天井方向に突き上げます。両腕は気持ち外旋しつつ床を押して脇を伸ばし、首の力は抜きましょう。出来れば膝を伸ばしかかとを床に着きます。
吸いながら右足を右手の内側に置き、左足の甲を伸ばします。手のひら全体を地面につけて腰から背中、首までを長く伸ばし、視線を自然に上げます。
吐きながら左足を前に揃え、膝裏を伸ばし前屈。
吸いながら両腕を前から上げて上体を起こし、骨盤を前へと押し出し体の前面を伸ばします。
吐きながら胸の前で合掌。
※左右を変えて同じ事を行い、1セットとなります。これを5セットから、慣れてきたら12セット繰り返します。
シヴァナンダ・ヨガ太陽礼拝を深める練習方法
前述した通り、シヴァナンダ・ヨガは心の静寂に重きを置くので、太陽礼拝もまた瞑想の要素がとても大きいです。精神面からもより深めるための練習方法をご紹介していきます。
とにかく一呼吸一動作で動いてみる
シヴァナンダ・ヨガの太陽礼拝は動く瞑想でもあります。基本的にはダウンドッグでもキープはせずに一呼吸で動いていきます。これに慣れるまではなかなか難しいのですが、とにかく一呼吸一動作でまずはやってみる事を私はお勧めします!
呼吸のペースはご自分の心地よいペースで良いですし、少しズレてしまっても気にする必要はありません。
ただ、あくまでも吸う呼吸と吐く呼吸と共に身体を動かすことが集中力を高めてくれますし、プランクポーズでのクンバカが更に心と体のリズムを刻んでいくことに気がつきます。
最低でも3回以上は繰り返す
同じ動きを何度も繰り返すメリットは、あれこれ考えなくても動けるようになっていく事です。
最初のうちは尚更、関係ない事を考えてしまったりもするのですが(私だけでしょうか?笑)、更に繰り返す事で余計な思考のサイクルから少し距離が出来始めます。そうなるためには、何度も繰り返すことが何よりの近道。
繰り返せば運動量としてもなかなかのものになりますし、呼吸の深まりも実感できます。
動き覚えたら、目を瞑って行ってみよう
体が動きをマスターしたら、ここからが本番!目を瞑って、体の感覚と呼吸だけに集中しながら一連の動きを行ってみましょう。実はこの練習、私はRYT200で何度も何度も行いました。
私の師匠はこのシヴァナンダ・ヨガの太陽礼拝をいつも勉強の最初にやってくださったので、思えばこの時に初めて、シヴァナンダ・ヨガの太陽礼拝について、理解を深めることができたと思っています。
それまでもシヴァナンダ・ヨガの太陽礼拝はそれこそ何度もやったことがありましたが、こうして目を瞑って行うことが真髄に触れるためには必要な練習なんだとこの時に分かりました。
何も難しい事ではなく、
- 何度も繰り返す
- 目を瞑ってやってみる
この行程が、精神性に重きを置くシヴァナンダ・ヨガの太陽礼拝が一層、自分自身と深く結びついていきます。毎日行う事で、確実に心と身体を整えてくれるのではないでしょうか。
アシュタンガ・ヨガ太陽礼拝との違い
太陽礼拝は全身をバランス良くストレッチする効果や、呼吸を深め集中力を高める効果がありますよね。軽減もしやすいので、どんなレベルのクラスでも行われます。
アシュタンガ・ヨガの太陽礼拝は特に、最も行われる頻度が高いかもしれません。
ここでは、シヴァナンダ・ヨガの伝統的太陽礼拝と、アシュタンガ・ヨガの太陽礼拝Aの違いを詳しく見ていきます。
- 最初に合掌が入る
- ウルドゥバハスターサナで後屈する
- 左右を入れ替えて行う
- ローランジが入る
- プランクポーズで息を止める
- 8点のポーズを行う
- ダウンドッグでは脚を閉じて一呼吸
シヴァナンダ・ヨガの伝統的太陽礼拝では、最初のタダーサナで合掌します。個人的な意見ですが、合掌することによってより礼節の心や中心軸の感覚が整い、心と体がリンクするように感じます。
ヨガの精神性を重んじるシヴァナンダ・ヨガならではのスタートと言えるかもしれませんね。
合掌から両腕を上げたウルドゥバハスターサナ。アシュタンガ・ヨガでは合掌の指先は真っ直ぐに空を指しますが、シヴァナンダ・ヨガでは後屈します。
この差はそもそも、腕の動かし方の違いにあります。
シヴァナンダ・ヨガの太陽礼拝では基本的に腕は前後に動かすため、最初の合掌を解いたら、指先で大きな円をなぞるように腕を前から回し上げ、そのまま伸展します。
対して、アシュタンガ・ヨガでは左右から回し上げて頭上高く合掌します。少しの違いですが、やってみると効きどころも感覚も全く違うので面白いですよね★
シヴァナンダ・ヨガでは左右を入れ替えて行うため、左右行って1クールと考えます。そのため、アシュタンガ・ヨガとはアーサナの流れや種類も違ってきますので、それが次の項目にも関係してきます。
シヴァナンダ・ヨガでは、左右一歩ずつ後ろへ引いてローランジを行います。月を見上げるポーズとも言われるように、腰背中首までを長く伸ばし、自然に目線を上げます。
合掌にしてもこのアーサナにしても、自然を尊ぶ精神性が色濃く表れているように感じませんか?
プランクポーズで一度息を止めるのも、シヴァナンダ・ヨガの特徴です。滑らかな動きを呼吸の間に一旦呼吸を止めるプランクポーズでは、静もまた動の一部であるという森羅万象の理を、体で感じられるように私は思います。
アシュタンガ・ヨガではプランクポーズからチャトランガダンダーサナを行いますが、シヴァナンダ・ヨガでは8点のポーズを行います。チャトランガ・ダンダーサナが難しい場合の軽減としても行われることがありますが、実はなかなか難しいアーサナでもあります。
他にはない体の使い方をする独特のアーサナですが、慣れるとそこから続くコブラのポーズへの流れがとても気持ちよく感じられます。
シヴァナンダの太陽礼拝ではダウンドッグでは脚を閉じ、基本的にはキープせず一呼吸で行います。アシュタンガ・ヨガの太陽礼拝ではダウンドッグで5呼吸キープしますよね。
このキープで内観が深まったり体が整う効果を感じやすいので、これに慣れている方はキープしたくなるかもしれません。
もちろん、その時の自分の状況でキープしてみるのも大いに良い練習だと思いますが、一呼吸で行う事でよりはっきりと違いが感じられる事でしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は、アシュタンガとシヴァナンダの太陽礼拝の違いに焦点をあててみました!
シヴァナンダの太陽礼拝は瞑想の要素も大きいので、気持ちよく新年のスタートを切るための心のデトックスにもぴったりです。
ですが決してどちらが良い悪いではなく、また、どちらが向き不向きでもありません。どちらもやってみる事でしかわからない感覚の違いがありますし、その日の自分に合わせて、織り交ぜてやってみるのも有意義な練習だとおもいます!
その時に適切なアーサナ、呼吸を選ぶ選択肢として、どちらにも慣れ親しんでおきたいところですよね(^^)