解剖学に自信がある!?
最近、こんな様な話がありました。(実話です)
最初から、かなりの自信でお話されていたので、専門家の方かと思い、
と聞くと
その方の論理ならば、アーサナも3日やれば、生徒レベルから先生レベルにスキルアップ可能という事なのでしょうか?
それとも、解剖学の骨とか、筋肉って、覚える事が少ないという認識なのでしょうか?
怖くて、悲しくて、それ以上の確認は出来ませんでした。
ヨガ解剖学とテクニックは違うのか?
というわけで、今回は、ヨガ解剖学とテクニックの違いについてお話させて頂きます。
クラス案内や、クラス中、「解剖学的には」とか、「解剖学では‥」といった言葉を耳にする機会が増えていますが、僕の感覚では、
それは解剖学ではないよね。それを解剖学という表現をしては、受け手の生徒さんが余計に混乱してしまうのではないか?
と感じる事が多々あります。
最初に整理しておくと、ヨガ解剖学とアサナテクニックは別ものです。
ダウンドッグの手の平を見てみよう
ダウンドッグでの手の平は、アーサナの土台にあたります。そのために、
- 人差し指の付け根
- 母指球
- 小指の付け根
- 小指球
という4点をしっかりと、マットにつけて…
または、
とくに
- 人差し指の付け根
- 母指球
はより強い意識で…
などというリードがあるかと思います。
これなどは、ダウンドッグをとる上で必須の言葉であり、端的な言い回しだと思います。
では、何故、これが大切であり、必要なのか?その裏にはどのような意味が隠れているのでしょうか?この問のアンサーがヨガ解剖学であり、それを知った上でのアサナテクニックになるのではないでしょうか?
ヨガ解剖学の解釈について
「裏にある意味を理解した上で、端的な言葉に置き換える事」と、「裏にある意味は知らないけど、これするとアーサナがやりやすいから、これこそが解剖学だ」という解釈では、丸っきり意味が違ってきます。
このダウンドッグの時の手についてのアライメントについて理解するには、
- 肘の関節とは?
- それを構成する骨は?
という問いかけから始まり、更には連動して、肩や手首の知識も必要になってくるのです。
肘と手の平の繋がりまで理解する
まず、肘という関節は、上腕骨・橈骨・尺骨という骨で構成されています。
この肘関節は、肘の曲げ伸ばしというものが、大きな動きですが、ヨガのアサナに限らず、肘には、日常生活で大切な動きがもう一つあるのです。
その動きこそが、ダウンドッグの手の平を考える時に、重要になる関節の動きです。
肘と手の平の繋がりとは、日本語で言う所の、手の平を返すという表現から眺めてみると更に面白いものになります。
次回は、そんな繋がりをみてみましょう。
執筆:内田かつのり
鍼灸師。”薬だけでは治らない病気も沢山ある”という現実を身を持って体験した事をきっかけに、アメリカの栄養学である分子矯正医学という栄養療法を深めながら、ファスティング、酵素栄養学、ゲルソン療法(コーヒーエネマ)、漢方や整体術などを実践。更に、本当の健康とは何かを探している中で、ヨガに出会い、運動療法、精神療法というような代替医療としてヨガの可能性に魅せられて以来、ヨガそのものが暮らしの中に在るようになる。アヌサラヨガのマスターイマージョン、アヌサラ・インテンシヴコースⅠ・Ⅱ修了、UTLでのAMC/AMIC修了。現在、都内ヨガスタジオにて、解剖学短期集中講座やティーチャートレーニングに携わり、インストラクター養成にも力を注いでいる。