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皆様、こんにちは!12月に入り、相変わらずコロナの感染拡大がどことなく不安な日々ですが、いかがお過ごしでしょうか?
今回は2020年最後のプラーラ通信!今年も読者の皆様には本当にお世話になりました。ヨガジェネレーションを通じて皆様と色んなヨガのエトセトラを共有できたこと、とても嬉しく思っております。
さて、今回は立位の基本であり、初心者から上級者まで全てのヨギ、ヨギーニにとって重要な、タダーサナについてじっくり探って行きます。
ぜひ1年の最後に、今一度、基本に立ち返ってみましょう!
真っ直ぐに立つ、とは
「立つ」って一体、何なんでしょう。 もっと言うと、「真っ直ぐ立つ」ってどういう事なんでしょう?
ヨガをやっている方の中で、意識的に真っ直ぐ立つという事をヨガで初めて実践したという方は多いのではないでしょうか?
かく言う私も、ヨガで初めて「正しく立つ事=タダーサナ」を実践し、それまで自分が無意識的に行なっていた立位が、いかに歪なものだったかを思い知りました。
色々な呼吸法やアーサナを実践する事はもちろん、心身の調整や改善に貢献しますが、実はこのタダーサナで正しい立ち方を身体で覚える事は、日常生活をより良くするために最も役立つヨガなんじゃないかとすら思えてきます。
実際私は、タダーサナを意識するようになってから、明らかに「立つ」事への捉え方が変わりました。まずは、ヨガ的に真っ直ぐ立つとはどういうことかを押さえておきましょう。
足裏から頭頂までをひとつなぎに捉える。
まずタダーサナを実践するには足から順にポイントを押さえると整いやすいです。
まず、
- 足裏3点(親指付け根の母子球、小指側、かかと)に均一に体重を乗せます。
- 足指は力まないように開き気味に、床へ下ろします。
- 内くるぶしから内腿に向かってエネルギーを引き上げるようにふくらはぎを縦に引き延ばします。(結果として膝頭が少し持ち上がります)
- そのままその、上に引き上げる力を下腹部から内臓まで引っ張り上げるように持ち上げてきて、肋骨の間も縦に引き延ばします。
→そうすると、自然と下腹部が引き締まります。
このように整えると、自然と反り腰なんかも修正されて、背骨が理想的なS字カーブを描くわけです。
- みぞおちはフワッとリラックスさせて、肩は1度前から大きく1つ回して少し後ろへ引いて脱力してみましょう。
- 最後に、背骨の延長線上に頭頂が来るように顎は軽く引いて頭蓋骨を乗せます。
- ドリスティ(視線)は柔らかく真っ直ぐ前。
これでタダーサナの完成です。
自然と綺麗なタダーサナができる簡単なやり方!
さて、このタダーサナ。こうしてポイントをおさらいしてみると…実はかなり難しいアーサナですよね。体の隅々に意識を向けつつ、キープするのはかなりの慣れが必要です。
インストラクターにとっては、初心者の方に正しく伝えるのが難しいアーサナとも言えますね。とはいえ、オンラインヨガの需要が高まる昨今、しっかりと伝えるスキルは必要不可欠。
というわけで、タダーサナが自然に整う簡単な方法をお伝えします!
下半身が自動的に整う方法
タダーサナで一番難しいのは下半身への意識です。普段、何気なく立ってるときよりも脚への意識を強く繊細に向ける必要があります。
まずはまっすぐ立ちましょう。顎は軽く引いて視線は真っ直ぐに正面を見つめます。吸う息で腕を横から広げて挙げて、吐いて横から下ろす、これを数回繰り返して、中心の軸を確認します。
吸う息で上に挙げた手の指を絡ませ、そのままその手を後頭部に添え、吐く息で肩の力を抜きましょう。そこでさらにお腹を縦に伸ばします。そうすると下腹部が自然と引き締まり、脚は強く床を踏みしめる力が入ります。
その下腹部の感覚を保ったまま、両足に半分ずつ体重を乗せ続け、さらにその下半身を保ったまま、後頭部に添えていた両手をほどき、体の横にそっとおろします。
そうすると…自然ととても理想的なタダーサナが完成します。
目を閉じると…
基本のタダーサナが整ったら、その感覚をちゃんとキープするための練習をしてみましょう。
タダーサナのまま目を閉じて、まずは自分の中心軸に全神経を集中してみると、立つ事の感覚が普段よりありありと感じられます。
さらに、息を吸うごとに足裏から大地のエネルギーが吸い上げられ、息を吐くごとに余分なものも吐き出されて身体の中にプラーナが循環するイメージをしてみると、自分の中心軸が足裏から地球のど真ん中と繋がっている感覚(=グラウンディング)が掴みやすくなります。
この、グラウンディングのイメージはヨガを行う上でとても重要な感覚の一つですよね。
「ヨガ=繋がり=調和」ですから。 大地との一体感とか、自然との調和とか、言葉だけでは「?」なイメージですが、タダーサナで目を閉じてグラウンディングしてみれば、案外簡単にその真髄に近づけると私は思います。
日常的にタダーサナを常に保つのは無理ですが、タダーサナを意識的に行うようになってから、少なくとも身体のどこかにもたれて負荷をかけるような間違った立ち方(例えば反り腰とか、猫背とか)は少なくなっていくでしょう。
座位でもこの感覚を応用!
恥骨の前に踵を前後に並べるように置いたスカーサナ(安楽座)では、右手のひらをお腹に添えて、左手の甲を背中に添えて挟み込んでみましょう。下腹部が自然と縦に伸びて、肩が下がった理想的な姿勢に導くことができます。
背骨は常に上へのベクトル、それとは反対に肩や肩甲骨は少し下に下がるベクトル、これはヨガの基本姿勢そのものです。気を抜くとすぐに抜けてしまう意識ですが、常にここへ戻ってこれるように練習していきたいですね!
まとめ
いかがでしたか?
タダーサナにはヨガの基本姿勢がぎゅっと凝縮された、とても内容の深いアーサナです。
「タダーサナを制する者はアーサナを制する」なんて言われたりしますが、大地とつながるグラウンディングの感覚は、同時に自然と調和するナチュラリストの精神も学ばせてくれそうです。
やはりタダーサナは、ヨガの基本を学ばせてくれる偉大なアーサナなんでしょうね…。
たまには意識的にタダーサナをやって、強くしなやかにぶれない心と身体を作っていきたいものですね!