こんにちは!昨年まで「ヨガの効用を科学する」を連載していた Eri です!
「ヨガインストラクターが妊娠・出産をしたら」シリーズもいよいよ最後の産後編を迎えました。
産後のお股も想像していたより快適、赤ちゃんも可愛くて幸せいっぱいだと思った産後3日目の夜中、助産師さんの前で大号泣するという事件を起こします。
きっかけは、「出産の100倍痛くて辛い!」と思ったある出来事。レポートさせて頂きます!
産後のお股事情
よく、産後のお股が痛くて「円座クッションに救われた!」というお話、聞きますよね。
「そんなに痛い思いはしたくない!」という想いから、「なるべく会陰切開※1はしないでほしい」と申し出ましたが、無常にも「初産は全員切ります」と宣告・・・。そのため、私も覚悟をしておりました。
宣告通り会陰切開をされましたが、切る瞬間は全く痛みもなく(というか、陣痛が痛すぎて気がつかなかった)、縫われる時には麻酔をしてくれたため、こちらも痛くなく・・・。
麻酔が切れた時も、「じんわり痛い」程度で済みました。なので、産後翌日から円座クッションなしで座れるほど回復。
確証はありませんが、産前のヨガと、それを活かした陣痛中のいきみ逃しのお陰で、会陰の傷が最小限に済んだからかな、と推察しています。
- ※1 会陰切開(えいんせっかい):赤ちゃんを出やすくするために会陰部を産婦人科医がはさみで2~3cm切り広げる処置。
想定外の痛みが襲ってきた
順調に見えた産後の生活が、産後2日目の夜中、一転します。おっぱいがガチガチの岩になり、激痛になってきたのです。
産後におっぱいが痛くなるという知識を持っていなかった私にとって、本当に想定外。自分のおっぱいが見たことのない形・大きさになっていて、想像以上の痛みに驚きました。
すぐさま、ナースコールで助産師さんにヘルプ。助産師さんが教えてくれたのは、下記のようなやり方でした。
- 3時間に1回圧抜き程度に絞ること
- それ以外の時間に、おっぱいを動かさない、触らないこと
(触ると余計に母乳が作られて張ってしまうため。) - 張りすぎて赤ちゃんは飲めないので、ミルクをあげること
- 痛くてしんどかったら冷やすこと
言われた通りにしますが、私の場合、冷やすと気持ちが悪くなり、悪寒がしてきたので4は断念。1〜3を守り、朝を迎えます。
その頃には、脇の下にまで、ゴルフボールくらいの硬いしこりが出来ており、腕を動かすのもままならなくなっていました。
(この時初めて、自分に副乳があることを知りました。脇にまで母乳を作ってどうするのでしょう、、)
試練の産後3日目
産後3日目も、律儀に3時間に1回以外は「触らない・動かさない」という決まりを守っていましたが、動かさないのがこれまた痛いんです!
なので、3時間に1回の“動かしてもいい時間”はオアシスタイム。痛みに堪えつつ、ヨガで肩周りをほぐしている間だけ、少し楽になります。
しかし、陣痛とは違って休みなく襲ってくる激痛に、夜には精神的に限界を迎え、ポロポロ涙が出てくるほどに。
再び助産師さんにヘルプ。「おっぱいが痛すぎて辛い」と話を聞いてもらっていたら、涙が止まらなくなって、子どもみたいにわんわん泣きました。(産後のメンタル恐るべし・・・笑)
すると対応してくれた助産師さんが、私がヨガインストラクターだということに気がつき、「ヨガでもやってみたら?」と提案してくれました。
「3時間に1回しか動かさないでって言われたから、3時間に1回だけやっていて、その時は少し楽」と話すと、「楽になるんだったら、動かしたいだけ動かしていいよ。ヨガをやって気持ちが落ちつくなら、ヨガをした方が良い」と言ってくれて、あまりの激痛でパニックだった心が少し落ち着いてきました。
一晩中ヨガをした産後3日目の夜中
母子同室が基本の産院でしたが、1度赤ちゃんは預かってもらい、1人でお部屋に戻りました。
この時すでに夜中でしたが、痛くて痛くて寝るどころではありません。
背中をベッドにつけることも出来ないほど痛かったので、座ったままヨガをしたり、母乳を搾ったりして朝までの時間を潰すことにしました。
すると少しずつ心も落ち着いてきて、明け方に赤ちゃんを迎えに行くことに。おっぱいが痛すぎて赤ちゃんを可愛いと思う余裕も無くなっていましたが、数時間ぶりに見る赤ちゃんはとっても可愛かったです。
退院してからの育児とヨガ
おっぱいが痛いままでしたが、産後4日目に無事に退院し、家での育児がスタート。
産後すぐに苦しめられたおっぱいも少しずつ落ち着いていき、悪露※2も落ち着いた頃、ヨガを再開しました。
嬉しかったのは、息子を足の間に寝かせた状態で太陽礼拝を行うと、息子が声を上げて笑うようになったこと。
出産する前のように、落ち着いてするヨガを時間はとれませんが、時には息子とのコミュニケーションの一貫として、時には寝かしつけ後に自分を癒す時間として、今もヨガは大切なパートナーです。
「ヨガインストラクターが妊娠・出産をしたら」シリーズをお読み頂き、本当にありがとうございました。妊娠・出産は、十人十色。
私のレポートは1例に過ぎませんが、これから妊娠・出産を控えている方の参考になったら嬉しいです。
- ※2 悪露(おろ):子宮が収縮して妊娠前の状態に戻るときに子宮内から排出されるもの。胎盤や卵膜がはがれた傷からの血液、リンパ液や、子宮にたまっていた分泌液などが混ざっている。