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こんにちは!ヨガをされている方は、健康に気を使っている方も多いと思います。
今回は、漢方などでお馴染みの中国の伝統医学『中医学』における体質とその改善方法について解説いたします。
中医学では、気虚、血虚、陽虚、陰虚、気滞、湿熱、瘀血の7つの体質があります。
気虚
気虚(ききょ)とは、気が不足し、ひとつの臓腑、あるいは全身の生理機能が衰退した状態です。
「脾」の気虚、「肺」の気虚、「心」の気虚、それらが重なった複合証がよく見られます。
ここでは、特に多い脾の気虚を中心に紹介いたします。
症状
- 気力が起きない
- 少し動くとすぐ疲れる
- かぜをひきやすい
- 声が小さく、話すのがおっくう
- めまい、息切れ
- 顔色が悪い(黄、白っぽい)
- 下痢になりやすい(水様便、軟便)
- 昼間、自然に汗がでる
- 動くと症状が悪化し、少し休むと改善する
- 舌の色が薄く、水分を含んでいる、両側に歯形がある
- 月経期間が短く、量は多いが色が淡く、さらっとしている
- 月経がだらだらと続いたり、不正出血が起きやすい
おすすめの食材と生薬
米、もち米、アワ、大麦、ヤマイモ、ニンジン、ジャガイモ、シイタケ、ナツメ、カボチャ、朝鮮ニンジン、クリ、黒きくらげ、レンコン、陳皮、ブドウ、黒砂糖、鶏肉、牛肉、うずらの卵など。
血虚
血虚(けっきょ)とは、血が不足し、全身の臓腑や組織などに栄養と潤いが行き渡らなくなる状態です。
血を貯蔵する「肝」、血を全身に巡らせる「心」の血虚が多いです。
原因は、血を作る働きの低下や、手術後、産後、外傷後などの大出血です。
症状
- めまい、立ちくらみ(貧血)
- 動悸
- 目のかすみ
- 睡眠が浅く、夢をよく見る
- 顔色が悪い(青白い)
- 皮膚や髪につやがない、爪や唇の色が薄い
- 手足がしびれたり感覚が麻痺することがある
- 舌の色は白っぽく苔がない、または薄い
- 不安になりやすい
- 月経周期は長めで、量は少なく色が薄い
- 月経痛が月経の後にある
おすすめの食材と生薬
ほうれん草、クコの実、黒きくらげ、黒ゴマ、黒豆、ナツメ、当帰、キンシンサイ、アワビ、イカ、タコ、マグロ、カツオ、牡蠣、ナマコ、サバ、鶏卵、羊肉、豚肉、牛肉、米、小麦、ヤマイモ、アワ、大豆、朝鮮ニンジン、ブドウ、モモ、イワシ、サバ、カツオなど。
陽虚
陽虚(ようきょ)とは、気が不足する「気虚」が続くと気虚の特徴である内臓の働きの低下に「寒」の症状が加わった状態です。
もともと虚弱体質だったりすると起こりやすいです。
症状
- 寒がりで温かいものを好む
- 手足が冷たい
- 尿量が多くて透明
- 舌が大きい
- 低体温
- 足腰が冷えてだるい
- 性欲低下
おすすめの食材と生薬
クルミ、ニラ、ニンニク、エビ、もち米、カボチャ、クリ、ヨモギ、ラッキョウ、アンズ、サンザシ、シソ、ネギ、コリアンダー、黒砂糖、八角、フェンネル、クローブ、シナモン、カショウ、朝鮮ニンジン、ベニバナ、当帰、陳皮、サクランボ、ライチ、モモ、アジ、サバ、サンマ、アワビ、マグロ、ナマコ、牛肉、鶏肉、羊肉など。
陰虚
陰虚(いんきょ)とは、体内で血や津液(体液)が不足し、体に虚熱がある状態です。
更年期の女性に起こりやすいです。
症状
- 肌、目、唇、口の中の乾燥
- 手足や顔のほてりやのぼせ、寝汗
- 胸が苦しくて寝つきが悪い、布団に入ると耳鳴りがする
- 便が乾燥している
- 舌が乾燥していて赤く、苔が少ない
- 短気でイライラしやすい
- 月経期間は短めで(2~3日)量が少なく色は赤色
- おりものが少ない
- 痩せ気味
おすすめの食材と生薬
白きくらげ、ヤマイモ、クコの実、黒ゴマ、黒豆、マツの実、アサリ、アワビ、イカ、カニ、エビ、ホタテ貝、スッポン、豚肉、鴨肉、鶏卵の黄身、小豆、ハト麦、セロリ、セリ、キュウリ、豆腐、緑豆、ゴボウ、イチジク、牡蠣、カニ、シジミ、コンブ、アヒル、ツバメの巣など。
気滞
気滞(きたい)とは、気の運動がうまくいかなくなり、気の巡りが停滞する状態です。
主に「肝」と「脾胃(脾臓と胃腸)」で起こりやすく、瘀血(後述の体質)を伴うこともあります。
症状
- お腹が張りやすく、ガスやしゃっくりが多い
- 胸、両脇が張るように痛む
- 下痢と便秘を繰り返す
- 憂鬱になったり、すぐ怒ったりする
- 月経期間が不安定で、月経時はお腹が張り痛む
- 経血量は多いか、少なくてだらだら続き、色は黒っぽい赤
- 食欲が不安定
- ため息をつきやすい
おすすめの食材と生薬
シソ、キンカン、カボス、スダチ、ミカン、ソバ、大根、ラッキョウ、玉ねぎ、シイタケ、サンザシ、ジャスミン、陳皮、八角、フェンネル、ナツメグ、ウコン、コリアンダー、セロリ、セリ、ハッカ、春菊、パセリなど。
湿熱
湿熱(しつねつ)とは、水分代謝機能の低下が進み、体の熱のために痰飲が粘性になった状態です。
辛いもの、甘いもの、脂っこいもの、肉の摂り過ぎ、お酒の飲み過ぎなど、美食、過食を続けると湿熱を招きやすいです。
症状
- むくみやすい
- 太め
- 身体や頭が重だるい
- 尿の出が悪い
- 軟便で、すっきり出ない
- 舌に黄色の苔が多く付着していてネバネバしている
- 月経期間は正常だが、月経前にお腹が張ったり、身体がむくんだりする
- 黄色のネバネバしたおりものが多い
おすすめの食材と生薬
小豆、ハト麦、セロリ、セリ、キュウリ、豆腐、緑豆、ゴボウ、イチジク、牡蠣、カニ、シジミ、コンブ、黒豆、大豆、スイカ、トウガン、大根、ナス、トウモロコシ、キャベツ、キンシンサイ、ワラビ、セロリ、アサリ、シジミ、ノリなど。
瘀血
瘀血(おけつ)とは、血の巡りが滞っている状態です。
「気滞」が原因となる気滞瘀血、「気虚」による気虚瘀血が多いです。
症状
- 身体の特定の場所が刺すように痛み、夜に悪化する
- 婦人科の疾患がある
- 皮膚のくすみ、しみ、そばかすなどがある
- 唇や爪の色が暗く、紫っぽい
- 首や肩が凝りやすい
- 舌の裏側に血管が太く浮き出る
- 月経期間が長めで、量は多く、色は黒っぽい赤色
- 経血に粘り気があり、レバーのような血の塊が混じる
- 刺すような月経痛がある
おすすめの食材と生薬
ラッキョウ、シナモン、ニラ、ナス、コマツナ、アブラナ、黒きくらげ、モモ、サフラン、ベニバナ、黒豆、黒酢、酒、酒かす、黒砂糖、アジ、イワシ、サンザシ、当帰、カニなど。
皆さんはどの体質に当てはまりましたか?ひとつではなく、複数の体質に当てはまる場合も多いです。
おすすめの食材を積極的に摂り、健康な生活を送るよう心掛けていきたいですね。