記事の項目
これまでヨガジェネレーションを通して、読者の方に少しでも有益な情報を提供したいと思い、様々な記事を書いてきました。
今回は初めてのインタビュー記事です。日本車いすテニスナショナルチームトレーナーの増田拓(ますだ ひろし)さんにお話をうかがいました。増田さんと私は、現在も外来整形外科で一緒にリハビリ業務をしている仲間です。
身体のスペシャリストの視点から、ヨガやパラスポーツについてたくさん話していただきました。ぜひ最後までお読みください!
インタビューのいきさつ
奥様の資格取得を目指して頑張っている姿を見て増田さんも何か感じたことがあると思い、色々聞いてみたいと思いました。
あとは増田さん自身をもっといろんな人に知ってもらいたいというのもあります!(笑)
増田拓さんの経歴と現在
理学療法士として複数の現場で活躍
メディカルトレーナーの役割は、現場で起こる怪我やアクシデントの応急処置やリハビリ指導をすること。怪我予防やパフォーマンス向上のためのコンディショニング指導もしています。
ただ車いすテニスの場合、障がいを持っている人が相手で、選手それぞれに障がいが違う。健常者スポーツとは違い確立された指導方法が無いため、必然的に個別性が高くなります。
選手1人1人に深く関わることが必要になるし、それぞれの基礎疾患や障害がい特性が違うので医療の知識がとても大事になります。
スポーツの怪我が身体に興味を持つきっかけに
中学生の時に怪我をよくしていて、良いコンディショニングでプレイできない時期がありました。それで人間の身体のことを深く知りたいと思い、スポーツトレーナーの道を志しました。
理学療法士としてパラスポーツの世界へ
ロンドンパラが終わったタイミングで車いすテニス協会がメディカルトレーナーを募集する話があり、本格的に車いすテニスのトレーナーとして活動していくことになりました。
ヨガにも通ずる情報蓄積の重要性
健常者スポーツの場合、運動機能を評価するテストのデータがあったり、運動指導の教科書があったりする。ヨガも長い歴史の中で、先人達が今に伝えてきたベースがありますよね?でも、パラスポーツはそのようなベースがまだ完全に確立できていない。
日本のパラスポーツの課題と目指す所
日本ではパラスポーツに「リハビリの延長」や「社会福祉」のイメージが強いですが、海外では社会全体がパラスポーツに関心があるし「プロスポーツ選手」として見ているんです。
日本でもパラスポーツを「プロスポーツ」として認知してもらいたいですね。
そして、まだ世間にあまり認知されていないため、関わるトレーナーが少ないことが課題です。
例えば、合宿や国内大会中に選手にアクシデントが起きた場合、私がいる広島に滞在していたら自分が選手の対応ができるけど、広島以外だとそうはいかない。「そこの地域なら◯◯病院に△△っていうパラスポーツのトレーナーがいるから受診して」という風にできたら良いのですが、まだそのネットワークが確立できていない。
だから、パラスポーツのトレーナーを増やし、選手が安心してプレイできる環境を作っていきたいです。
次回、インタビューの後編では、「【増田拓さんインタビュー後編】スポーツ選手とヨガの関係とは?」をテーマにお届けします。