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経済・社会・環境のバランスが整った社会を目指すSDGs。持続可能なビジネスにもつながるため、ヨガスタジオ運営者やインストラクターの方はぜひ押さえておきたい分野ですよね。
今回は、SDGsの概要と、ヨガスタジオやインストラクターがおこなえる取り組みについてまとめました。環境や生活について、あらためて考える機会を生み出していきましょう!
SDGsは「17の目標」で経済・社会・環境の調和を目指す
まずは簡単にSDGsの概要を確認しておきます。
SDGsは、2015年に国連加盟国の全会一致で採択された「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。気候変動対策・平和・雇用のあり方・イノベーションなど、国際社会共通の2030年までの目標を掲げ、持続可能でよりよい世界を目指しています。
SDGsには、「17の目標(ゴール)」と「169の解決すべき課題(ターゲット)」、解決にむけて進捗状況や成果を測るための「232のグローバル指標」が設定されています。ビジネスの場で行動を起こす場合は、17の目標にしっかり目を通し、主体的に取り組めるものを見つけることが大切です。
【17の目標(ゴール)】
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤を作ろう
- 国や人の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさを守ろう
- 平和と公正をすべての人へ
- パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsの目標達成にヨガが役立つ理由
SDGsの理念は「No one left behind(誰一人取り残さない)」です。なんとなく気づいている方も多いかもしれませんが、SDGsの目標達成にはヨガがとてもよく役立ちます。
ヨガがメリットをもたらす主な理由は、以下の通りです。
- ヨガには「ヤマ」「ニヤマ」の共通認識があるから
- ヨガには「誰一人取り残さない」包括的な優しさがあるから
- SDGsの取り組みには心身の健やかさが必要だから
ヨガ業界には、ヤマ・ニヤマの考えが広く知られていますよね。そのなかの「あらゆるものを傷つけない(アヒムサ)」「必要最低限のシンプルな生活、満たされていることを知る(サントーシャ)」などは、個人の幸せを見つけると同時に、SDGsの掲げる「よりよい世界」を模索する手がかりにもなります。
また、SDGsではモラルに反した行為や利益至上主義を見直すために、心身の健やかさ(病気の有無ではなく、もっと広い意味での健康)が必要不可欠です。老若男女がおこなえるヨガは、あらゆる障壁を取り除くきっかけ作りになりえます。
【取り組み具体例】ヨガ教室・インストラクターがSDGsのためにできること
ヨガスタジオやインストラクターがSDGsに向けた取り組みをすると、お客様や業界全体など、広範囲によい影響を与えやすくなります。複数人で実施することで、対話による新鮮な気づきも見つけやすくなるでしょう。
例:スタジオとしての社会的責任を話し合う
SDGsの視点から、スタジオの理想のあり方やアイデアを話し合う時間を設けます。それぞれのスタッフの意見は「こんなことを考えていたんだ!」「それもいいね」と勉強になるはずです。
例:スタジオの電気をこまめに消す
スタジオの消費電力を少なくすることは、CO2の排出削減に貢献します。環境負荷を減らす&電気代を抑える目的で、LED照明へ切り替えるというアイデアも。
例:オンラインデータを活用する
紙の製造や輸送による負荷を減らすため、オンラインツールを活用します。とはいえ、電子メールや電子書籍も環境負荷はかかるので、業務の根本的な見直し(不必要なフローを見つけて効率化する など)も同時におこなう必要があります。
例:ワークライフバランスを整える
社内の人やその家族など、誰かにシワ寄せがくる状況は、ワークライフバランスが整っているとはいえません。スタジオ経営者はスタッフに「男女ともに働きやすい環境か」「不平等や差別はないか」などアンケートをとってみるのもよいでしょう。
例:周辺地域の清掃やボランティアに参加する
スタジオ周辺のごみ拾いを積極的におこないます。ボランティア団体と協力すれば、より活発な活動やコミュニケーションができるかもしれません。
例:「どんな人にヨガを伝えられるか」をあらためて考える
SDGsの理念「誰一人取り残さない」を、ヨガでどのように実現できるかあらためて考えます。ヨガならではのよい点は、あらゆる制限を必要とする立場の方にもお届けできること。障がいのある方も、妊娠中の方も、生活に困窮している方も、仕組みや環境が整っていればヨガを取り入れられます。
例:SDGs視点で他業種とパートナーシップを組む
ヨガ業界はもちろんのこと、他の業界にも目を向けてみます。SDGsという共通理解をふまえて他社と協力すると、人間や地球について考える幅が広がります。
唯一の正解がないからこそ、行動しながら考えよう
SDGsはゴールこそ決められているものの、その達成方法は無数にあり、唯一の正解はありません。
この記事で挙げたことの他にも、ヨガという世界観を通じて、17の目標に貢献できる方法はたくさんあるでしょう。ぜひ周囲の方とアイデアを交換し合いながら、できる取り組みを見つけていってください。
参考資料
- 笹谷秀光『SDGs見るだけノート』宝島社,2020
- ジョージーナ・ウィルソン=パウエル『これってホントにエコなの?』東京書籍,2021
- 国際連合総合センター「持続可能な開発目標(SDGs)とは」
- 横浜市都筑区「SDGs~私たちにできること~」