月経周期とヨガ

月経周期とヨガ~周期に合わせたヨガで身体を労わろう~

女性の身体は、月経の周期に合わせて1ヶ月の間にホルモンの量が大きく変化します。

ホルモンの量自体はわずかかも知れませんが、分泌されるホルモンの変化は心にも体にも影響を及ぼすことがあります。

今日は女性の月経周期に起こる身体の変化と、各時期におすすめのヨガや過ごし方ついてお話ししていきます。

月経周期とホルモン

月経周期とホルモン
ホルモンの変化

月経第1日から次の月経開始の前日までを「月経周期」といいます。

個人差はありますが、平均28日を1周期として、ほぼ規則正しく繰り返しています。

月経周期で分泌量が変わるホルモンとして、「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンがあり、2つを総称して「女性ホルモン」と呼ぶことがあります。

エストロゲン

「エストロゲン」は、いわゆる「女性らしい身体」をつくるためのホルモンで、乳房を発達させ、子宮内膜を厚くさせる働きを持っています。

そのほかに、肌の潤いやツヤを保つ作用や、血中のコレステロールの量をコントロールする作用、骨量を保つ作用などもあります。

プロゲステロン

「プロゲステロン」は厚くなった子宮内膜を柔らかく維持して、妊娠しやすい状態へと変化させます。

そのほかに、妊娠に向けて水分や栄養素を蓄えたり、体温を上昇させたりする働きがあります。

月経周期における身体の変化

月経周期における身体の変化
女性のホルモン変動を伴う約28日の体内リズムです。

それでは、月経周期における各時期に起こる身体の変化を詳しくお話ししていきます。

1.増殖期

増殖期は、月経周期の第5日〜第14日ごろを指します。
卵巣周期では卵胞期の後半にあたるこの時期は、エストロゲンの分泌が増加し、子宮内膜が厚くなっていきます。

生理が終わり、徐々にエストロゲンの量が増加してくるこの時期は、新陳代謝も活発になり、肌ツヤも良くなり、精神状態も安定しやすくなる時期です。

運動にも適した時期で、ヨガではしっかりと身体を動かして筋肉を刺激し、心肺機能を高めるような動きがおすすめです。

英雄のポーズや、椅子のポーズでは下肢の筋力を刺激できます。

ハンドスタンドや、シルシャーサナなどの逆転のポーズにチャレンジしてみるのもいいかも知れません。

2.分泌期

分泌期は月経周期の第15〜28日ごろです。

排卵以降の黄体期と呼ばれる時期です。排卵を境にエストロゲンの分泌が徐々に低下し、プロゲステロンの分泌が増えてきます。

妊娠に向けて、身体を整えているため、食欲も増加し、浮腫みやすく、精神状態も不安定になりやすい時期です。

この時期は、無理せず、適度な運動で気分転換するぐらいの気持ちでヨガを取り入れてみるのがおすすめです。

バッタコーナアーサナやハッピーベイビーポーズでは、股関節や骨盤周りの血流を程よく促進できます。

気持ちが落ち着くようであれば、ガス抜きのポーズや、チャイルドポーズもいいかも知れません。

3.月経期

月経期は月経周期の第1日〜第4日ごろです。

妊娠が成立しない場合、エストロゲン、プロゲステロンの分泌は急激に低下します。その結果、子宮内膜が剥がれ落ちて、子宮外に排出され月経となります。

ホルモンの量から見ると、体を動かすのにも適した時期といえます。

体調に問題がなければ、特にヨガや運動を制限する必要はありません。

ただ、気をつけたいのは逆転のポーズ。

ヨガの観点からは、月経中の逆転はエネルギーの自然な下向きの流れを妨げるため、控えた方が良いとされています。

逆立ち等のポーズはもちろん、ダウンドックや橋のポーズのキープも短めにする方がいいかも知れません。

おすすめのポーズは鼠蹊部や骨盤周りを刺激できる、女神のポーズや三日月のポーズ。

月のポーズやワニのポーズで体側を伸ばしたり、ねじったりする動きも、呼吸を深めるのに役立ちます。

自分の身体に耳を傾けよう

月経周期によって変わるホルモンの量と、運動機能などの差については、まだしっかりとした科学的根拠は少ないのが現状です。

月経周期についても、人によって長さは様々ですし、内服薬等の有無などによっても変化します。

大切なのは、しっかりと自分の身体の声に耳を傾けることです。

「運動に適した時期と言われているから」ではなく、「今、私はどうしたい?」その答えに、素直に従うことも必要かも知れません。

周期的に変化するホルモンバランスによる自分自身の変化に気付く手段としても、ヨガを使って自分を知って、労ってあげてください。