ヨガとメンタルヘルス:変化の時代における心のケア

「ヨガとメンタルヘルス:変化の時代における心のケア」~亡き恩師からの最後のメッセージ~

変化の時代とメンタルヘルスの課題

変化の時代とメンタルヘルスの課題
変化の時代とメンタルヘルスの課題

現代社会は、2020年に始まった新型コロナウイルスの影響から、依然として変動と不確実性の中にあります。パンデミックの間に多くの人々が、メンタルヘルスの課題に直面しました。WHOによると、パンデミックの期間に世界中でうつ症状や不安障害を抱える人々が約25%増加したとの報告がありました(SpringerLink)。特に、ロックダウンや社会的孤立、経済的不安などが心の健康に大きな影響を与えました。
このような状況下で、ストレスや不安といったメンタルヘルスの問題は、誰にとっても無視できないものとなっています。

メンタルヘルスの重要性

パンデミックによる生活習慣の変化や経済的不安により、日常的なストレスや不安が増幅しています。これにより、心のケアが以前にも増して重要視されるようになりました。特に、心身のバランスを整える手段としてのヨガは、今やメンタルヘルスのサポートとして世界中で広がりを見せています。
科学的な調査では、ヨガの実践がストレスホルモンを減少させ、自律神経を整える効果があることが確認されています(Psychology Today) 。このことからもわかるように、ヨガは多くの人にとって、心の健康を維持する手助けとなっています。

ヨガが果たす役割

ヨガのクラスを受ける女性たち
ヨガのクラスを受ける女性たち

心のケアに対する様々な取り組みの中で、ヨガは特に注目されています。
アメリカ、インド、イギリスなどの多くの国では、オンラインヨガクラスが急速に普及し、どこからでもアクセスできる利便性が、メンタルヘルスの改善に役立っています。たとえば、KundaliniヨガやIshaヨガのプログラムは、ストレス解消だけでなく、感情のコントロールや自己認識力の向上にも寄与することが科学的に証明されています(Psychology Today)(SpringerLink)。ヨガは、体を動かすだけでなく、呼吸法や瞑想を通じて心を落ち着かせ、精神的なウェルビーイングを促進する手段として世界的に受け入れられています。
心のケアが重要視される今、ヨガはその役割を果たしつつあります。

亡き恩師からの最後のメッセージと使命

 メンタルヘルスとヨガの深い関係についてお話してきましたが、私が心の健康に特に強い関心を持ち、ヨガを通じて多くの人々を支援する理由には、個人的な体験が関わっています。それは、私が心から尊敬していた「恩師」からの最後のメッセージでした。

「あなた、それやんなさい!」

この一言は、私の人生を大きく変えました。約15年間、外資系企業で役員秘書を務めていた私は、恩師とも呼べる元上司をメンタル疾患で突然失いました。
彼女が私に残してくれた最後のメッセージは、「ヨガの普及活動」でした。この言葉が、私の心に深く刻み込まれたのです。

当時の私は大きな喪失感を抱えながらも、彼女の遺志を受け継ぐ決意を固めました。企業で働く多くのビジネスパーソンが、日々のプレッシャーとストレスに直面している現実を目の当たりにし、彼らに向けて何ができるかを考え始めました。それから私は、「心を安定させながら、いかにしてパフォーマンスを最大限に発揮するか?」という課題を追求するようになりました。
そして、この経験から生まれたのが「BizYoga+(ビズヨガ・プラス)」という、ビジネスパーソンに特化したヨガメソッドです。このメソッドは、医療機関と共同開発したヨガセラピーを、企業で働く人々向けに研究開発されました。
亡き恩師の遺志を受け継ぎ、今も私はヨガの普及活動に情熱を注いでいます。

恩師に与えられた一つの答え
~全てのものが移ろいゆく変化の中で、「変わらないもの」を見つづける

変化の激しい時代を生きる中で、私たちはしばしば周囲の環境、評価、人間関係に振り回され、翻弄されて、忙しい日々を過ごしがちです。まさに「忙しい」という言葉は「心を亡くす」と書きます。
お気づきかもしれませんが、Business(ビジネス)とは、Busy(忙しさ)の中にあることで、そのような生活を送っている私たちは、知らず知らずのうちに「本当の自分」を見失いがちです。

あなたの「ココロ」はどうですか?

では、どうすれば忙しさに流されずに、心の安定を取り戻すことができるのでしょうか?
私が見つけた答えは、変わりゆく状況の中で唯一変わらないものを、自分の内側に見つけることでした。
恩師の中には、いつも変わらない深い愛がありました。そして彼女を突然失った時、その喪失感の中で、私の中にも普段は気づかないような深い愛が宿っていたことを実感したのです。
「誰にも奪われず、傷つくことのない『本当の自分』がいつも心の中にいる」と実感することで、心の安定を取り戻せるいう事実に気づいたのです。

さらに彼女は、「死の概念」を知ることで、「生」をより深く理解できるということを私に教えてくれました。

私たちは誰もが、人生が有限であることを知っていながら、日常の忙しさに埋もれてその事実を忘れてしまいがちです。大切な人が明日いなくなるなんて、想像もできません。しかし、死という出来事は突然に訪れるものです。
もし今日があなたの人生の最後の日だとしたら、あなたはどのように生きるでしょうか?
そして、誰に何を伝えたいですか?

彼女との出会いと別れは、私に「生きる意味そのもの」を与えてくれました。
それは今この瞬間に、全ての変化の中で変わらない自分を見つけ、そこに立脚すること。そして、私は今もその使命を生き続けています。