アシュタンギのドーシャ診断

アシュタンギのアーユルヴェーダドーシャ診断!47名に聞いてみた

「体はアーユルヴェーダで、心はヨガで」

こんな言葉を知ったのは今から約1年前のこと。「インドではこんな風に云われています。」と中井まゆみ先生のRYT200のゲスト講師である、アーユルヴェーダ医師:浅貝賢司先生に教えて頂きました。

その時のレポートがこちら

このときの講義は非常に印象的で、ヨガだけでなく、アーユルヴェーダもしっかりと勉強しようと決心した講義でもありました。

こんにちは、ヨガジェネレーションのべーです。

現在、浅貝先生には、中井先生のRYT200だけでなく、ヨーコ・フジワラ先生のRYT500にも入って頂き、講義をして頂いています。ちなみにちょっとだけお知らせしておくと、来年は更に新たなトレーニングにも入ってもらおうと目論んでいます。(お楽しみに)

浅貝先生のホームページはこちらから

私が担当すると、その先生は馬車馬のように働される。(ちょっとだけ本当。笑)

アシュタンギに多いドーシャは何?アシュタンギドーシャ診断

というお話はさておき、浅貝先生に、ヨーコ先生のRYT500に入って頂いたこともあり、先日こんなことをやってみました。

「アシュタンギのアーユルヴェーダドーシャ診断」

ヨーコ先生にもご協力頂き、ヨーコ・フジワラマイソール&レッドクラスコミュニティの皆さん総勢47名の方々にアンケートを取らせて頂きました。今日は、その結果を皆様にもお知らせしたいと思います。

アーユルヴェーダとは?特徴的なトリドーシャ説

アーユルヴェーダのドーシャ
すべてのものを生み出す元になる五つの自然界の元素(地、水、火、風、空)

アーユルヴェーダは、ヨガと同様その歴史は約5000年前に遡ります。古代ヴェーダから派生し、現代にまで受け継がれている伝統医学。RYT200などのトレーニングで勉強したことがあるという方も多いのではないでしょうか。

このアーユルヴェーダの特徴の1つがトリドーシャ説という考え方。冒頭で書いていた「ドーシャ診断」というのも、インターネットで検索すると無料で受けられるようなものが結構ヒットしてきます。

トリドーシャの「トリ」は3つという意味で、ドーシャは私たちの体を構成している基本組織。ヴァータ(風)ピッタ(火)カパ(水)の3つがバランスを取りつつ、構成されていると考えられています。

3つのドーシャの特徴

ここで3つのドーシャの特徴をすこし見てみましょう。

ヴァータ(風)

アーユルヴェーダの基礎のキ:ドーシャ「ヴァータ|Vata」とは?

空と⾵の性質を持つヴァータは、 あらゆる運動を引き起こすエネルギーです。軽さと冷性、乾燥、移動性が基本とされています。

体のイメージでは⾻格、筋⾁がよくわかり、⾎管も浮き出ています。変化が好きで⾊々なこ とに興味を持つところや、好奇⼼旺盛で新しいことを積極的に始めますが飽きっぽいとこ ろやすぐに忘れてしまうことも。フットワークが軽く、⾏動⼒があるけれどスタミナはあまりありません。考えがコロコロ変わったりするところや優柔不断なところもヴァータのバランスが崩れると⽬⽴ちます。

誰にでも話しかけ、新しい環境や⼈とうち解けるのが早いけれど、実は変化に⾮常に敏感な ため、知らないうちにストレスを溜め込みがちなところがあります。忙しかったり落ち込ん だりすると、⾷欲がなくなったり⾷べること⾃体を忘れてしまったりします。

ピッタ(火)

アーユルヴェーダの基礎のキ:ドーシャ「ピッタ|Pitta」とは?

ピッタの基本は、軽さ、暖かさ、そして鋭さ。⽕または熱のエネルギー、変化を起こす⽣命エネルギーです。

体は、筋⾁は柔らかく、関節の動きがしなやか。肌はほくろやそばかすが多く、シワが出や すいと⾔う特徴があります。知的で、テキパキと仕事もこなし、チャレンジ精神も旺盛で、 集中⼒も⾼いですが、忍耐⼒には⽋けると⾔う⼀⾯も。消化⼒が⾼く、お腹が空くとイライラするタイプです。競争相⼿がいるとライバル意識を燃やして、⼈に評価される仕事が達成 できます。

また、ピッタの代表的な特徴は、強いこだわりがあるため、神経質になったり、⾃分や他⼈に対してもちょっとした失敗が許せないという⼀⾯もあったりします。

カパ(水)

アーユルヴェーダの基礎のキ:ドーシャ「カファ|Kapha」とは?

カパの属性は重性、冷性、油性、緩慢性。⽔のエネルギー、安定性を与えるエネルギーです。

体は、がっしりしていて⽪下脂肪が多く、筋⾁や関節は引き締まっています。ゆっくり、のんびりしているので、動作も話し⽅も全ておっとりしています。寝つきがよく、ぐっすり眠れて睡眠が最優先。何かを始めることに時間がかかりますが、⼀度覚えたことは中々忘れません。

忍耐⼒があるので、どんなに⾟くても⽬標を達成するまで粘り強くコツコツとやり遂げま す。穏やかで安定しているカパは、バランスが崩れると思考が鈍くなり頑固になりがち。また、無気⼒になり、何事も楽な⽅を選ぶ傾向があります。

面白いですよね。これを読むだけでも、ちょっと「私っぽいかも…」と思えるドーシャがありませんでしたか?

アーユルヴェーダの体質診断

今すぐ始められる!ヨガ×アーユルヴェーダのセルフケア
どんな体質かがわかると色んな対処方法が。

さらに、体質としては、この3つのドーシャ単独のもの、どれか1つが優勢で、もう1つが二次的に現れることや、2つのタイプがほぼ同じように現れたりすることも。

そのため7つの体質の傾向に分けられると云います。(もっと細かくわけると10種類以上にも)

  1. ヴァータ
  2. ピッタ
  3. カパ
  4. ヴァータ・ピッタ(ピッタ・ヴァータ)
  5. ピッタ・カパ(カパ・ピッタ)
  6. ヴァータ・カパ(カパ・ヴァータ)
  7. ヴァータ・ピッタ・カパ

この7つのうち、アシュタンガヨガを好んで練習されている方はどんな体質や傾向を持つ人が多いのでしょうか。いよいよ結果発表です。

1位はヴァータ・ピッタ(ピッタ・ヴァータ)。アシュタンガヨガの特性と似ている

総勢47名の方に応えてもらったアンケート。1位から順に発表するとこんな結果に。

順位体質人数
1位ピッタ・ヴァータ(ヴァータ・ピッタ)14名
2位ピッタ・カパ(カパ・ピッタ)10名
3位ピッタ7名
3位ヴァータ・カパ(カパ・ヴァータ)7名
5位カパ5名
6位ヴァータ2名
7位ヴァータ・ピッタ・カパ2名

結果はヴァータ・ピッタ(ピッタ・ヴァータ)が1位に。

ここで、少しアシュタンガヨガの性質を見てみましょう。アシュタンガヨガは、正式名称アシュタンガヨガヴィンヤサシステム、という名の通り、一呼吸一動作というヴィンヤサを途中で行うという特徴があります。変化を好み、コロコロとポーズが変わるヴィンヤサは好奇心旺盛なヴァータの質を持つ人に好まれやすいヨガです。

また、毎⽇同じシークエンスを繰り返すという規律性があること、他のヨガスタイルにはない特性として先生から、⾃分の練習ポーズが与えられ、そのポーズができるようになると次のポーズを先⽣からもらう、というシステムがあります。そのため、常に⽬標意識を持ち、今⾃分に与えられたポーズをいかに攻略していくのか、というチャレンジ精神が磨かれるため、ピッタの性質を持つ人はのめり込んでいくのでしょう

ヴァータとピッタの特徴がそのまま表れていますよね。その結果が今回のアンケート結果ではないかと推測しています。

ドーシャ的に考える。アシュタンガヨガの特徴と気を付けるべきポイント

ヨーコ・フジワラ来日マイソールの様子
ヨーコ・フジワラ来日マイソールの様子

アシュタンガヨガはポーズが進んでいくにつれ、派⼿なポーズ、⼈から⾒ても賛美されるポーズも多いので、憧れの的となることもあります。また、ポーズの攻略が、目的となってしまい、ヨガの本質を忘れてしまっていることも。

その人のペースを見て渡されているはずのポーズですが、自分と誰かと比べ競争⼼を持つ人がいたり、熱中するあまり無理をしすぎて体を痛めてしまう危険性もあります。

これらはピッタの心理的要素の一部。自分にそういった性質がないかを考えつつ、練習するのも大切ですね。

本来アシュタンガヨガは、毎⽇⾏うことで、⾃分の⼩さな変化に気づき、ヨガがその⽇のバロメーターとなること、⾃分を知る⼿段の1つになることです。

また、⾃分が出来ないことと向き合った時に、その困難にどう⽴ち向かっていくのかということも試されます。諦めるのか(ヴァータ)勢いで突き進むのか(ピッタ)、コツコツと積み上げていくのか(カパ)。マットの上で向き合う困難は、⽇常⽣活でも困難と向き合う際に、⾮常に役⽴ちます。

日頃の摂取はギーがオススメ!アーユルヴェーダアドバイス

ギー

また、ピッタ・ヴァータの人にオススメなのが「ギー」です。ギーとは、無塩バターからタンパク質、水分、不純物を取り除いて純粋な脂肪分だけを集めた「溶かしバター」のこと。

ギーはピッタをメインに下げますが、同時に油性でヴァータを下げるため、ピッタヴァータを増悪させないためにも日頃からの摂取はとても良いとされています。

さらにアシュタンガヨガなど、ハードなトレーニングで体脂肪が減ってしまう場合は少し注意しておきたいことが。脂肪組織は「潤滑」という、関節などをスムーズに動かす働きがあるので、脂肪が減少すると、関節などを痛める可能性も出てきてしまいます。ギーを摂取することでその予防効果が期待されます。

一般的なバターと同じようにパンに塗って食べるのはもちろんのこと、バターと同じように料理に使えるので、ぜひ気になる方は「ギー」を調べてみてほしいと思います。

自分を良く知ることで各流派の練習の質を上げる

ヨガの練習をする女性
ヨガの練習をする女性

今やヨガの流派は、伝統的なものから派生し、様々な種類のものがあります。今回はアシュタンガヨガのコミュニティにアンケートを取ってみましたが、自分がそのヨガのどういったところを好きで、どのように練習に取り組んでいるのかを客観視すると、見えてくる自分がいませんか?

面白いですよね。

ドーシャの診断は非常に複雑で、プロが行ってもその正確性は50%ほどだとも云われています。また、アンケート以外にも本来は脈診や問診などをし、総合的に見ていくものですので、これだけが判断材料にはなりません。

また、今回は対象年齢が40代~50代の方々を中心に行っているので、診断にも影響しているかもしれません。

でも、こういった傾向が客観的に見られるのは面白いですよね。機会があれば、また違うコミュニティでもアンケートを取ってみたいと思っています。

いよいよヨーコ・フジワラ来日!

2024年ヨーコ・フジワラ来日スケジュール一覧

そして、いよいよ、ヨーコ・フジワラの来日が迫っています!この記事が公開される週の木曜日からは、ヨーコ先生が大阪に!私も毎日、来る人の名簿とにらめっこしながら準備を進めています。

2週間で全29講座!そのどれもがほぼ満席状態。今回も馬車馬スケジュールです!

大阪・湯河原温泉・東京、と私も全て同行します!お逢いできる皆さま、楽しみにしていますね!

参考資料

  1. スワミ・サッチダーナンダ著 伊藤久子訳 『インテグラ―ル・ヨガ パタンジャリのヨガスートラ』(株式会社めるくまーる、1989年)
  2. アーユルヴェーダの基礎現代健康学の基礎(一般社団法人 日本アーユルヴェーダ学会、2019年発行)