ご自身の姿勢は、整っていると思いますか?
肩こりやストレートネック、腰痛、前腿の張りなどの不調は、多くの場合、姿勢の悪さから起こります。
本来、人は最低限の力で立ち、日常生活をおこなうことができる筋肉を持っています。しかし、毎日の生活の中で繰り返し行う動作や液晶画面の注視、姿勢の癖などによって使われる筋肉に偏りが出て、姿勢の不良につながることがあります。いつも使いやすい筋肉ばかりが使われ、あまり使われていない筋肉はどんどん退化していきます。よく使う筋肉はどんどん疲労し、ひどい場合には痛みを感じるようになることもあります。また、あまり使わない筋肉は、よほど意識しないと使うことができなくなってしまいます。不調を感じる前に、もしくは不調を改善するために、筋肉の使用頻度の偏りをなくすことが大切です。そのためには、日常生活で使われていない筋肉にもしっかりと刺激を与え、綺麗な姿勢を保てるようにしていくことが重要です。そうすることが、結果的に姿勢の改善にもつながります。
姿勢の改善とヨガ
姿勢の改善に有効な方法のひとつは、ヨガのアーサナです。ヨガの動きは日常生活の中では到底行わないポーズも数多くあり、身体の様々な部位の筋肉を刺激します。また、ヨガは全身運動であるため、血液の流れが促進されやすくなり、筋肉が温まり身体も動かしやすくなります。筋肉を伸ばす動きも多くあるので、使いすぎている筋肉を緩めていくこともできます。
しかしここで意識したいことは、姿勢不良がある人は「使いやすい筋肉ばかり使う癖がついている」ということです。良かれと思って始めたヨガも、ただポーズを真似ているだけでは、結局自分の使いやすい筋肉ばかりを使って、慣れない筋肉は使わないままになってしまいます。では、どうすればいいのでしょうか?
全身の筋肉をバランスよく使う方法
いくつかの方法を紹介します。
①自分がヨガをしているところを、動画で撮ってみる
お手本通りやっているつもりでも、動画を撮って客観視することで、身体の意外な使い方に気付くきっかけとなることもあります。鏡を見ることも有効ですが、動画を撮ることで、鏡から見えない角度の動きも観察することができるようになり、発見が増えます。
②インストラクターのレッスンを受けに行く
自宅でも気軽にできることが、ヨガのメリットでもあります。しかし、1人で黙々とやるばかりではなく、時にはインストラクターから助言やアジャストを受けることが身体の使い方を修正する近道となる場合があります。
また、様々なインストラクターのレッスンを受けることも有効です。同じポーズやシークエンスでも、インストラクターによってリードや表現が違います。自分の好きな先生を選ぶこともヨガを継続していく上で大切ですが、時には違うインストラクターのリードで身体を動かすことで、普段意識しない身体の使い方を発見できることがあります。
姿勢改善のためにヨガを選択することも多いと思いますが、ヨガをするだけで、誰もが姿勢が良くなっていくかと問われると、必ずしもそうとも言い切れません。
姿勢改善のためには、自分の身体の使い方の癖に気付き、使いやすい筋肉への過度な刺激を減らして、使いにくい筋肉を使えるようにしていくことが大切です。そのきっかけ作りに、ヨガはとても有効です。自分に意識を向けて、筋肉の張っている部分や苦手な動きを知ることで、自分の癖に気付くことができます。そこで気付いたことを意識しながらヨガの練習をおこない、さらにヨガ以外の時間でも意識していくことで、不調のない快適な毎日につながって行くかも知れません。