カルダモン

概要

カルダモン(英名:Cardamon、学名:Elettaria cardamomum)は、ショウガ科ショウズク属の多年草で、別名はショウズク(小荳蒄)。原産地は、インド、スリランカ、マレー半島など。

高度750〜1500m程の場所に生息し、多湿を好み、草丈は約2〜3mに成長する。葉は細長く葉鞘を持ち、花柄は80cm程に伸びて、数個の花をつける。袋状になった殻の中に種子があり、これをスパイスやエッセンシャルオイルとして用いる。

概説

カンファーやユーカリを彷彿とさせる爽やかな気品のある香りとピリッとした辛み、ほろ苦さが特徴で、中近東ではコーヒーに、インドではマサラティー(チャイ)によく使われるスパイスである。

清涼感のあるすっきりとした風味を料理につけるため、クセの強い料理にカルダモンを使用するものが見られるほか、スイーツなどで砂糖の甘味を引き立てる役割も果たす。外側の殻の部分よりも種の方が香りが強いが、種だけを調理に使う場合は、種が硬いため、すりつぶす等の工夫が必要。

歴史

最も古いスパイスのひとつで、紀元前2世紀頃前には生薬や調理用のスパイシとしても様々な料理に用いられてきた。高価なスパイスであり、「スパイスの女王」と呼ばれている。

カルダモンという名はギリシャ語で「心臓の形をした生薬」という意味の言葉に由来するとい言われており、古代エジプトでは、薬として用いるよりも香料や薫香として珍重したり、種を噛んで歯を白くしたりしていたが、現代ではコーヒー豆と一緒に挽いたカルダモンコーヒーとして楽しまれている。日本では、カレー粉やウスターソースの原料に使われている。

効能

腹部膨満感、食欲不振、便秘、下痢、胃腸機能の低下、消化不良、腹痛、口臭、冷え性、気力撃退、気管支炎、風邪、咳、筋肉の痙攣、むくみ等

関連項目

アーユルヴェーダ
スパイス
エッセンシャルオイル
クミン
クローブ
コリアンダー
シナモン
ジンジャー
ターメリック
フェンネル
ブラックマスタード
ペッパー
ラベンダー
ティーツリー
ペパーミント
レモン
オレンジ
ローズマリー
フランキンセンス
ユーカリタプス
ゼラニウム
イランイラン

出典・参照元

  • 水野仁輔『いちばんやさしいスパイスの教科書』 (パイ インターナショナル)
  • 和田文緒『いちばん詳しくて、わかりやすい!アロマテラピーの教科書』(新星出版社)
  • グリーンフラスコ『アロマテラピーのすべてがわかる事典』(ナツメ社)
  • アロマツール社『エッセンシャルオイル家庭医学事典』 (パナチュラルハーモニー&サイエンス)