コリアンダー

概要

コリアンダー(英名:coriander、学名:Coriandrum sativum L.)は、セリ科コリエンドロ属の一年草で、別名はシャンツァイ(香菜)、パクチー。原産地は、地中海沿岸、西アジアなど。

高さ30〜120cm程になり、独特の香りと光沢のある葉が成長するにつれ、裂け羽状葉になる。初夏に淡紅色や白色の小さな花を咲かせる。やがて熟れて緑色の果実がだんたんと茶色の香りの良い実になっていく。

概説

コリアンダーは、青々とした葉や根と乾燥した茶色い種子の双方を料理に使うスパイスの中でも代表的なものである。

コリアンダーシードは、「種子」の部分だが、植物学上は「果実」と解釈されている。よく流通しているモロッコ産をブラウンコリアンダー、香りに甘みのあるインド産をグリーンコリアンダーとよんで区別することもある。コリアンダーの種子を大量に摂ると強い眠気を催すことがあるため、「目眩の実(dizzycorn)」とも呼ばれている。

葉の部分は、加熱せずにサラダや料理にそのまま使用するケースが目立つが、ペーストにしたり粉状にしたりと様々な手法で利用されている。

歴史

コリアンダーは、最も古い時代から薬草として栽培されていて、サンスクリット語で書かれた文献や聖書にも記載されている。中東諸地方では、媚薬や催淫剤として用いられた記録があるほか、古代エジプトでは死者の魂を守るとされ、亡骸とともに墓に埋葬する習慣があったという。

日本に入ってきた歴史は意外と古く、900年代に書かれた書物に「胡荽(こすい)」という名で登場するが、独特な香りのためか当時はあまり普及しなかった。

効果&効能

健胃、駆風、去痰、解毒、抗菌、防腐、鎮痛

関連項目

アーユルヴェーダ
スパイス
エッセンシャルオイル
カルダモン
クミン
クローブ
シナモン
ジンジャー
ターメリック
フェンネル
ブラックマスタード
ペッパー
ラベンダー
ティーツリー
ペパーミント
レモン
オレンジ
ローズマリー
フランキンセンス
ユーカリタプス
ゼラニウム
イランイラン

出典・参照元

  • 水野仁輔『いちばんやさしいスパイスの教科書』 (パイ インターナショナル)
  • 和田文緒『いちばん詳しくて、わかりやすい!アロマテラピーの教科書』(新星出版社)
  • グリーンフラスコ『アロマテラピーのすべてがわかる事典』(ナツメ社)
  • アロマツール社『エッセンシャルオイル家庭医学事典』 (パナチュラルハーモニー&サイエンス)