シナモン

概要

シナモン(英名:Cinnammon、学名:Cinnammon verum)は、クスノキ科ニッケイ属の常緑樹で、別名はニッケイ(肉桂)、ニッキ、桂皮、カシア。原産地は、スリランカ、南インド、マレーシアなど。

高さ約10mの常緑高木で、葉は厚く楕円形をしており、黄色か緑の両性花を咲かせる。赤みを帯びた樹皮のコルク層を除去してから、薄く剥いで巻き乾燥させると、香りの良いシナモンスティックになる。

概説

シナモンの学名はヘブライ語、アラブ語で「香り高いスパイスの木」を意味する「amomon」からきてきる。シナモンは大きく分けて2種類ある。「真正のシナモン」とされるのが、セイロンシナモン(Cinnammon verum)と、中国南部原産のカシアやチャイニーズシナモン(Cinnammon aromaticum)である。

セイロンシナモンには独特な味がある。カシアほど強い甘さはないが、土っぽい素朴な味で、ほのかに柑橘とバニラの風味もある。シナモンをパウダー状にしたものを焼菓子、果物や野菜の煮込み、スパイスティーやコーヒーに加えたり、貯蔵食品やピクルスなどに使われたりする。

歴史

シナモンは防腐効果に優れているので、紀元前3000年代頃からエジプトではミイラを保存する薬剤として利用されていた。また古代ローマではペッパーやクローブと並ぶ3大スパイスのひとつに数えられ、金より値打ちがあったといわれている。

スパイシーな香りを持つシナモンは、何千年もの間、香水や聖油の原料として使われてきた。粉末のシナモンはエジプトの儀式用の香「キフィ」の材料のひとつとして人気が高かった。またインドやヨーロッパでは、媚薬としても使われていた。日本には薬用として乾燥したものが、8世紀に渡来し、正倉院に「桂心」の名で所蔵されている。

効果&効能

抗ウイルス作用、抗菌、健胃、発汗、駆風、風邪、不眠、ストレス

関連項目

アーユルヴェーダ
スパイス
エッセンシャルオイル
カルダモン
クミン
クローブ
コリアンダー
ジンジャー
ターメリック
フェンネル
ブラックマスタード
ペッパー
ラベンダー
ティーツリー
ペパーミント
レモン
オレンジ
ローズマリー
フランキンセンス
ユーカリタプス
ゼラニウム
イランイラン

出典・参照元

  • 水野仁輔『いちばんやさしいスパイスの教科書』 (パイ インターナショナル)
  • 和田文緒『いちばん詳しくて、わかりやすい!アロマテラピーの教科書』(新星出版社)
  • グリーンフラスコ『アロマテラピーのすべてがわかる事典』(ナツメ社)
  • アロマツール社『エッセンシャルオイル家庭医学事典』 (パナチュラルハーモニー&サイエンス)