前回は陰と陽の、分け方のポイントをお伝えしましたが、今回は、それぞれの性質について。
陰と陽は引き合うという性質があります。
陽性の強いものを食べると、自然と、逆の陰性のものがほしくなります。
例えば、
- 味のしっかりしたお肉やお魚(陽性)を食べると、コーヒーやスウィーツ(陰性)がほしくなる
- 濃い味のおつまみ(陽性)の方が、お酒(陰性)がすすむ
- お酒(陰性)を飲むと、なぜか締めにラーメン(陽性)が食べたくなる
これらは、強い陰性と陽性が引き合っている例ですね。
また、
- 秋から冬(陰の季節)には、体を温めるための陽性食品が必要になる
- 春から夏(陽の季節)には、体を冷ますために陰性食品が必要になる
というのも、陰と陽が引き合っている例です。
- 集中して仕事をする(陽性)と、リラックスしてゆるめる(陰性)が必要になる
- ぼーっとしてるとき(陰性)は、ぴりっと引き締める(陽性)が必要になる
ということもありますね、すべては陰陽のバランスで考えられます。
アーユルヴェーダでも、「春=カパの季節」「夏~秋=ピッタの季節」「秋~冬=ヴァータの季節」と捉え、生活を変えることを勧めているので、マクロと似ている部分もあると思います。
これらの陰陽のバランスを考えて、食材や、調理法を考えていくと、身体のバランスを取るのに、とても便利なんです。
例えば、ベジタリアン食をするとき、お肉やお魚をやめると、体質によっては、体を冷やしがちですが、そんなときは、海藻や根菜をしっかり取って、逆に、熱帯性食品や、カフェイン、スウィーツ、お酒などを減らすとバランスが取れます。
マクロビオティックでは、過度に陽性の強い(極陽)食物や、過度に陰性の強い(陰性)食物を避け、できるだけ中庸の食物の中でバランスを取ることを勧めています。
前回も出てきましたが、上の表で言うと、右端や、左端の方は避けて、できるだけ真ん中の食物を増やしていくということです。
極陽、極陰の食物は、刺激が強く、バランスを取るのがむずかしいためです。振れ幅が大きいので、心も、体も、おだやかな状態を保ちにくいのですね。
中庸の食物の方が、おだやかで体にやさしいのです。
これは、アーユルヴェーダで言うところの、「ラジャス(動性)な食物と、タマス(惰性)な食物を減らし、サットヴァを高める食物を増やしましょう」というのに似ていると思います。
昔の人々は、中庸の食べ物が中心でした。日常的には、穀物と野菜が中心で、お肉やお砂糖は、特別な機会のみに食べるぜいたく品でした。
ところが、現代では、お肉や砂糖などのぜいたく品が当たり前になりました。それで、陽と陰の振れ幅が大きい食生活になってしまったのです。
この状態で、バランスを維持するのは、とてもむずかしいのです。それが、生活習慣病や、心の病の原因になっていると考えられます。
できるだけ、中庸に近づけた食生活を心掛けてみてくださいね。
極陰の食べ物、極陽の食べ物は、できるだけ減らす方が良いのですが、どっからがいい、どっからが悪いという、明確なラインがあるわけではありません。それは、人にもよるし、摂取する量や頻度にもよります。
ヨガと一緒で、ストイックにやるのも自由、少しだけ、取り入れるのも自由です。自分で試しながら、自分のバランスを探してみてください!
次回は、季節に合わせて、どんなふうに食べ方を変えたらいいか、陰陽の考え方の続きをお伝えしたいと思います。
お楽しみに~。
プロフィール:
2002年、インドのバラナシを旅行中にヨガに出会い、ヨガがライフワークとなる。2010年、久司道夫先生のマクロビオティック(KIJ)のリーダーシッププログラム(レベル1)を修了。心と体の健康をテーマに、日々活動中。