きっかけは祖母の変化
そんな頃に、祖母が、大切な友人を亡くしてひどく落ち込んでしまって。心配したんですが、祖母がたまたま出会った体操の先生にヨガを習い始めてから、劇的に元気になったんです。それはもう、内側から活き活きしていて。その時「私、これがやりたいんだ!」と気づきました。今から8年くらい前です。
高齢者に教えるためには運動指導の経験が問われるので、スポーツクラブやヨガスタジオで経験を積んで、介護予防運動指導員という資格をとりました。それで、デイサービスに入ってヨガを教え始めたんですが、その仕事が、めっちゃ楽しかったんです!
今思い出しても、当時の思い出でご飯が食べられるくらい(笑)。天職だと気づきました。
その後、スタジオなどでも指導させていただくようになりました。
シニアヨガってどんなもの?
しかもデイサービスだと、スタジオと違って自分の意志で来る人というのは少なくて、ほとんどが周りに決められて来ています。だから難しいことも多いですけど、そういう方にも無理なく、ヨガを通じて変化を実感してもらえるように、と考えています。
例えば、座位では目を閉じてポーズをとります。シニアの方は特に、他人と較べて自分はこれができないとか、比較しがち。だから、まずは自分だけと向き合って、それが心地いいことだと感じてもらいたいです。
ヨガ経験者ではない方でもお仕事に活かせるように、インストラクションの仕方など、基本をマニュアルにしています。実践していくうちに、オリジナリティを出していただいたらいいと思うので。
でもインストラクションより気持ちの面が実は大切なんです。若い先生は、気持ちの面でシニアと同じ目線には立てないですよね。講座では「高齢期の心」について瞑想をして感じてみるというワークをしています。
そうすると、色んな面での喪失感に気が付いて、私も含めてですけど、ぽろぽろ涙が出てきたりするんですよ。シニアの方に対して、運動経験だけでなく、何をしてあげたいか、何ができるのかを考えるきっかけにもなってほしいんです。
シニアは自由!
それに、ヨガはこれまで運動してこなかった人、運動が苦手な人ほど変化を感じやすいので、シニアの方にはいいみたいです。冷えている常態が普通になっていた方が、自律神経が整って血行がよくなって、びっくりされたり。シニア世代は、一度気に入ると熱心に継続してくださる傾向も強いですね。