実はシニアのためだけじゃない?
意識の面でも、シニアヨガを学ぶと、自分のための介護予防になると思います。介護予防は何歳からと決まっていません。高齢期の心について瞑想して、自分に何ができるか考えることは、自分がどう生きていくか考えることにもなるんです。
ヨガの哲学を勉強するのもいいけれど、実際に長く生きてこられた世代の豊富な経験からは、本当にたくさんのことが学べます。こうなりたい、というお手本になる方も見つかるし。いつも、私のほうが教えられっぱなしという感じです。
まずは公民館でワンコインのレッスンを
シニアヨガを学んで、先生になりたいという方も増えてきています。だから、指導する先生にきちんとお金が回るようにすることも大事です。
というのも、シニアの方が立ち上げるサークルなどはたくさんあるんですが、自分たちだけではマンネリ化してきて、楽しみじゃなくなってしまうケースが多いんです。私もそういうサークルから依頼されて指導をしているんですけれど、やはり皆さん、続けるためにはステップアップをしたいんですよね。
そのためには、指導する先生自身がきちんと学んでこられるように、ボランティアではなく、ある程度のお金が入らないと。国から補助が出ればいいですが、介護「予防」に関しては、市区町村に丸投げなのが現状なので……。もっとシニアにヨガが必要なことが広まって、ゆくゆくは行政が動くようになったらいいと思っています。
シニア世代は、地域の中に強固なコミュニティが必ずあるんです。自治会とかお寺の檀家とかね。そういうコミュニティで興味を持ってもらえたら人は集まりやすいと思います。
シニアにこそヨガがおすすめな理由
シニア世代にとっては、そういう健康な土台があって、その上で筋力をつけたり運動したりできるものです。高齢になると、いくら運動で筋肉をつけても、風邪ひいて寝込んでいる間に筋力が落ちてしまう……なんてことが頻繁に起きるものなので。
健康の土台づくりとしてヨガを始めて、続ける中で、心が安定して頭がクリアになるとか、生きる意味が見つかるとか、心の面の効果も実感してもらえたらいいですね。