ヒマラヤで出会ったもう一人の師匠から、日本行きを任命される
そこで、もう一人のヨガの師匠に出会った。とても素晴らしい先生でした。その師匠に、「あなたは日本に行ってヨガを教えてください」と言われたんです。
日本は仏教の国だし、安全だし、文化や経済のレベルもすごく高い。でもストレスフルだから、そこをゆるめるのが必要ということだったんじゃないかと思います。
現在の拠点は、新潟の総合的なヨガ・アーユルヴェーダ施設
今は新潟に住んでいて、もう7年くらいになる。
新潟市で、『YOGA SPA|ヨガスパ』という場所を創ったんです。ヨガとアーユルヴェーダを教えること、それと『ハヴァナダイニング』というレストランをやっています。ベジタリアン・フードの店です。
ヨガ、アーユルヴェーダ、食べること、この3つがまじわると本当の健康的な生活、ヨガ的な生活になります。ヨガの運動や呼吸法だけすればいい、というのは間違い。
この「全部」を広めるために、私は日本にいるんです。
「ヨガの本質」とは?
日本ではヨガがただの運動と思っている人も多いみたいですけど、それは違う。難しいポーズができる、呼吸が深くできる、ヒマラヤに行く、そういうことがヨガではないんです。運動しなくても、いつでもどこでもヨガはできる。
例えば、いま私がこうやってあなたと話しながらお茶を飲むでしょ。お茶が美味しい、すごくリラックスする、そしてあなたのこともお茶のことも私自身のことも全部忘れた……その瞬間がyogです。“Just existence”(ただの存在)ですね。
そこにいつでも行ける人がヨギです。
ヨガを通じて日本に広めたい「内側の安定」
でも、まだです。ヨガをしていない、アーユルヴェーダを知らない、ご飯の食べ方を知らない人は、日本にまだまだたくさんいるでしょ。だからまだ日本はストレスフルだと思う。
ストレスが高い原因のひとつは、ライフスタイルをちゃんと考えていないこと。「お金だけが大事じゃない」と頭で知っている人もいるけど、心でわかっていないから。
もうひとつは、よろこびを外に見つけていること。誰かと会うとか、何かを買えるとか、そういうことにばかりよろこびを求めているでしょ。
でも本当は自分の内側によろこびはあるんです。私のところでヨガを学んできた人は、ちゃんと内側のよろこびに気づいて変わっていますよ。
それがもっと広まれば、みんな内側が安定してストレスが減ると思いますよ。
「すべてがまじわったヨガ」がいかに人生を豊かにするか。先生ご自身が、その一番の証明かもしれません。