「ヨガを学ぶ、深める」ということを意識しながら、アーサナ(ヨガポーズ)のスキルアップや、呼吸法、瞑想、ヨガ哲学など、様々な角度がある中で、皆さんはこれまで身体については、どれくらいの時間をかけて学んでこられたでしょうか。
ヨガインストラクターである皆さんは、身体について、つまり解剖学を学ぶことが求められる時代になりました。ヨガ解剖学の第一人者、内田かつのり先生が、こんな風におっしゃっています。
解剖学というジャンルだけでも、一生をかけても修めきれないほど膨大な情報量です。そこで、ただの医学としての解剖学や難解な資料、講義内容を学ぶのではなく、ヨガのアーサナに結びつく解剖学に特化した知識の習得が必要です。
内田かつのり先生のヨガ解剖学講座では、マスキングテープを筋肉に見立て身体に実際に貼って筋肉の位置を確認したり、参加者同士でグループワークをしながら、見て、聞いて、体感したりしながら学んでいくことが大きな特徴です。
それでは、ヨガ解剖学に特化して学ぶことで、どんなギフトが得られるのか、以下にまとめてみました。
自分自身のアーサナが格段に深まる
ヨガインストラクターとして既に活躍されている方や、またはヨガインストラクターではなくとも、ヨガをある程度練習してきた方なら、基本的なアーサナに対してはある程度の自信があるのではないでしょうか。しかし、ヨガ解剖学を学ぶことで、そのアーサナをもっと快適に深めることができるなら?
実際に、ヨガ解剖学講座に参加してくださった生徒さんがこんな感想を寄せてくださいました。
後屈をするときのやり方は普段のクラスでも既に教わっていて、十分出来ているつもりにはなっていたけれど、理屈を知り、自分の身体の中を想像できるようになるだけで、ここまでアーサナが快適になるとは本当にびっくりしました。
アーサナ中に、自分の関節がどの方向に動いているのか、どの筋肉が働いているのか、そこまで理解できるようになるとアーサナは格段に深まります。「自分の身体と対話するように」、とはよく言われますが、感覚的なものだけでなく、実際に自分の身体を理解しながらアーサナを行うのとそうでないのとでは、対話の質も格段にと深まるに違いありません。
アーサナができない理由がわかる
「なぜ、このアーサナができないのか?」「どうして痛みがあるのか?」生徒さんから聞かれて答えられなかったという経験はありませんか?身体の構造がわかれば、アーサナを解剖学的に分析し、アーサナができない理由を紐解くことが可能になります。
- どの筋肉を鍛えればいいのか?
- どの筋肉を柔らかくしたらいいのか?
- そのためにはどうすればいいのか?
やみくもに練習を重ねるのではなく、理屈がわかれば、最短でそのポーズの完成形に近づく練習だって可能なのです。
インストラクションが明確になる
クラス中のインストラクション(声でのガイド)。同じアーサナであっても、使う言葉や言い回しはインストラクターによって様々だと思います。もちろん、ヨガ解剖学の理解度によっても異なってくるのです。
インストラクターの中には、解剖学的なことに一切触れず、バンダやチャクラといったヨガならではの概念や、ヨガ哲学的な言葉のみを使ってクラスをリードされる方もいらっしゃいます。または、身体の知識はそれほどないけれど、ティーチャートレーニングで学んだ言い回しを覚えて、そのまま使っているという方もいらっしゃるかもしれません。そして決して、それが間違っているということではありません。
ただ、「このインストラクションってどういう意味だったんだろう」と生徒さんを混乱させてしまうような、伝わりにくい表現は避けた方がいいとされています。
もしあなたが、「目の前の生徒さんに、もっと分かりやすく身体の使い方を伝えたい」「できないアーサナができるようになってほしい」という思いがあるのなら、ぜひヨガ解剖学を学んでいただきたいと思います。正しいヨガ解剖学の知識を理解した上で、ヨガ独特の概念的な言葉と分けて使えるようになれば、きっとインストラクションにも”迷い”がなくなるのではないでしょうか。
注意が必要なのは、ヨガ解剖学を知っているからといって、ただ難しい解剖学的な用語を並べて、生徒さんを戸惑わせてしまうことが目的ではないということです。
理解をした上でやさしい言葉を選ぶのと、あいまいな理解でそれっぽく言うのとでは、全く違います。目指したいのは、理解した上で、いつでも必要に応じて引き出せることです。
ヨガ中の不要な怪我や痛みからの解放
ヨガ中に身体を痛めてしまう原因は何でしょうか?アーサナを行う生徒自身、またそのクラスをリードするインストラクターの身体に対する理解が
不足していることが考えられます。身体の構造を知り、正しく自分の身体と対話することができれば、アーサナで怪我をするということがなくなります。
また、ヨガインストラクターは、どんなときに怪我をしやすいのか、怪我をしやすい関節のポジションなどを理解しておくことで、リスクを回避することができます。そしてそこから一歩進み、痛みを治すというところも目指していきます。
生徒が抱える様々な「痛み」。その痛みに対する整形外科的な知識もときに必要とされます。ヨガで改善できるのか、ヨガでは治せないエリアなのか-その線引きができるようになり、そこから、クラスの中でどんな提案ができるのかといったところまでできるようになれば、生徒との信頼関係は確実に深まるでしょう。
アジャストメントのスキルアップ
アジャストメントに対して、自信がなかったり、苦手意識があるインストラクターの方もいらっしゃると思います。何故なのでしょうか?答えは2つ。
- 身体の構造がわからないから
- 人の身体に触れるという技術と経験が圧倒的に不足しているから
では、この2つを解消してあげればいいのではないでしょうか。内田かつのり先生のヨガ解剖学ティーチャーズトレーニングでは、身体の構造に沿ったアジャストメントの理論とテクニックが学べます。そして、参加者同士でアジャストメントの実践を積むことで、個体差を踏まえ臨機応変に対応する力が身につきます。
まとめ
「以前、ワークショップで2~3時間学んだ」「解剖学の本を読んだことがある」といって満足していた方も、身体に対して時間をかけて学ぶ意味を、改めて感じていただけたのではないでしょうか。
身体を知る、学ぶということは、実はとても身近なことです。自分のヨガを深めることができるだけでなく、目の前の生徒さんに対して、安全で、より満足度の高いクラスを提供することが可能になります。ヨガ指導者としてさらに成長するため、ヨガ解剖学を学んでみませんか?