「経絡は線路、ツボは駅」
エネルギーが流れる経絡上に点在するのが、誰でも馴染みの深い「ツボ」です。(「ツボ」は一般名称で、正しくは経穴(ケイケツ)と呼びます)ツボを刺激すれば自然と経絡に影響し、そこをエネルギーが通るため、ツボ押しによりからだの内部にまでアプローチができるという仕組みになっています。
ヨガクラスに経絡を活かしてみる
人のからだに触れる機会の多いヨガインストラクターにとって、経絡の知識や技術は非常に役立ちます。例えば以下のような利点が挙げられることでしょう。
- クラスの幅が広がる
- 新しいクラスを展開できる
- クラスフィーがあがる
- より質の良いリラックス体感ができる
- 日常生活の知恵になる
リラックス効果の高いシャバアサナへ
ヨガのクラスで活かす方法は、具体的な場面でいうと「シャバアサナ」の時間です。ブランケットを掛けながら、軽くマッサージをしてあげるインストラクターのかたも多いのでは?経絡を活かすことでよりリラックス効果を深めることができます。生徒さんが仰向けの状態で、頭部や脚のツボをやさしく押していきましょう。特に頭のツボは押し易く、押される側もとても気持ちが良いですよね。ツボを押すことで、気の流れが整うだけでなく、短時間で疲れがとれ、アーサナだけではとりきれなかったからだの緊張がほぐれます。
不調に寄り添う
経絡やツボはからだの不調を感じ取りやすい目安になるため、知識を深めると、ただ気持ち良いだけのアプローチだけでなく、「不調を感じ取る」アプローチまで期待できます。ツボ押し=痛いというイメージを持つ方もいるかもしれませんが、正しく押すことができれば心地いい痛みに感じますし、さらに上達すると「ピリピリ」とそのツボ以外のところにまで何かを感じさせられるようになります。
ヨガの語源「ユジュ」とも共通する経絡の役割
ヨガの語源に「ユジュ=結び付ける」という意味があります。「繋ぐ」という意味もあり、ヨガは人と人の関係を繋ぐ、自分のからだと心を繋ぐという、とても素敵な解釈も出来ます。そして経絡にも「ユジュ」を感じられます。体中を繋ぐ、触れることでからだとからだを繋ぐ、知識を活かし体調に寄り添うことで心と心を繋ぐ。そしてヨガと同じように人と人の関係を繋いでいけます。ヨガインストラクターはマッサージ師ではありませんが、経絡の知識があったからこそ、生徒さんの不調に気づけたというケースもあります。
ヨガの語源からヨガと経絡の関係を考えてみると、経絡をより近くに感じられるかもしれません。経絡やツボを始めとする、東洋医学に精通した指導者によるインストラクター向けのワークショップなども開催されています。クラスの質を上げながら、日常でも役に立つ経絡を、学んでみてはいかがでしょうか?