理論的に理解していても身体が準備できていない
実は身体の使い方について頭で理解ができていたとしても、普段ほとんど筋肉を使っていなければ、いくら脳が「この筋肉をこう動かす!」と指令を出しても、その筋肉が思った通りに働かないこともあります。解剖学の勉強が完璧だからといって、身体の準備ができていなければ、無理をして怪我につながる可能性も。
まずは使いたい部分に狙いを定め、意識をする
フィットネスクラブでは、ある部位に筋肉をつけたい場合、最初から重いウェイトでトレーニングはせず、軽いウェイトで始めて「この筋肉を使っているんだ」と意識するところから始めます。筋肉を動かしている意識ができるようになってから、ようやく重いウェイトでトレーニングを始めるのです。ある種目では能力が高いスポーツ選手でも、他の競技となると全くダメな場合があります。これはその選手が、別の競技においての身体の使い方、動かし方に慣れていないから。練習を重ねることで、使い方は覚えていくことができます。
意識ができたら、新しい身体の使い方を覚えて、慣れる
ヨガで言うと、初心者の方はなかなか板のポーズ(プランク)からまっすぐにチャトランガ(身体は真っすぐのまま肘を90度に曲げるポーズ)へ下がることができません。おなかが下がったり、お尻が上がっていたりしますが、これは身体を直線に保っておくのが難しいからです。でも一度コツを掴んでしまえば、次回からは身体の意識するポイントがわかり、「今までなぜできなかったのだろう?」と思う程、楽にポーズをとることができるようになることも。まずは、自分の身体に”新しい使い方“を教えてあげる必要があります。
心理的恐怖心がある場合は
ハンドスタンドやヘッドスタンドのような逆転のポーズが苦手という方によくある「心理的恐怖」。他のポーズを練習することで十分に身体の準備はできているけれど、「落ちたら怖い」という理由から、無意識のうちに、心が身体に制限をかけてしまっています。これを克服するには、信頼できる先生のもとでサポートしてもらいながら、徐々に慣れていくのが一番です。そして練習を重ねることで身体の使い方が分かり、徐々に不安がなくなることで身体の緊張もなくなっていくことでしょう。
ヨガのポーズへの取り組みには、心と身体の両方が作用しています。難しいポーズができれば良いというものではありませんが、やはりできなかったポーズができるようになるのは嬉しいものです。「挑戦してみたい!」と思うポーズがある方は、できないのは何が原因かを探りながら練習を重ねてみると、前回より少しポーズを深めることができるかもしれません。