心身にエネルギーと深いリラックスを与える呼吸法をご紹介!
私達は日々、1分間に約15回ほどのペースで体内に気体を出し入れして生きています。一生に人が呼吸する回数は、約6億回と云われています。これが生きている証になるという、とても単純でいて奥深い作業です。
ヨガでは、この呼吸を意識的にコントロールする方法、気息をプラーナヤマ(調気法)と言います。
プラーナヤマ(調気法)とは
私達の暮らす地球、その地球の住処でもある宇宙に広がる生命エネルギーであるプラーナを体内に取り入れ、身体だけでなく心にもエネルギーを送り調和させる方法です。躍動感、生命力、持久力、直観力のある魅力的な生命体として輝かしく生きるためには、わたしたち人間にとってプラーナヤマは必要不可欠なのです。
繰り返し、継続するということの中に、変化し続けるというプラーナヤマは、宇宙そのものとも言えます。
吐く息・吸う息では身体はどのように変化する?
目に見ることのできない空気、気体、プラーナを体内に取り入れる単純な繰り返し作業でも、ひとつひとつの呼吸は、大きく変化しています。その呼吸による変化を観察することは、ヨガ聖者パタンジャリが説いた「ヨガ・スートラ」の中に出てくるアシュタンガ(ヨガの八支則)の「アサナ」「プラーナヤマ」「プラティヤハーラ」にあたります。
自分自身の身体だけでなく心の境域、内面へ働きかける橋渡しとしてのツールが呼吸法になります。季節によっても私達の身体は、毛穴からの呼吸の影響により、肺への負担が変化しています。良く観察して、呼吸を味わってみましょう。
- 肩をリラックスさせ、脊髄はまっすぐに立てます
- 吸う息は、肺が広がります、横隔膜が下がり、腹部が前へ広がります。
- 吐く息は、腹部が凹み、横隔膜が上がり、肺が萎みます。
何気なく行う呼吸の間も体内は劇的な変化を続けています。吸う息で頭蓋骨と脊柱の間にあり、脳と脊髄を守る役割の脳脊髄液が作られ、吐く息の時に全身の循環を促す働きをしています。この髄液とも呼ばれる脳脊髄液の循環は、頭痛、めまい、自立神経、全身の倦怠感、睡眠障害などの症状とも関係しています。
もちろん心にも変化があります
「ホッとする」などと、吐く息と心を繋げて表すような言葉を耳にします。日常生活の中で、無意識でも私達は心のバランスを保つために呼吸を利用している場面が多々あります。ヨガでは、アーサナなどの身体の動きから瞑想状態へのプロセスとして呼吸法は位置づけられていますよね。これによって自ずと、吸う息と吐く息は心にも変化をもたらします。
思い出してみましょう。すごく苦手な人や苦手な場面に遭遇した時、身体が緊張して呼吸が浅くなっていませんか?気持ちを切り替えたいと願っても、なかなか難しいですよね?でも大丈夫!
このような気持ちと呼吸に気付くだけでも、回復に向かう最初の一歩。ここで日々のヨガプラクティスが活躍します!深い呼吸を意識的に取り入れれば心の緊張がほぐれ、緩んでいく感覚を実感できるでしょう。