“経絡(けいらく)”を学ぶと何がいいの?

そもそも経絡とは何か?

経絡とは、不調を整える東洋医学のアプローチの1つ。

いわゆる、「気」=「生命活動の源となるエネルギー」が流れる川(あるいは道)のことを指します。私たちの身体の中には、14本の経絡という川が流れています。

そして、その川の中に点在しているのが「経穴」です。ツボというのはこの「経穴」の一般名称です。WHOが認定しているものだけでも、人間の体には360個以上ものツボがあるといわれているそうです。

このツボに気が滞ってしまうと、人は病気になると考えられてきました。ツボを押すのは、経穴を刺激して、全身にエネルギーをめぐらせている川の流れをスムーズにするためです。

ツボを押し経穴を刺激

経絡を学ぶとどうなるの?

東洋医学では、「未病」という考え方があります。

はっきりと病気であると診断できないけれど、どこか痛みがあったり調子が悪いな、と感じることってありませんか? 例えば、冷え、肥満、自律神経失調症、婦人科のお悩み全般、肩こり、腰痛など。

経絡マッサージでは、これらに対してアプローチし、改善が期待できます。経絡は“五臓六腑”という東洋医学の世界でいう各種内臓につながっており、ツボを押すことで気の流れをよくし、五臓六腑の働きを良くし、病気の予防・不調の改善をすることができるのです。

経絡を学ぶことで、日常生活の中で身近な方へのマッサージ、セルフケアとして活用していただけます。

ヨガインストラクターが学ぶべき 経絡の知識とスキル!

ヨガインストラクターの方に経絡を学んでいただきたい理由、それは経絡を学ぶと解剖学を深められるからです。

ツボを学ぶ際に、簡単な筋肉の位置なども必然的に学んでいくため、ツボを覚えながら、解剖学を深めることも可能です。

アーサナがとりやすくなる

例えば、肩周りがガチガチに固まってしまっていて、腕が上がり辛いという生徒さんに対して、腕を上げるときに「耳と肩をできるだけ離して~」というインストラクションをしたとしても、なかなか難しい場合があります。

そんなときに、肩のコリをほぐすツボがあるのですが、アーサナの前にツボを使ったアプローチを提案することで、楽にアーサナを深められるという活用の仕方もあります。

シャバーサナに経絡マッサージを取り入れられる

シャバーサナ時に、マッサージをしてもらうと、とても気持ちいいですよね? 頭部や足などのツボを押してあげると、より深いリラクゼーションを提供することができます。

アジャストの技術向上につながる

ツボ押しをすることで、人の身体に触れることに慣れてきます。押す強さや微妙な位置の違いなど、経験を積むことでしか学べない“触れる技術”を磨くことができ、ワンランク上のクラスに導くことができます。

マットを離れた日常におけるセルフケアの提案ができる

ヨガの先生になると、生徒さんから身体の不調について相談されることも多くなるでしょう。その際、ヨガ(アーサナ)以外でも改善のアドバイスができます。

経絡の知識と実践スキルを学んで、指導の幅を広げ、クラスの質を高めませんか?