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ヨガが女性にできること
爆発的なヨガブームから次第にライフスタイルとして定着してきたヨガ。特に女性にとっては美容・ダイエットから、自分の心と体の調和やストレスとうまく付き合う1つのエッセンスとなってきているのではないでしょうか?
そこでヨガジェネレーションでは、ヨガの指導者として女性の体と心に寄り添い、第一線で活躍を続ける、産婦人科医 高尾美穂先生とサントーシマ香先生にヨガのこと、女性の心と体のこと、そして指導者としてのこれからなどをお話頂くスペシャル対談を行いました。
全4回にわたって、それぞれテーマ毎にその想いをお伝えしていきたいと思います!
第1回のテーマは「女性の為のヨガとホルモン」です!
女性の体と心にフォーカスしたヨガ
その中で、より自分の体や心に向き合うようになり、だんだんと自分にとって必要だなと感じるようなヨガがわかってきて、そのようなヨガを練習したり、また指導するように自然となってきたと思います。
それはちょっと寝る前に体のここが凝っているから伸ばしてみようかなだったり、生理前だからこのポーズをしてみようかなだったり、ヨガを長く続けている人も同じように自分に必要だと思うことを取り入れることができているんじゃないかな?そうであってほしいよね。
ヨガってやっぱりクラスに行ってただ先生に言われたとおりにやるだけじゃなくて、覚えたポーズや呼吸法、意識の使い方が少しでも自分の日常に広がってくるということが、意味のあることなんじゃないかなって思います。
男性って体の変化においてブラックボックスがほとんどないんです。例えばトレーニングをするにしてもこれだけのメニューをすれば直線的に確実に筋肉量が上がってパフォーマンスが高まる。
でも女の人ってブラックボックスがあって、ここが、何かというと生理周期だったりするんですよね。どれだけ頑張っても変化がないときがあったり、逆にちょっと頑張っただけですごく効果があったりということが、私が診ているプロのアスリートでさえいくらでもあります。
そのブラックボックスを自分で知っておくということで、私たちのようなアスリート以外の人でも日常がすごくラクになったりするんです。
生理のときにこれをした方がいいとか、これはしちゃいけないとかって、ヨガを続けている人は言われなくても「こういうことがやりたいな」ってなると思います。
だから、雑誌やネットにある“高温期にはこれをやった方がいい”というのを見なくても自分で自分に必要なものを選択できていくようになるんだと思うんです。ヨガを続けていくとそう感じるようになるんじゃないかな。
ヨガを続けることで自分に今何が必要かを感じ始める
気持ちがいいからでもいいし、こうしたいからっていう理由でもいいだろうし、なんとなく先生がこれがいいと言うからやろう、から自分がこれをやりたいから「やろう!」という風に変わってくるんだと思います。
それってヨガを続けている人が手にできるヨガのいいところじゃないかな。
ミクロな月経周期もそうだし、妊娠・出産したら体重も全然違うし、ホルモンも全然違うし、それはまた更年期に向かっても変化してくるし。もういったい私は誰なのっていうくらい変化を続けていますよね。
男性はホルモンも徐々に減っていくけど、基本的には一定で安定しているからね。
女性ホルモンのダイナミックな変化
もちろん体質にもよるけれど。脂肪が多い人でももちろん更年期が辛いという人はいるんだけど、エストロゲンが低い状態のグループの中で見ると脂肪が多い人はエストロゲンが多い部類に入る。
脂肪が多い人は完全な閉経を迎えるのも日本人全体の平均50.5歳と比べると遅いです。それを考えるとエストロゲン高めでキープする年数が長いんでしょうね。
でも反面、子宮体がんや乳がんに気をつけて欲しいです。そういった人には婦人科チェックを受けて欲しいと思います。
甲状腺異常だったり、卵管が詰まっていたり、根底となる女性の体に問題があると、いくらヨガをして、良いイメージをしてもやっぱり難しいですよね。
やはり30代半ばくらいになると1回1回の排卵が大事だから、もっとそういったことに対して自分の知っている知識の中でスピークアップしていくことが大事だと思います。
雑誌やネットの情報は全てではもちろんないけれども、文字数の制限やよりキャッチーでみんなの目に留まるように加工されているものも少なくないから、そういったことに気をつけて、雑誌やネットの情報に責任を置くのではなく、自身の責任で選択したり考えたり、情報収集することが重要ですよね。
女性ホルモンによって絶えずダイナミックな変化を続ける女性こそ、自分に向き合い、それらを自ら選択する姿勢を育むヨガは調和的な生活を過ごす手助けになるのではないでしょうか。
プロフィール
高尾美穂|Miho Takao
産婦人科専門医・医学博士・イーク表参道副院長・
スポーツドクター・Gyne Yoga主宰
東京慈恵会医科大学大学院修了後、慈恵医大病院 産婦人科助教、東京労災病院 女性総合外来などを経て現在イーク表参道
副院長を務める。大学病院では婦人科がん(特に卵巣がん)を専門としていた。得意分野は女性スポーツ医学、婦人科内分泌。日々、婦人科外来診療・分娩などに携わっている。
幼いころよりスキー、乗馬、ソフトボール、テニス、サーフィンなど様々なスポーツに親しむ。2003年にヨガと出会い、練習をはじめる。ケンハラクマ師に師事。
IYC アシュタンガヨガプライマリーシリーズ指導者養成修了
IYC アスリートヨガ指導者養成修了
IYCウェルエイジングヨガ特別監修を担当。
日本マタニティヨーガ協会マタニティヨーガ指導資格を持つ。
婦人科医として、手術はもちろんのこと抗がん剤、放射線療法、緩和ケアを含む終末期医療など大学病院で学び、実践してきたばりばりの『西洋医学』をベースとし、趣味が高じた『yoga』、アンチエイジング医学、漢方をはじめとした東洋医学、栄養学、スポーツ医学それぞれを総合的多角的に用い、女性がよりよく歳を重ねていけるようさまざまな角度からサポートしていくことをライフワークとしている。
サントーシマ香|Kaori Santosima
学生時代よりモデルや女優などの活動をおくり、生真面目な性格もあって心身のバランスを崩す。
試行錯誤を続ける過程で自然療法に興味を抱き、出会ったヨガに夢中になる。
2002年カリフォルニア移住後、インド古来の総合的なヨガ、
アーユルヴェーダ、ヨガニードラ、ヨガセラピーを学び、Berkeley市のスタジオYoga Mandalaにて英語でクラスを教え始める。
2008年の帰国後もアメリカやインドなどを度々訪れ、
海外のシニア・ティーチャーとの研修を積み重ねている。
数々の素晴らしい先生方との出会いと、自己練習を通じて得た気づきを生かし、自らが充足し、満ちあふれた調和のエネルギーが作為なく周囲に広まっていくような、現代人の毎日を
支援するためのツールとしてのヨガが広く役立つように情熱をもって活動している。一児の母。
著書に自宅で取り入れやすいヨガ練習を提案する「カラダが 変わる たのしい おうちヨガ」高橋書店
「サントーシマ香のムーンサイクルヨガDVD (2014)」竹書房など
NHK第一ラジオ「すっぴん!」内で「ゆる~りヨガ」(2012春~2013年3月末終了)
オハナスマイルヨガ講師養成講座、スピリットヨガ講師養成講座、ビーヨガ講師養成講座など