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1年間で生まれる赤ちゃんの数、知ってますか?
答えは、約100万人です。2016年には、統計をとり始めて以来初めて100万人を割り込んだと話題になっていました。
少子化が問題となっていますが、それでも年間100万人の赤ちゃんが生まれるということは、つまり年間100万人の女性が妊婦さんとして存在しているということです。
妊婦さんの17%がマタニティヨガを体験している
ではその100万人の妊婦さんのうち、どのくらいの方が実際にヨガをしているのか?というは気になりますよね。
調べてみたところ、口コミ情報サイト「コンビタウン」さんで“妊娠中の運動”ついて調べられたことがあるそうなので、拝借します。
妊娠中に運動をしていましたか?(黄色がYES、オレンジがNO)
どのような運動をしていましたか?(複数回答可)
出典元:CombiTown(2014年5月実施 回答合計数:338)
上記を見ていただければわかる通り、妊娠中に運動していた方は50%、その中でヨガやピラティスをした方は34%にも及びます。つまり、全体で見ると、17%の人が妊娠期にヨガやピラティスをしていたことになります。
年間100万人の妊婦さんがいることを考えると、年間17万人のマタニティヨガの需要があると考えられます(ピラティスを含む)。
日本にマタニティヨガの先生はどのくらいいるの?
それに対して、ヨガインストラクターは日本で多く見積もっても2万人ほどです(ヨガジェネ調べ)。あまり活動していない方もいると思うので、ヨガインストラクターを1万人として考えてみましょう。
ヨガジェネレーションのtwitterでアンケートをとったところ(回答数が少なくてごめんなさい)、RYT200の次にマタニティヨガの資格をとった方は30%に及びました。肌感としてはもう少し多いと思っていました。
🙋♀️教えてください!
RYT200の資格をお持ちの方に伺います!
RYT200取得後、【次に取得した資格、もしくは学んだ講座】は何でしたか?
その他を選んだ方はコメントで教えてください🌟
※回答頂いても個人は特定されません
— ヨガ情報サイト『ヨガジェネレーション』 (@yogageneration) 2018年11月5日
先程の「現在活動しているヨガインストラクター1万人」を考えると、その30%がマタニティヨガの資格を持っているとすると、約3000人が資格保持者です。
では、この3000人の資格保持者が実際にヨガを教えているのか?という点について考えてみたいと思います。
資格があってもマタニティヨガを教えている人は少ない?!
マタニティヨガ資格保持者が実際にマタニティヨガを教えているかという調査は無いのですが、おそらく資格保持者でマタニティヨガを教えている人は半分いれば良いほうだと思います。多く見積もっても2/3が教えていれば良いほうかと。と考えると、実際に「マタニティヨガクラス」を指導している先生は日本には2000人ほどしかいないことになります。(私の感覚ではもっと少ないです)
それではここで思い出してください。
年間、マタニティヨガを楽しんでいる妊婦さんの数は?
17万人でしたよね?
はい、それでは、ヨガの先生1人が教える妊婦さんの数は?
85人です。
これを多いと思いますか?少ないと思いますか?
マタニティヨガはスポーツクラブのように30人まとめての指導は無理なので、それを考えると1人で85人をカバーするのは難しく、マタニティヨガの先生が不足している現状を理解してもらえると思います。
実際、1人のマタニティヨガの先生が抱えられる妊婦さんの数は1ヶ月単位で見て20〜30人ほどではないでしょうか?
では次に、マタニティヨガクラスは他のクラスに比べて集客しやすいとい衝撃をお伝えします。
マタニティクラスは集客しやすい?!
5ヶ月間続けてもらえる
妊婦さんは安定期に入った頃から運動ができるようになります。5〜7ヶ月で安定期に入った頃からなので、出産までに約5ヶ月ほど運動できます。つまり、1度ヨガクラスに来て「良かった」と想えば、5ヶ月間生徒さんになってもらえる可能性があるということです。
「たった5ヶ月かぁ…」と思うかもしれませんが、マタニティヨガクラスは通常のクラスに比べて、継続率が高い! また、その後もサポートしたいと思うなら産後ヨガを学べば、ずっと長く生徒さんと関係を築いていくことも可能です。
マタニティヨガは始める人、続ける人が多い
もちろん人によりますが、妊娠期は本人にとっても特別な時間であるため、体を大切にする意識が格段に高まります。
そのため「妊娠してからヨガを始めた」という女性も多く、「今までは家でしていたけれど妊娠を機にクラスに通い始めた」という方も多いです。事実、私も普段は家で自分でしていましたが、妊娠期にはマタニティヨガにわざわざ通っていました。(後述しますが、その理由はヨガ以外のところにあります)
「5ヶ月間続けてくれる生徒さんが毎年85人生まれる」と考えると、先程の、1人のヨガインストラクターに対して85人の生徒さん、という数字は結構大きな数字なのではないでしょうか? もう1つ、マタニティヨガが集客しやすい理由をお伝えしておきます。
マタニティヨガの良さは世間が広めてくれる
通常雑誌を読んでいても、健康系の雑誌を除くとヨガの話題に触れていることはほとんどありません。特にファッション誌などでは、”ヨガ”という言葉が出てくることはないと思います。
でもマタニティ雑誌を見ると、どこかでほぼ必ず「マタニティヨガ」の言葉が出てきます。「どんな運動していいの?」という相談コーナーや、体重管理の時に「マタニティヨガなどしてみては?」と出てきます。
そう、世の中が勝手に、妊婦さんにマタニティヨガを勧めてくれているのです。そこで近所にマタニティヨガクラスがあれば、「行ってみよう!」と思う女性が多いというわけです。
では、教える側にとってもこんなに魅力的なマタニティヨガクラスを、資格をとったにも関わらず教えない先生が多いのはなぜなのか? 気になりますよね。
マタニティヨガ資格保持者がマタニティヨガを教えない理由
理由は様々ですが、大きな理由は3つほど。
- 1.妊娠未経験のため妊婦さんに教えるのが怖い
- 2.資格取得から時間が経っているので教えるのが怖い
- 3.教える場所がない
順番に説明していきます。
妊娠未経験のため妊婦さんに教えるのが怖い
「役にたつかな?」と思ってとったけれど、「妊娠したことがないので教えるのが怖い」と思っている方がいらっしゃいます。でも、そもそも妊娠とは1人1人異なるものです。
そのため「私はこうだったからあなたはこうした方が良い」という実体験に基づく教えはとても危険です。妊娠経験があると「私は平気だったから」とつわりを軽くみてしまったり、心配事を「気にしすぎ!」と言ってみたり、妊娠経験があることが逆にアダとなってしまうこともあります。
それよりも、必要な確かな知識を身につけて様々な角度からサポートできるように勉強した方が圧倒的に良い先生になれます。
資格取得から時間が経っているので教えるのが怖い
「自分がインストラクターとして活動し始めたら妊婦さんにも教えたい」と思い資格取得したけれど、妊婦さんに教えないまま時間が経ってしまい、今となっては教えるのが怖い…となっている方です。
そうなんです、知識やスキルは学んだらすぐに使ってみた方がいい!そういう意味でも、今この記事を読んで「マタニティヨガの先生かぁ…」と思っている方は、まだ学ぶ前の段階だと思うので、これから学んでマタニティヨガクラスを開けば、無駄にせず学びを活かせます。
教える場所がない
ヨガの先生でも、スポーツクラブやホットヨガスタジオで指導されている先生も多いので、そういった先生は、そもそも「マタニティヨガを教えよう」とは思わないと思うんです。だからマタニティヨガ資格保持者でも教えていない。
ただ、自宅で少人数制でもいいし、公民館などを借りて開催するのも良いですし、妊婦さんのサークルなどに教えに行く形などいろんな方法があります。需要の高さはわかってもらえたかと思うので、「場所が用意されていない」から諦めるのではなく、「場所を作って」始めて欲しいなと思います。
というのが、私自身、初めての妊娠期にマタニティヨガクラスにすごく助けてもらったからです。
どういう違いを作るかでリピートしたいマタニティヨガクラスは作れる!
下記は、私がマタニティヨガクラスに通った理由とあわせて、集客で困らないマタニティヨガクラスの作り方をご紹介します。
ちょっとした不安を相談できる場になる
私が通っていたマタニティヨガクラスは助産師さんが主催しているものであり2時間で開催されていました。
- 自己紹介&悩み相談(1時間)
- ヨガクラス&瞑想(1時間)
私は比較的健康な妊婦だったので、むくみや妊娠糖尿病などの心配もなく家でヨガもできるし自分で好きなように動けていたので、ヨガクラスに通う必要はあまりありませんでした。ただ、前半の悩み相談の時間が楽しみで参加していました。そこでは「病院の先生に相談するほどではないけれど、気になる症状」の悩み相談が繰り広げられていました。
実際、妊娠期間中というのは「病院に行くほどではない悩み」が多々出てきます。それに対して、正しい知識でアドバイスを求めている妊婦さんは多いです。私の先生は助産師さんだったので詳細に答えてくれていましたが、そうでない方でも、「どんな症状ならヨガでサポートできるのか」もしくは「病院で相談したほうが良いのか」を教えてあげるだけでも十分だと思います。
友達ができる
私はずっと仕事ばかりしていたので近所に知り合いがいなかったのですが、マタニティヨガクラスに参加した際に出会った友達とは、出産日が近かったこともあり、産後も仲良くしています。また、自分よりも妊娠月が上の先輩妊婦さんがいると、「今後自分にどんな症状が訪れる可能性があるのか」と知識が入ってくるのも嬉しかったです。
ヨガクラスはそんなコミュニティや関係を作る場になることもできます。
母親としての心を養ってもらった
妊婦さんでも仕事を続けている女性や上の子の子育てなどで毎日忙しい女性が多い世の中です。
私もその1人でしたが、このマタニティヨガでは先生が「今ここに来ているこの時間は、自分とお腹の赤ちゃんのためのものだから大切に使ってあげて」と教えてくださったことがあり、「お腹の中の赤ちゃんを感じてつながる時間」として大切に使っていました。
こんな風に哲学的な話やエネルギーの話などを交えて、お母さんの心の支えになるクラスを開催することもできると思います。
まとめ
もちろん、ヨガでできること、できないことはあります。でも私は、ヨガで学んだ呼吸法やリラックスする方法などが出産時にもすごく役に立ちました。
「おなかに命を宿す」という特別な時間を、慈しんでもらうきっかけをヨガで作れるなら、それはすごく幸せなことなのでは?と思っています。