季節の変わり目にご注意を!五月病って知ってる?
出会いと別れの年度初めで忙しくなる4月。暖かくなり桜が咲き、待ち行く人々の表情も和らぎ、期待感、高揚感が喜びを与えてくれます。
非日常のような新しい職場環境や家庭環境では日常と違った生活リズムが生まれ、徐々にそういったリズムにも適応しはじめ、一息ついた頃にゴールデンウィークの長期休暇がやってきます。
フレッシュな期待感や環境の変化による、ザワザワした心と身体の状態が続いた4月が終わり、より非日常が日常へと移行して現実感が増すそんな5月は、特に新たな期待感や興奮も無くなりつつあるので、一転して気分が憂鬱になりがちです。この気分の沈んだ状態を「五月病」という言葉として聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
どうして爽やかな5月に気分が落ち込むのでしょう?
人は「今有る」という喜びよりも「将来への期待」という喜びに対して、興奮、快楽となるような刺激ドーパミン物質が反応します。
将来の喜ばしい可能性のためにエネルギーが湧くという部分は、時として必要なポジティブ作用ですが、これが度を超すと、快楽に対して自制がきかなくなり、その状態に依存してしまうというマイナスな側面も出てくるのです。
例えば、生活環境の変化が激しく、無意識のうちに精神的・肉体的に強いられてきたストレスや緊張が続いた4月の次にやってくる長期休暇、ゴールデンウィーク。今年は新型コロナウイルスの影響で難しいですが、例年であれば海外旅行や国内旅行、特別な行事などで楽しく過ごせるゴールデンウィークが終わり、日常に戻る時にそれまで感じていた「ストレスや緊張を強いられる環境へ戻ることへの拒否反応」に身に覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
休日が明けるときに感じる、なんとなく気分が優れない倦怠感などは、こういった要素が含まれている可能性があるといわれており、それが五月病のひとつでもあります。
気候の変動を乗り越えて快適に過ごす
この五月病を克服するには、「休む」という行為がとても大切なポイントです。「休む」というとただグッタリと寝そべっていたり、ダラダラ何もしないというイメージがありますが、最近では「動的な休み方」として「Active Rest」(アクティブ・レスト/積極的な休息)を取り入れて、日常生活でバランスよく気分転換することが推奨されています。
ヨガクラスで行われるようなアーサナ(ヨガポース)の流れと同じく、生活にも「緊張と弛緩」を上手に取り入れ、メリハリのある時間を持つことを心がけましょう。そうやって休日の過ごし方が上手になると、ストレスや緊張の多い職場や家庭などでの日常生活も、イキイキと健康的に過ごすことができるようになります。心と身体に安心感や充実感が生まれることで、次の目標へ向かうやる気も満ちてきます。
大切なのは自分自身が楽しいと思えることに、自分のペースで取り組むこと。また可能であれば、何かこれまでとは少し変化のある出来事や場所で新しい発見やチャレンジに向き合うというのも、凝り固まった脳みそや身体を刺激し、新しい視野や視点を得られるという利点もあります。
例えば、いつも通っているヨガスタジオ内で別のクラスや特別なワークショップに参加したり、気持ちの良いこの初夏という季節を満喫する野外ヨガなども良いでしょう。
五月病を予防&撃退するヨガポーズ
日常のヨガプラクティスでは、ふだん苦手としているようなアーサナに挑戦するのも良いでしょう。
気分転換、ストレス発散に効果のあるポーズとして、例えば、月のポーズや三角のポーズ。スタンディングポーズで背面を刺激するポーズは、自律神経を整えストレス解消に効果的なポーズです。
その後は、シャバアサナと瞑想も取り入れて、心身共にリラックスもお忘れなく。適度に動いてしっかり休む、というバランスが大切です。
しっかり身体を動かした後は、季節を感じる旬な食べ物を食べ、快適で十分な睡眠をとることもお忘れなく!ヨガを日常生活に取り入れて、爽やかな五月の気候を思い切り楽しみましょう。