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ツボ押しは点ではなく線で捉えると効果UP
東洋医学では、14本のエネルギーの川がからだ中に流れているという考え方があります。その川が経絡です。その経絡上に点在しているのが、一般的に”ツボ”という名で親しまれている経穴(けいけつ)です。経穴を押すことによって川の流れが良くなり、川を伝って遠くに刺激を届かせることができます。
押された場所だけ痛い場合、点で刺激が止まっています。この刺激が経絡を流れていくのが、正しいツボ押しの目安となり効果的になります。
知識だけでは痛いだけ・・・
テレビ、ネット、本を見ればツボの場所が載っています。場所さえ分かれば簡単なように思えますが、ただ痛いだけで効果がまるでない可能性があります。なぜならその場所は個人差・個体差によって左右されてしまう情報だからです。
必要となるのは正確な場所を個人差・個体差にまどわされずに探し出す技術と押す技術です。勉強だけではなく、必ず人のからだに触れる経験を積んでいきましょう。
効いている” ビリビリ “を可能にするツボ押しのコツとは?
東洋医学の先人たちが築いた経絡の技術はとても興味深いものです。
場所特定の技術の一例
場所はからだのでこぼこをうまく利用して特定します。
A「”○○から一寸右に□□というツボがある”と本に載っていたから押してあげるよ」
B「本当?ありがとう!」
例えばこんなシチュエーション。皆さんはAさんです。一寸とは大体親指の横幅の距離です。○○を仮におへそとしてみましょう。「おへそから親指一個分移動して・・」と想像してみてください。
想像している親指は、自分の親指ではないでしょうか?この場合の「大体親指1個分」はAさんの親指ではなく、より正確なのはBさん、つまり押されている人の親指なのです。押されている人のからだを物差しにすることは、個人差・個体差を考えると頷(うなず)けますよね。経絡にはこうした正確な場所を探す技術が無数にあります。
押す技術の一例
場所が特定できたとしても、力任せに押していては痛いだけ。やりたいのは”ビリビリ”と刺激を飛ばす押し方です。目安としては、ツボは骨の際(きわ)にあることが多いのだとか。場所の特定ができたら、その場所を骨に向かって押してみましょう。
ただ、こちらも個人差・個体差によって大きく異なり、惑わされてしまいます。骨の際といっても、骨に向かって押すことで”ビリビリ”する人、その反対の人、真下の人、本当に人それぞれなのです。押される人の体調や、経穴の場所ごとに違うことが大いにあります。
このように場所の特定も押し方も大変技術が必要なのですが、今すぐできることがあります。それは、押されている人とのコミュニケーションです。本で見た情報は「大体この辺」くらいの目安で使用し、「そこそこ~!」という場所を一緒に見つけるようにしましょう。
経穴は難しい名前よりも人に触れて覚えよう!
調べてみるとわかるのですが、経穴のそれぞれの名称は漢字と読みが難しいものがあり、数も多くて場所を一致させて覚えるのがなかなか時間がかかります・・・覚えられずに挫折してしまう人もいるようです。内田先生のアドバイスは「漢字の読みは覚えなくていい。それよりも人のからだに触れることが大事。指で、手で、体感で覚えていく」ということ。
重要なのは正しく押せるかどうかです。それにはセンスが問われることも!?一朝一夕で身につくわけではありませんが、そこはご安心ください!上達するのに一つ確かなことは、出来るだけ多くの人に触れさせてもらうことです。その経験が一人ひとりに合った” ビリビリ “なツボ押しを可能にする近道となります。
まとめ
ビリビリはしっかりと経絡が反応している証拠です。からだの表面に触れるだけでなぜ内臓にまで影響があるのかといえば、経絡が体中に張り巡らされている考えに基づいているからです。人それぞれに合った正しい押し方が出来れば、経絡を反応させることができ、確実にツボ押しの効果が上がります。
せっかく親しみのある”ツボ”。ご家族にもご友人にも恋人にも気持ちよく喜んでもらえる技術です。ご自身の生活に取り入れてみるのはいかがでしょうか?