南舞さんのヨガ写真

ヨガの八支則を知りココロのデトックス~プラティヤハーラ(感覚制御/制感)編~

皆さん、こんにちは。日曜日のこのブログの時間がやってきました。この記事が皆さんの手元に届いている頃には、もう3月も折り返しに入っている頃ですね!3月は多くの企業が決算期や人事異動の時期であったり、学生さんであれば入学、卒業、クラス替えがあったりと、それまでの人間関係が大きく動く時期でもあります。

皆さんは環境や対人関係が変わってもすぐに馴染むタイプですか?それともなかなか時間がかかってしまうタイプですか?
 
ちなみに私は、時間がかかるタイプです(笑)ヨガ指導などをして人前に立ったりしているし、知らない方と出会う機会も多いので、周りからよく「意外です!」と言われるのですが、実は新しい環境や対人関係になると、人見知りしてしまったり。あるいは回数や期間に関わらず、今でも大人数の場所はあまり得意ではありません(笑)

大人数の場面に行くと、さりげなく人間観察をしつつ、「この人はどういう人なのか、このグループの中で誰と誰が仲良くて、誰と誰が仲が悪いのか」を常に考える。また、自分の心がざわついているのが周囲にバレないように…。そんなことがよくあります。

今はそんな自分も受け入れられるようになってきましたが、前まではそんな自分に疑問を思うことがあったし、「私って集団適応できないんじゃないだろうか…」と真剣に悩むことも多々。でも、ヨガ哲学の【プラティヤハーラ(感覚制御/制感)】という教えを知ってからは少し気持ちがラクになりました。

プラティヤハーラ(感覚制御/制感)とは?

プラティヤハーラ(感覚制御/制感)とは、ヨガ哲学である「八支則」の中の第5段階に掲げられているもので、【感覚を外界から遠ざけて自己の内側に向けていくこと/外に向いている自分の意識を内側に向け、自分の中の内的感覚を高めること】という意味です。

心理学ではこの状態を【内観する】などと言ったりしますが、人間関係でいえば【他人の言動や行動に向いている自分の意識を、自分がどうしたいか、どう思うかに切り替えていく】ということになるのではないでしょうか。

敏感な人が増えた?

普段、心理カウンセリングを行う中でよく耳にする主訴の一つが【人間関係】。中学校などの教育関係でのカウンセリングだと、「人からどう思われるかが気になってしまう」「大勢の中にいると気持ちが落ち着かないから学校に行けない」など子どもたちからよく話されます。

ヨガのレッスンをしていても「他人の言動や行動に振り回されて疲れるんです…」など生徒さんから話を聞くこともあります。

それを誰かに相談すると、「そんなの気にしなければいいじゃん!」とか「自分のしたいようにすれば良いんだよ。」ってアドバイスをもらってさらに傷ついてしまったなんてことも…気にしないようにって言われても、気になってしまうんだからそれはしょうがないことですし、それができていたら悩まないよ!という話。

最近では、周囲の環境に繊細で敏感、かつ感受性が高い人たちのことを「HSP(Highly Sensitive Person)」と呼んだりするそうです。この概念は、1996年にアメリカの精神分析医で心理学者のエイレン・アーロンが提唱していて、日本では5人に1人がHSP、あるいはHSP気質であると言われています。

それは、日本が「察することを大切にする文化」であるとか、「KY(空気が読めない人)は敬遠する、排除する」というような風潮であることも関係するかもしれませんね。

HSPは病気ではなく気質・性格特性であるため、治療などの対象にはなりにくいですが、周囲がそういう人たちへの理解を示していくこと、あるいは「自分は気持ちが周囲に左右されやすいところがあるから、うまく付き合っていこう」と自分で自分の状態を受け入れていくことも大切なのかもしれません。

敏感な自分とどう付き合っていく?

そんな敏感な自分とどう付き合っていくのか。それは、「他者ではなく自分に意識を向ける練習をすること」「自分がストレスになるものを知っていくこと」「物事の見方を変えてみること」だと思います。

周囲に敏感だなと感じる人は、なるべく刺激の少ない場所や生活を選び、自分に意識を向ける時間を長くするような過ごし方をすると良いでしょう。それにもってこいなのがヨガ。心と身体はとてもつながりが強く、自分の気持ちや感情が身体に影響を及ぼすことがたくさんあります。

ヨガは呼吸法・アーサナ(ポーズ)・瞑想を行うことによって、心と身体をつながりやすくする。そして、他人やものに脅かされることなく、自分の意志で自分の気持ちの在り方や行動を決めるための練習です。結果がでるには時間がかかるかもしれないけれど、日々丁寧にヨガの練習を行うことで、プラティヤハーラ(感覚制御/制感)を身に着けられるようになると良いですね。

この社会の中で生きている以上、自分にとって苦手なこと・ものってたくさんありますよね。そういう場所には最低限の関わりを持つくらいに調整してみるとか、自分を脅かす人やものにはなるべく近づかないようにする。そういう環境調整を行うことはとても大切。

「それって逃げじゃないの?」って言う人もいるかもしれないけれど、逃げではなく【自分を守るための手段】と捉えたり、もしあなたが「自分は過敏でネガティブ」と感じるなら、【感受性豊かで共感力がある】とリフレーミング(物事の意味合いを変えていくカウンセリングの技法)してあげたら、少し楽になるかもしれません。

これらは自分で行うことは難しいかもしれないので、客観的に話を聞いてくれる人であったり、信頼できるカウンセラーに相談してみることをお勧めします。

周囲との関わりが苦手な人って意外と多いものですよね。そしてこの時期は変化などが敏感な人たちにとってはつらい季節かもしれませんが、無理をせず、ヨガを通して自分らしくあるための練習を一緒にしていきましょうね☆