日課にしたい瞑想の実践
カウアイ島でのヨガトレーニングを受けるまで、瞑想(Meditation)はほとんど実践したことがありませんでした。
トレーニングでは早朝5時から火の儀式(アグニホートラ)があり、15分ほどの長いマントラを唱えます。その後、呼吸法(プラーナヤーマ)の練習を行い、そのまま朝の瞑想の時間となります。
朝の瞑想では、ただそこに座り、自分の内側に意識をとどめて日の出の時間を待ちます。無音だった空間に、日の出を感じた鳥たちが鳴き始め、「ああ、日の出が近いのだ」ということを目を閉じていても知ることができます。
感覚が研ぎ澄まされ、自分の内側に溜まっていた感情が涙となって溢れ出る日もあれば、温かい喜びを感じて頬がゆるむ日もありました。
夕方にも短い火の儀式があり、今度は師の言葉による導きがあるエネルギーワーク(ガイデッド・メディテーション)が毎晩行われます。こちらは座って目を閉じたまま、師の言葉をイメージしながら心と身体の内側のエネルギーを動かして浄化していく作業です。
今でも日課として、朝は長いマントラを唱え、呼吸法と瞑想を行い、エネルギーを動かすように務めています。そうすることで1日が気持ちよくスタートできるのです。
自分を受け入れることができるようになる
瞑想の効果を大きく感じるのは、自分をありのまま受け入れることができるようになったことでしょうか。ヨガに出会うまで、師に出会うまでは劣等感に苛まれ、「ダメな自分をなんとかよく見せたい」というフラストレーションの固まりだったように思います。
けれどヨガに向き合い、自分に向き合う瞑想の時間を持つことで、「この自分がわたしだし、これでいいんだ」と認められるようになりました。他の人と比べることなく、自分をそのまま受け入れてあげることで、内側のわだかまりが解放されていくのを感じました。
できないヨガポーズもいくつもあり、まだまだヨガの教えを学んでいく途中であっても、今の自分はこのままで十分大丈夫、と思えた時に、精神(Mind)の解放がもたらされます。そしてより自然に、より自由に前進していくことができるのではないでしょうか。
マインドフルな呼吸を
呼吸、感情、身体はつながっています。ハッと驚いた時、呼吸はキュッと締め付けられるように止まり、身体も縮こまります。逆におだやかに心地良い状態では、呼吸もおだやかにゆっくりになり、身体もゆるんでリラックスしています。
いま、ここに生きて存在していることを実感できるマインドフル(Mindful)な呼吸を心掛けましょう。マインドフルな呼吸の長さや深さは人それぞれ異なるはずです。ですから他の人と比べず、自分の呼吸をみつけていくようにします。
ヨガの時間だけではなく、日常生活でも意識してマインドフルな呼吸を実践していくことで、調和のとれた日々の営みが続いていくでしょう。それこそマインドフルネスな「いまこの瞬間を大切にする」生き方につながり、充実した毎日を送っていく基盤になっていきます。
良き指導者に出会うことが大事
どのヨガスタイルを選んで学んでいくとしても、良い指導者(Mentor)に出会って、そのヨガの実践や生き方を参考に、自分自身の生き方を形づくっていくことが大切なのではないかと思います。
特に呼吸法や瞑想は、専門的に学びを深めている指導者のもとで安全に行われるべきであり、そうすることでより本質に触れることができるでしょう。
ヨガはいつまでも実践できる、人生に寄り添った行いのひとつです。だからこそ、より良い指導者がより良い人生のお手本となり、ヨガを続けていくモチベーションの手助けにもなるでしょう。