イラストでヨガ 肩立ちのポーズ

肩立ちのポーズ:バリエーションを増やして集中力&バランス感覚をUP

集中力を高めるチャレンジポーズはヨガのスパイス

以前の記事『ハラーサナのコツはポーズの解き方!本来のリラックス機能を取り戻す方法』でも触れましたが、ヨガには頭が下になるポーズ、いわゆる逆転のポーズが多くあります。

逆転すると血液の巡りががらっと変わるのでそれに伴い疲労回復、内臓機能の調整、不眠症の改善などなど、本当に多くの効果が期待出来るんですよね。

逆転、と一言で言っても腕で立つアームバランス系から三点倒立など様々ですが、今回は肩で立つ肩立ち系について深めてみようと思います。

肩立ちのポーズは三点倒立などと比べると安定し易く比較的どんなクラスでも取り入れ易いポーズではありますが、「難しいポーズにチャレンジしたい!」というニーズにも充分答えられるような難度高めのバリエーションもたくさんあります☆

そして、より集中力が必要となる難しいポーズにチャレンジすることは楽しんでヨガを続ける上で重要なスパイス(^^)

というわけで、肩立ちのポーズの色んな形、そのポイントなど、一緒に探っていきましょう~!

基本の肩立ちのポーズとその効果

さて、『肩立ち』と聞いて一番に脳裏をよぎるのはそのまんま、肩立ちのポーズ『サルヴァンガアーサナ』です。

肩立ちのポーズ『サルヴァンガアーサナ』
肩立ちのポーズ『サルヴァンガアーサナ』

安定感はあるので比較的やりやすいポーズではありますが、首の後ろの柔軟性や上に引き上げる腹筋や内転筋など、ポーズを洗練させていくためには色んな条件が必要になってくる、それなりに難易度の高いポーズです。


ポーズ解放後のリラックス効果はとても高いので、シャバーサナ(最後の全身弛緩)に向けてスムースに脱力していくために、レッスンの終盤に行われる事が多いのではないでしょうか。

B.K.Sアイアンガー師による『ハタヨガの真髄』では、肩立ちのポーズの偉大な効果について、

サルアーンガアサナの効果は、いくら述べてもいいすぎることはない。このポーズは古代の賢者が人間に授けてくれた、最も偉大な賜物の一つである。(中略)ほとんどの病気の万能薬である。

と述べられています。

肩立ちという体位は、甲状腺を刺激し血液の循環を良くするなど、嬉しい効果が大いに期待出来るそうです。身体や心への効果についてはもちろんこれだけでも充分なのですが、肩で立つ、というバランスに焦点を当てた肩立ちの変形ポーズを見ていきましょう。

バリエーション1:鋤のポーズから変形

肩立ちのバリエーションの中で、鋤のポーズから変形するポーズがあります。少し難易度が高いので自分のレッスンでもあまり入れてませんが、たま~にいれるのはコレ。

肩立ちのポーズのバリエーション『カルナピーダアサナ』
肩立ちのポーズのバリエーション『カルナピーダアサナ』

胎児のポーズ、なんて言い方を聞いた事がありますが、正確には『カルナピーダアサナ』という名前でアシュタンガヨガにも登場します。

一見したところ、そこまで難しそうじゃないこのポーズ(^^;) 実はまあまあ難しいのです。やり方はハラーサナ(鋤のポーズ)から膝を曲げて腿裏で手を繋ぐというシンプルな行程なのですが、きわどいのは腕を床から離す時です。

ハラーサナのときは、背中の後ろか足先の方向かに腕を伸ばしているので、腕でも身体を支えているんですよね。


腿を抱え込むためにその腕を床から離す時、ちょっと慎重に体重移動しないと背中側にゴロンと転がってしまうわけです。
(ちなみにハタヨガの真髄を参照してみると、アイアンガー先生は首の柔軟性もさることながら脚の長さが自分と全っ然違うので、もはや全く違うポーズのように見受けます。コレ、絶対脚短い方が難しいと思うなあ…(泣笑))

ハラーサナは、よく行う方も多いと思いますが、たまにはそこから変形してみるのも面白いです。
程よく集中力も使うので、精神的にも安定感が増していきます。

アシュタンガヨガではさらに変形…

ちなみに、アシュタンガヨガの流れでは、ここから更に変形していきます。

アシュタンガでは『カルナピーダアサナ』をさらに発展させる
アシュタンガでは『カルナピーダアサナ』をさらに発展させる

カルダピーダーサナから蓮華座を組みウルドゥバパドマーサナへ、その脚を抱え込んでピンダーサナへ…

バランスを取りながらこの流れで行うのはかなり難しいですし、そもそもウルドゥバパドマーサナやピンダーサナは、それ単体でも充分レベルが高く、集中力を使います!

心静かで身体の調子も良好なときにこそ、チャレンジしたいポーズですね★

バリエーション2:逆エビ反りのポーズ?!

バランス感覚を養おうと思うならこんなのも面白いです。

肩立ちのポーズ『ニラーランバ・サルワーンガアサナ』
肩立ちのポーズ『ニラーランバ・サルワーンガアサナ』

「逆エビ反りのポーズ」・・・ではなくて、正式には『ニラーランバ・サルワーンガアーサナ』といいます。よくもまあこんな立ち方思いついたなあ!って思いませんか?

肩立ち系の中でも結構なバランス感覚が要ります。
そして、このポーズでも鍵になるのはやはり腹筋でした。

脚が倒れてこないようにキープするには腹筋で体幹を支えなければいけません。
やってみると分かっていただけると思うのですが、腹筋から足先に向けて力を引き上げていくようにイメージするとキープしやすいです。

キープ中の感覚はなんかめっちゃ「珍しい感覚…笑」 色んなポーズを体験することはつくづく脳にとって楽しい刺激になるなあと実感できます。

バリエーション:バランスの練習

ご紹介したものも含め、肩立ちのポーズは、バリエーションになるととたんにバランスが難しくなるものが多いようです(^^;)

では、肩立ちでのバランス感覚を養うにはどんな練習方法があるのでしょうか。色々あると思いますが、私が行っているのはこんな練習。

  1. 基本の肩立ちのポーズ
  2. 息を吐きながら両脚揃えたままお尻の方へ斜め45度目指して傾ける
  3. 一息吸って、吐きながら戻る。或は慣れて来たら吸いながら戻る
  4. これを数回繰り返す
肩立ちのポーズのバランス練習法
肩立ちのポーズのバランス練習法

次の段階では傾けた後、片脚ずつ足先を床に降ろしてみましょう。降ろしたら腰を支えたまま戻す、戻したら反対の脚、というように、肩で支えた状態をキープしながら下半身を大きく動かします。

この練習は腹筋はもちろんのこと、中臀筋や大臀筋といったお尻の大きな筋肉の他、梨状筋というお尻の奥の筋肉にもアプローチできるので、肩立ちのバランスだけでなく色々なポーズの安定感のアップに繋がります!

肩立ちに戻ったら今度は片脚ずつ頭の向こうの床へ降ろしてみましょう。このとき、反対の脚が落ちて来てしまわないように降ろす脚だけを動かすことを意識して。

意識的に身体の各部分をコントロールする力と、首の後から背中にかけての背面の柔軟性も高まります。是非試してみてくださいね!

★★★

いかがでしたか?

逆転系のポーズの中では肩立ちのポーズや鋤のポーズは比較的やりやすくリラックス効果も高いので、ぜひとも毎日でもやりたいポーズなのですが、ちょっと飽きている日やもう少し違うバランス感覚を探ってみたいときには変形してみると楽しいです!

自分の中での力の入れ具合やバランスを探って、ポーズを完成させていくのはなかなか面白いですし、身体を使ったヨガのとても面白い部分だと思います。

そして、今の自分にとって少し難しいくらいのポーズに挑戦すると適度に集中力を使うので、精神的にも安定感が増すと云われています。

ヨガを楽しく続けていくためには、ときには少し攻めの姿勢で取り組むのもきっといい刺激になることでしょう♪