旅行先で最も多く言葉にするのが「ありがとう」
みなさん、旅行(Travel)はお好きですか?どんな国に行かれるのが好きですか?
ヨガに親しまれている方なら、インド?アメリカ?カナダ?バリ島などインドネシア?タイ?上海や香港などの中国?オーストラリアやニュージーランド?ヨーロッパが肌に合うという方もいらっしゃるでしょう。
いまやインドが発祥のヨガも、世界各国に広がり、どの旅行先でもヨガを楽しめる環境が整ってきているでしょう。飛行路線の拡大により、より世界の国々へ足を運ぶ機会も増えていることかと思います。
その中で、日本語以外の言語が苦手だとしても、みなさん唯一自信を持って口に出せる単語が「Thank you(ありがとう)」なのではないでしょうか。
ヨガはそれ自体が相手に響く言葉そのもの
「ありがとう」という感謝の言葉が口にできれば、講師(Teacher)への敬意も表すことができますし、その場でともに過ごした仲間への感謝の気持ちも表せます。
ヨガは言わばそれ自体がボディランゲージで、言葉のいらない万国共通の行いです。「ありがとう」があればきっとどのヨガクラスでも安心してその経験を楽しむことができるのではないでしょうか。
海外で気づいた「ありがとう」への返事の大切さ
ハワイでの生活を始め、英語漬けの毎日を送っていた頃、「Thank you」はすぐ口に出せるのに、「Thank you」と自分が言われた時の返事がなかなか口から出ずに悔しい思いをしていました。
正しい返事は「You are welcome(どういたしまして)」です。カジュアルに「Sure!(もちろん!)」「It’s ok!(大丈夫よ!)」「No problem!(問題ないよ!)」という言い方もありますが、まず丁寧な「You are welcome(どういたしまして)」を覚えるといいでしょう。
日本語でも「ありがとう」に対して「どういたしまして」というのが正しい受け答えですが、あまりそれをしっかり答える機会もないですよね。だいたいが「はい!」や「うん!」、「いえいえ」、もしくは返事をしない、というシチュエーションが多いのではないかと思います。
そのため、なかなか「You are welcome」がサッと口から出ず、他の人が「You are welcome」とサラッと口にしているのを聞く度に「くぅー!!!かっこいい!!早くそうなりたい!」と感心していたのを覚えています。
それからは、「今日こそちゃんと”You are welcome”言うぞ!」と毎朝心に決めて、10年経ったいま、ようやく自然に「You are welcome」が口に出るようになりました。
街で知らない人とでも、知り合いとの間でも、「ありがとう」と「どういたしまして」で笑顔のコミュニケーションが生まれます。こんな素敵なことはないですよね!
英語での「どういたしまして」が口から出るようになってからは、日本語でも「ありがとう」に対して「どういたしまして」が自然と出てくるようになりました。それは、大人になってから実生活で学んだ英語から得ることができた日本語のスキルアップだな、という不思議な気持ちとともに、やはりどんな言葉も、口から出していかないと身に付かないのだな、という気づきも生まれました。
言葉遣いにも思慮深さを
不安を起こさせない、真実で、好ましい有益な言葉、及び、ヴェーダ学習(読誦)の常修。以上は言語的な苦行と言われる。
ー 「バガヴァッド・ギーター」第17章より[1]
ヨガは思慮深い(Thoughtful)行いのひとつです。呼吸の状態、身体の状態、心や感情の状態を慎重に見つめながら、調えていく作業です。
同じように、いま自分が発している言葉にも責任を持ち、思慮深く、人を傷つけないだけでなく自分も傷つけず、円滑なコミュニケーションを育める言葉を発信できるように意識していけたらいいですね。その小さな行いが、世界平和につながるヨガプラクティスのひとつだと信じて。
参考資料
- 「バガヴァッド・ギーター」(上村勝彦訳/岩波文庫)