一瞬一瞬で変化する心と身体の反応
10日間の合宿で行われたヴィパッサナー瞑想。
沈黙を守り、人と目を合わせることもなく、ただ自分自身と向き合う時間は、今までの人生の中で、最も静かな時間でもあり、最も激しい時間でもありました。
初めは全く集中できなかった瞑想も、6日目を過ぎる頃には、1時間の間、体を少しも動かすことなく、同じ姿勢を保ったままでいられるようになり、一瞬一瞬の感覚に集中することが出来るようになりました。
でも面白いことに、また次の時間には、雑念に邪魔をされ全く集中できなかったり、どうしても体を動かしてしまったりと、その時その時によって違う感覚を受けました。
感情に向き合いながら時間が解決することを知る
目を背けたくなるような感情と向き合い、辛いことも多々ありました。どうしようもないような気持ち。誰にぶつけることも出来ない感情。
でも、その感情が浮かび上がって、何もかも消化しきった後は、とてもスッキリとした気持ちになりました。全てのことは、時間が解決してくれました。どんなに大変な時があっても、1日1日と時間は過ぎていくのです。
そして、沈黙から解放された10日目。その時は、様々な感情が一気に溢れ出し、いつまでたっても涙が止まりませんでした。
ヴィパッサナー瞑想から学んだこと
瞑想を通じて、自分の中にある感情の蓋をあけてみると、今まで見ないようにしていたことや、今まで気がつかなかったことなど、本当に色々なものが見えてきました。
大切なのは、「自分の感情に蓋をしたままにしないこと」。私にとって、それは少し勇気がいることでした。でも、今そのように思えるのは、この瞑想のおかげです。
10日間のヴィパッサナー瞑想。それは私にとって衝撃の連続であり、そして、それは沈黙の中、自分自身の奥深くまで覗き見るような体験でした。時には大変な時もあり、時にはとても心地良く感じる時もありました。
そんな儚く、美しい真理を実践の中から学んだことは、一生の財産になりました。
ヴィパッサナー瞑想から得られるものは人それぞれ
この瞑想を体験して得られるものは、人それぞれ同じではありません。一人一人それぞれが、真剣に自分自身とぶつかった結果は、きっと、その人にしかわからないものだと思います。
自分自身を覗く旅。それは、貴方にとって素晴らしい経験になることでしょう。
今回の体験記、最後まで読んでいただきありがとうございました。最後に、日本でもヴィパッサナー瞑想を体験できる場所をご紹介してこの連載を締めくくります。
文・Kumi
