私は現在、クリシュナ・グルジ先生のヨガ哲学指導者養成講座を受講しています。前回「ヨガ哲学ってそもそも何?学ぶ必要があるの?役に立つの?」という疑問に迫り、ヨガ哲学は私達の心を何にもとらわれない、自由にしてくれるための智慧であることがわかりました。でも、哲学の話を聞けば聞くほど、深くて学ぶことが多くて大変そうな気がしてきます。
では、「ヨガ哲学指導者養成講座」を卒業することで、本当にヨガ哲学指導者になることは可能なのでしょうか? グルジ先生にインタビューしてきました。
「ヨガ哲学指導者養成講座」を卒業したら、本当にヨガ哲学指導者になれる?
教える時に、自分に何が足りないかを気づくことができるから、みんなに話すことによってもっと細かいことまで考えることができるようになります。足りないことに気づいたら、また勉強するのが大事。先生から話を聞いたり、本を読んだり。それこそがヨガの文化です。
勉強して生徒たちに教えて、わからないことを見つけてまた勉強して教えて、そうすればもっともっと進化することができます。
もし、この1年のコースを受けて、哲学を教えたかったら(哲学コースのみを受講しているなら)、哲学だけなら教えても大丈夫ですよ! 配ってるテキストを使ってもらったら大丈夫。でも、同じ言葉を使うのではなく自分の言葉を使いたかったらもっと深く勉強することが大事。
ヨガ哲学はどうやって学ぶことができるの?
あとは、今、哲学とハタヨガとセラピーの講座を3日間連続で開催していますが、この3日間で私は哲学のことをいっぱい話しています。哲学はハタヨガのクラスの内容にも入ってるし、セラピーのクラスにも入ってるので、3つのコースを受けた人は哲学だけを受けている人よりも細かいところまで理解してくれています。だから3つのコースを受けてくれた人の方が哲学に慣れてきていますね。
1回聞いて1ヶ月間忘れちゃう前に、次の日も次の日もまた同じことを聞いてるから、その人たちの心は、哲学だけを学ぶ人の心とは全く違います。これは、私の今までの経験から言えること。インドでも他の国でも世界中で教えてきたけど、哲学の話は1日じゃ足りなくて、もう少し時間が欲しいんです。
もちろん3日ともは参加できない人もいると思ういますが、そういう人は、その時に学んだことを家に帰って勉強して、もう1回読んで、また読んで、質問書いて、次に来た時に質問してたら、その人はもっと理解が深まるね。
『アットマ・ブーダ』と『タットヴァ・ボーダ』です。この2つは哲学の入り口です。他にもたくさんあるけれど、この2つを読んだらだいたい哲学の入り口には入れると思います。この中から、私は”パンチャ・コーシャ”とかいろんなことを教えています。
ちなみに、”アットマ”は”魂”という意味、”タットヴァ”は”深いこと”という意味、”ブーダ”は”説明・悟ること・わかること”という意味なので、”アットマ・ブーダ”は”魂の説明”という意味で、”タットワ・ブーダ”は”深いことを悟るもの”という意味の本です。(注:日本語に訳されていない可能性があります)
あとは、日本語の本だと、「やさしく学ぶYOGA哲学【愛蔵版】ヨーガ・ヴィッディヤー YOGAの知恵」もいいと思います。
哲学は、難しい本や物理や科学と一緒。深く入り込んで学ぶには、先生と一緒に話をして、本を読んだ方がいいです。バガヴァット・ギータとか、読んでも難しいでしょ?
ヨガ哲学指導者養成講座を受講していて、この難しい内容を教えて良いのだろうか?というのは私の疑問でしたが、「教えていい、むしろ教えることで理解が深まるから教えなさい」と言ってもらえたことは、これから勉強を深めていくにあたってもすごく嬉しいことでした。
ただ、哲学を深めていこうと思うとやはり先生から学ぶしかなく、日本ではグルジ先生を始めとする本当に数少ない指導者しか哲学の指導はされていないため、難しいのが現状です。ただ、遠方の方でも、興味があればグルジ先生のFacebookをフォローするなど、まずはできることから始めてみてはいかがでしょうか?