更年期障害とヨガ。効果と気を付けるべき注意事項は？

更年期障害ってそもそも何？症状と原因とは？

「最近、なんだか体調が悪い・・・」
「すぐイライラする」
「もしかして更年期？」
と疑っている方はいらっしゃいませんか？そもそも、更年期障害の「更年期」とはいつのことを言い、どのくらいの期間あるのでしょうか？

それは、閉経の年齢に左右されます。閉経の年齢は個人差が大きく、40代前半の人もいれば、50代後半に迎える人もいますが、どのタイミングで閉経を迎えても、閉経前5年間と閉経後5年間の10年間を「更年期」と言います。そうです。10年間もあるのです！！

10代の頃から毎月生理に伴う症状と向き合い、最後の10年間は更年期と向き合うのですから、大変です。

更年期障害の主な症状３つ

更年期障害の症状は主に3つに分けられます。¹⁾

1. ホットフラッシュ：のぼせやほてりなど更年期障害の代表的な症状
2. その他の身体症状：めまい、動悸、頭痛、肩こりなど多岐に及ぶ
3. 精神症状：気分の落ち込み、意欲の低下、情緒不安定など

これらの症状は、閉経に伴いエストロゲンが増えたり減ったりを繰り返しながら、急激に減少することによって起こります。そのため、ホルモンを補充する薬や、漢方などの治療方法があります。また、薬物治療以外にも、「ジョギングなどの運動を行うと抑うつ等の症状が改善する」という報告もあります。

しかし、こうした激しい運動を更年期の女性が行うと、更年期の代表的な症状ともいえるホットフラッシュが出やすくなる可能性²⁾もあり、注意が必要です。

※更年期障害とよく似ている症状でも、他の病気の場合もあります。自己判断せず、病院で正しい判断をしてもらいましょう。

更年期障害に対するヨガの効果は？

それでは、ヨガの効果はどうでしょうか？ とても嬉しいことに、日本の働く女性を対象に行った試験で更年期に対するヨガの効果が示されています。早速ですが、結果のグラフから見ていきましょう。

オレンジ色は寝る前に10分間ヨガをやった人の推移、水色はいつも通りの生活を送った人の推移となっています。結果は一目瞭然です。

3週間の間、寝る前に10分間ヨガを行うだけで、更年期症状と抑うつ症状が正常範囲まで改善しました。³⁾そして嬉しいことに、運動で悪化することが懸念されるホットフラッシュも増えませんでした。

50代以上のヨギーニにオススメのヨガレッスン

更年期障害に対するヨガの効果を紹介してきました。ここからは、更年期の症状に効果的だった10分間ヨガの内容を紹介します！

1. 立位のポーズ
   • ヴィラバドラーサナ（戦士のポーズ）
   • パールシュボッターナーサナ（両体側を強く伸ばすポーズ）
2. 座位のポーズ
   • バーラーサナ(子供のポーズ)
3. うつ伏せのポーズ
   • シャラバーサナ(バッタのポーズ)
4. 仰向けのポーズ
   • シャバーサナ(屍のポーズ)

これなら、夜ベッドに入る前に立位のポーズを行い、ベッドに入ってから2～4を行い、最後はシャバーサナからそのまま良質な睡眠に入れそうですね。短い時間ですぐに実践できそうなのが、嬉しいところです。

更年期のヨギーニがヨガをする時に気を付けること

更年期の女性に起こる体調の変化の一つに「骨がもろくなる」ということがあります。これは、最も気づきにくい変化ですが、気をつけなければなりません。今までだったら骨折しないような衝撃でも骨折する可能性があるからです。

そもそも、なぜ骨がもろくなるのでしょうか？閉経を迎えることで「エストロゲン」が急激に減少します。このホルモンは、代表的な女性ホルモンの1つですが、実は骨を作る役割も担っているのです。そのため、女性は更年期の時期に急激に骨量が減ることがわかっています。

このような状態の女性が、激しい運動をして例えば転倒してしまった場合、更年期前であれば軽い怪我で済んだようなアクシデントでも、骨折する可能性があります。一方更年期の女性を対象に行ったヨガの研究において骨折の報告はない⁴⁾ことから、ヨガは比較的安全に取り組める運動だといえそうです。

ただし、下記3つの点に配慮しながら安全にヨガを楽しみましょう。

1. 資格を持つインストラクターのもとで行う
2. 体調を考慮する。
3. 無理をしない。

骨がもろくならないよう予防するためには、適度な運動もとても重要です。安全に更年期症状を改善することが期待できるヨガを生活の一部に取り入れてみませんか？