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「力み」や「こわばり」はシグナル
日々、ヨガや運動をする中で、理想通りに体が使えない、なかなか柔らかくならない・・・と焦ってしまっているかたもいらっしゃるかもしれません。焦りや無理強いをしていると、無意識のうちに奥歯をかんだり、アゴがこわばったり、呼吸が浅くなってしまいます。それは身体に無理な負担がかかっている証拠です。過剰に負担がかかった場合、体は私たちに「力み」や「こわばり」でシグナルを出してくれているのです。シグナルを無視していると、怪我に繋がる恐れがあります。
当たり前すぎて意識されない、「地に足をつける」ということ
私たちがどこを使って立っているかといえば、もちろん足です。正確には、足の裏を地面につけて立っています。しかしながら、普段からそんなことを気にして立ったり歩いている人はあまりいません。顔や髪、手など、私たちは目で見える範囲は気にしますが、足の裏、足首はどうでしょうか?日常生活ではあまり意識を向けない部分かもしれません。しかし、そこが一番大切なパーツでもあるのです。
実は複雑に連動している足の動き
足は、足指、足指の付け根、土踏まず、くるぶし、すね、ひざ、足の付け根。座骨(骨盤:お尻の下にある骨)、これらのパーツが、すべて連動して動いています。つまり、足指まで使って初めて足全体で地面に立つことになります。足の裏にはツボや経絡、反射区のような、身体のコンディションを整えるアンテナがたくさんあるのと同時に、立ったり歩いたりする時にバランスを取る場所として、かかと、母子臼(親指の付け根) 小子臼(薬指の付け根)があります。また、足の甲には細かい腱と筋膜、細い骨が、まるで熊手が幾重にも重なったように非常に複雑に走っています。
膝や腰の痛みは、足裏から!?
考えてみれば50〜70キロの体重を支える末端なのですから、それくらい緻密であるのは当然です。ただし、前述のように当たり前すぎて、足裏への重心のかけ方や、歩き方の癖に気がつかずにいることで、少しずつ自分の体を痛めてしまう可能性もあります。そうなると、まずどこに一番負担がくるのかというと膝や腰です。実は母子臼、少子臼、かかとの3点を意識して立つだけでも、姿勢が整って安定感が出てきます。
ウッターナアーサナで足裏に意識を向けてみよう
立った状態で前屈するアーサナに「ウッターナアーサナ」があります。まず、何もせずに前屈をしてみた後で、次のことをチェックしてやってみてください。
- 足の裏に手を入れてみる
- その時に手の指で足の裏をいろいろと押してみる
- 足の指が硬くなっていないか
- 足の薬指、小指はどうなっているか
- 足裏に入れた手で薬指の付け根をさわってみる
なにもせずに前屈した後で上の5項目をチェックしてみると、足首から土踏まずという2つの屋台骨がしっかり立ち上がり、足指の付け根が気持ちよく開いていくことに気がつくと思います。
ほかにも、女性に多く見られる偏平足は、土踏まずの筋力が弱いことが関係しています。土踏まずが体を支えていないと膝の上下の骨がねじれ、膝を痛めやすくなります。また、O脚、外側に重心のかかりやすい人は、足裏の外側に大きく重さがかかってしまい、膝の裏側をのばしすぎて痛めやすい傾向があります。下半身に慢性的に痛みや違和感がある人は、足の裏を意識的に使い、今一度地に足をつけてみてはいかがでしょうか。