前屈系の練習をした後、左のお尻の奥に痛みを感じます…

前屈系の練習をした後、左のお尻の奥に痛みを感じます…

お悩み:前屈の練習をした後に、左のお尻の奥に痛みを感じます

お悩み:前屈の練習をした後に、左のお尻の奥に痛みを感じます
お悩み:前屈の練習をした後に、左のお尻の奥に痛みを感じます

ウッターナアーサナや、ジャーヌシルシャーサナなどの前屈の練習をした後に、左のお尻の奥がピリピリと痛みます。

坐骨神経痛では?と思っています。体の使い方が間違っているのでしょうか?

(43歳、ヨガインストラクター歴2年)

整形外科での検査が先決。問題が無いことを確認したうえで、身体の使い方を見ていきましょう

整形外科での検査が先決。問題が無いことを確認したうえで、身体の使い方を見ていきましょう
整形外科での検査が先決。問題が無いことを確認したうえで、身体の使い方を見ていきましょう

回答者:串本操

坐骨神経痛か否かに関しては、医師ではないので明確な返答はできかねます。

心配なようでしたら、まず外来の整形外科を受診し、レントゲンやMRIなどの検査をオススメします。坐骨神経痛は、腰椎椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症から起きることがあり、仮に腰椎椎間板ヘルニアだった場合、そちらの治療を優先すべきです。

きちんと検査をし、骨などの構造的な問題が無いことを確認したうえで、身体の使い方、アライメントなどの修正をしていきましょう。

原因1:梨状筋症候群の可能性があります

検査上、腰椎に問題は無くても坐骨神経痛のような症状が出ることもあります。その1つに「梨状筋症候群」(りじょうきんしょうこぐん)というものがあります。

梨状筋とは、お尻の奥に付着している筋肉。その下に坐骨神経が走行しているところです。使いすぎなどで梨状筋が硬くなってしまうと、この坐骨神経が圧迫され、でん部痛や大腿後面(太もも裏側)にかけての痺れといった症状を引き起こします。

原因は、長時間座っていたり、中腰の姿勢を続けることによる梨状筋への過度な負担。ただ、歩くと症状が楽になることがあります。

ウッターナアーサナ、ジャーヌシルシャーサナをした時の症状も、もしかしたら梨状筋によって坐骨神経が圧迫されて症状が出ているかもしれません。

そのような場合、ワニのポーズのようなお尻の筋肉をストレッチするアーサナやテニスボールなどを使って、ダイレクトにお尻の筋肉をほぐす方法が有効です。

これは即効性があるので、ストレッチやほぐす前後でアーサナを行い、効果判定をしましょう。もし効果が実感できるのであれば、普段の身体のケアとして行うようにしてください。

原因2:神経やハムストリングスの過度な伸長

神経やハムストリングスが伸長されるストレスによる痛みの可能性
神経やハムストリングスが伸長されるストレスによる痛みの可能性

次に考えられるのが、神経やハムストリングスが伸長されるストレスにより、症状が出現している可能性です。

神経自体、元々強く伸ばされることが苦手です。神経は、伸長されると神経内圧が高まり、神経内の血流が乏しくなります。いわゆる虚血状態です。この状態が続くと、しびれや痛みといった症状が出現します。

前屈系のアーサナをする場合、ハムストリングスが伸張されるのと同時に坐骨神経が伸張されますから、坐骨神経に何か問題がある人だと坐骨神経にストレスが加わります。

そのため、特にシニア世代へのヨガを指導する際は、膝を少し曲げた状態にして前屈をするように指導をします。これだと、ハムストリングスだけを伸張でき、坐骨神経には負担がかかりません。

以上のことからもわかるとおり、アーサナをする時に少しだけ膝を曲げることで坐骨神経の過度な伸張を予防できます。ただ、アーサナのキープ時間が長すぎると、ハムストリングスのオーバーストレッチになり、ストレスが加わるので注意しましょう。

原因3:身体の使い方に、左右差が生じている

相談者さんは、片側にだけ症状が出るとのことですが、その場合、過去にどのようなケガをしたか、といった既往歴も重要になります。腰、股関節、膝、足首をケガしていると可動域や身体の使い方に微妙な左右差が生まれます。

自分では左右同じように身体を動かしているつもりでも、過去のケガが原因で、偏りが生じた状態を脳が正しいと判断してしまい、無意識のうちに間違った身体の使い方をしている可能性もあるのです。

もちろんケガの既往が無くてもスポーツ歴や仕事歴によって、身体の使い方に左右差が生じます。

相談者の方も、もしかしたら上記の理由から股関節屈曲や骨盤の前後傾の可動域に制限(左右差)が生じ、該当のアーサナをする時に、ご自身では股関節中間位で前屈をしていると思っても、股関節が内側に傾いたり(内旋)、外側に傾いたり(外旋)しているのかもしれません。

アーサナをする時に自分の身体の使い方を細かく内観できたら良いのですが、それでも自分の身体の使い方の癖に気づけないことは多々あります。

その場合、ヨガインストラクターの仲間に見てもらったり、理学療法士、パーソナルトレーナーのような身体の専門家に一度評価してもらうのが良いでしょう。自分の身体の使い方の癖をティーチングしてもらうことで該当のアーサナをする時の意識が変わるはずです。

このようにいくつか考えられる原因を挙げましたが、1人で解決できる場合もありますが、症状によっては身体の専門家に詳しく見てもらうのが良いでしょう。

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