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〇〇先生は□□って言ったのに、△△先生は××って言う…どちらが正しいんだろう?
皆さん、ヨガを受けていて、こんな経験はありませんか?
たくさんの先生のワークショップやトレーニングを受けるほどわからなくなってしまう、その答え。
前回、ヨガ指導者のセルフプラクティスについて、話しをしてもらった、ヨーコ・フジワラ先生と弊社代表の酒造との対談。
今回はその続きとして、ヨガを受ける生徒としての姿勢についてお話をして頂きました。
ヨガを受ける人の変化
答えは自分の中にある。自分に合ったヨガの練習方法とは?
「答えはこれです」というものを貰って、それを信じきるっていうのは危うさを感じる。
例えば、ゴルフで言うと「手首を返しなさい」「手首を返すな」っていうのがある。ゴルフは「自分のスイングタイプや自分の運動神経も含めて、どっちが合うかは自分で模索して探しなさい。」って言われるのね。だから、手首を返す人もいれば、返さない人もいるっていうのが僕らからしたら、常識なんだよ。
だけど、最近のヨガの世界では、「正しい答え」「正しい方法」を教えてくださいっていう人が多いなって思うんだけど、どう?
だけど私、元々肩がすごい硬かったの。後ろに回らないくらい硬くて。しかも筋肉質だから肩にすごい筋肉がついてる。だから、指を前にまっすぐにしてダウンドッグをやると肩がつまってしまって、一度肩を痛めたことがあって。
その当時、どうしたかっていうと、指先を外に向けてダウンドッグをやったの。外にむけることによって、肩がつまっていたのがさがってくれる。それで、肩の痛みを回避したのね。
だけど、私は、これでプラクティスを進めることで肩に柔軟性が出てきて、だんだんと中指が前に向いている状態でできるようになったの。もちろんこれは、10年かかってやったことだけどね。
つまり、正しい形は人によっても違うし、時代によっても違う。同じヨーコでも、今のヨーコと10年前のヨーコだと違う指示になる。それって誰が決めるかっていうと自分しか決められない。
だから、どこだったら痛くないんだろうって考えて実験をやって、ダウンドッグでは邪道かもしれないけれど、痛くないことを続けるしかない。
ヨガの受け方にも国民性が出る!?日本人とアメリカ人の違い
例えば、その先生が大御所の先生だったりすればするほど、それを正解としてとりたい気持ちはわかるじゃん。でもそれを鵜呑みにして、怪我をしたりしてしまったら元も子もないよね。
だから海外の先生は日本人に教えるのが皆好きなんだけど。
だから、「じゃあ、これだったらどう?」「まだ痛い」「じゃあ、これは?」「それならできる」って会話が生まれる。
これって先生と生徒でコミュニケーションとりながら指導をしていくから、先生も生徒のプラクティスの方法がわかるし、生徒さんは自分のプラクティスに責任も持てるんですよね。
でも、それを言ってくれないから、何年か後に「実は肩痛めてアシュタンガヨガ辞めたんです」って言われちゃって。そしたら「何で言ってくれなかったの!知ってたら、もっといいこと言えたのに!」って私も残念に思う。
できるだけ日本では「対話式でワークショップやろう!」って声をかけるんだけど、日本人の生徒さんに「〇〇のやり方でやってみて。今、何を感じた?」って聞くとアメリカだと「こうだった!」「ああだった!」って教えてくれるんだけど、日本はシーンとなっちゃうことが多い。
だから日本では、「こうしたら、こう感じるはずだからやってみて。」って言った後で、「どうだった?感じた?」って聞くと「はい、感じました」っていう風にやるようにしてるね。だけど、皆も、やってみて違う、痛いと思ったらそれを先生に伝えた方がいいよね。
考え方の違う先生から学ぶときはどうすればいい?
これは、僕はあたりまえだと思ってるんだけど、生徒さんからしてみると「A先生はこう言っていた」「B先生は逆のことを言っていた」っていう、正解を探してしまうことがあるんだよね。
でも、大事なのって本来、自分の中で受け入れて実践してみて、自分で咀嚼してみて自分の中でどうだったのか、が本来の答え。僕が教わってきたヨガって「自分の中に答えがある」ってそういうことなんじゃないかなって思っていて。
だから、私がすべて正しいとは思わないし、他の先生が間違っているとも思っていない。「正しいか正しくないか、判断するのはあなただからね」って今年は特に強調して伝えてるかな。
私の言うことを疑ってかかってほしいと思ってる。それくらいの意気込みがあっていいと思うんだよね。私がやっているトレーニングでも言っているんだけど、「私が渡す情報はすべてあげるから、自分のものにしなさい」って。「ヨーコ先生が言ったから」じゃなくて、自分のものにしてほしいと思っている。
大切なのは実体験。自分流を作ることが成長につながる
プラクティスって受け取ったものを自分のものにするから面白いんだよね。自分でやってみて、「あー!今日のプラクティスすっごく気持ちいい!」って思うのって自分なわけじゃない?
自分の選択に責任をもつこと。ヨガを受ける側の姿勢
人から教わったことをただその通りに行うことは、とても楽です。うまくできなかったときはその人のせいにすればいい。これはヨガに限らず、すべてのことに共通するのではないでしょうか。
ヨガのワークショップに限らず、現代社会は情報が溢れています。何が自分に本当に必要な情報なのかが取捨選択しにくい世の中だとも言えます。しかし、だからこそ、自分の人生に対する責任は自分自身で取れる人間でありたいものです。
ヨーコ先生と酒造との対談は現代社会を生きぬく上で「何を選びとるのかは自分で決めること。自分の選択肢に責任を持ちなさい」と教えてくれた気がします。
厳しいけれど、長い目で見るととても愛を感じる2人からの教え。ヨーコ先生がハワイで開催しているRYT200ヨガ指導者養成講座は、こんな2人が作り上げた企画だから皆に愛され続けているんだ、ということがよくわかりました。
3話連載となっている2人の対談。最終話はその2人が作り上げたハワイヨガ留学企画サンガワイについて、お話を伺いたいと思います。