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運動会や遠足、気持ち良い時間帯に行うパークヨガなど、自然遊びが充実する季節、秋ですね!
私達の身体は常に外気の影響を受けていますが、秋もまた暑い季節から寒い季節へ向けて身体が変化する過渡期でもあります。
アーユルヴェーダでは、心に働きかける3つの属性エネルギー
- サットヴァ(=純質)
- ラジャス(=激質)
- タマス(=惰質)
のトリグナに対して、身体には
- ヴァータ(=空・風)
- ピッタ(=火・水)
- カファ(=水・地)
の3つのエネルギーが影響して、体質(ドーシャ)を左右すると考えられています。そして秋の前半は夏に溜まったピッタに偏り易くなり、後半はヴァータに偏りやすくなると言われています。
私は基本的にはドーシャでいうと完全にヴァータ(空・風)であり、とりあえずせこせこ動いてしまう性分なのですが、そんなこんなで10月は一層ヴァータの増大に気をつけなければなりません(^^;)
なので、日頃からヴァータの乱れを感じたときには身体の声を聞きつつ、バランスを取れるように呼吸法やアーサナに取り入れています。
今回は、そんなヴァータ度高めな私、よがくらげ雅子がオススメしたいフローヨガをご紹介いたします★ご興味のある方はぜひ、試してみてくださいね!
ヴァータが乱れるとどうなる?
ヴァータは、前述した通り「空・風」の要素を持っていて、「軽い、冷たい、乾燥、動的、速い」等の性質があります。これらの要素が心や身体に強く現れてくるのが、ヴァータが乱れている状態です。
例えば、心は落ち着きが無く、やりたい事が多すぎてまとまりが無く、結果として悩みや不安が出てきます。身体には易疲労感や腰痛や肩こり、冷えや肌の乾燥などなど…
思い当たる方も多いのでは無いでしょうか?特に、やせ形の女性などはヴァータが乱れやすいと言われています。
ヴァータ体質を改善するには
では、ヴァータを整えるためにはどうすれば良いか?色々と方法はあるようですが、基本的には上に挙げた性質と逆の性質を取り入れれば良いということです。
例えば、食べ物なら「重い、温かい、瑞々しさ、甘い、酸味」等。少し油っぽくて重めの温かいものなども、ヴァータの改善には役立つようです。
逆に、苦みや渋み、辛みなど、刺激の強いものはヴァータを乱してしまい良くありません。
ヨガでは(これはどんなドーシャにも共通することですが)、ゆったりとした呼吸や自分の核、中心軸を意識した瞑想の他、下半身を安定させるアーサナの鍛錬などが重心を下げ、ヴァータを落ち着かせるそうです(^^)
そして、リラックス効果が高い前屈系の体位や動きもまた、外へ向きがちなヴァータの特徴的な意識を整えるのに有効です!
ヴァータ体質を改善するフロー(前半)内観とグラウンディング
では、ヴァータを整えるのに役立つオススメのアーサナを具体的に見てみましょう。
まずは前半。ひとつひとつ分解していきましょう。
スカーサナで呼吸を整えたら、バッダコーナーサナへ
バッダコーナーサナは、前屈特有のリラックス効果い加え、身体的には鼠蹊部(そけいぶ)の血流を改善することで全身の冷えにも効果的です。ヴァータにとって冷えは大敵!
特にこれからの季節は冷えと乾燥がダブルでやってきますから、丁寧に整えておきましょう。無理して深く倒れる必要は無いので、ゆったりとした鼻からの呼吸が取れる範囲でキープしましょう。
四つ這いから腹部のストレッチとチャイルドポーズを呼吸に合わせて行う
自律神経を整える効果がとても高く簡単である分、数回繰り返す事で集中力も高まりますから、心のざわつきも鎮めてくれます。
グラウンディングを強化するロールアップ&ロールダウン
ダウンドッグから手を脚の方に歩かせて、吐く息で膝を伸ばせる範囲で伸ばし上半身の力を抜いて脱力の立位前屈、吸いながらおへそを覗き込みながら背骨の下から積み上げるようにロールアップで起き上がります。
このとき、足の裏でしっかり床を感じながら行うとより根付く感覚が養われます。
最後に顔が上がったら、吐きながら鼻先からロールダウン。もう一度、上半身の余分な力を抜いた立位前屈に戻りましょう。これも数回繰り返す事で、よりグラウンディング=大地にしっかり根を張る力を持った下半身へと整います!
そしてその感覚は、心の落ち着きもサポートしてくれるので、この単純な動きを繰り返す事で思考がまとまり易くなるような気がします。
ヴァータ体質を改善するフロー(後半)安定感とリラクゼーション
後半にかけては、さらに重心を下げ安定感を増し、最終的には深いリラックスへと導いていきます。
ヴィラバトラーサナI
ヴァータのバランスを取る代表的な立位のアーサナのひとつに、ヴィラバトラーサナIがあります。前後に開いた両脚で力強く大地を踏みしめ、伸びやかに上体を引き上げることで気持ちを前向きに整えるセラピー効果を得る事ができます。
吸う息では肺を意識し、吐く呼吸では腹部を意識し吸った息を吐き切ると同時に、両脚で大地を引き裂くような脚の強さを感じましょう。やる気が無くなっている時や精神的な疲れのある時も、このアーサナはとても良く心に効いてくれるように感じます。
片脚のウトゥカターサナ
片脚立ちのバランスポーズもまた、内側へと集中させ肝が座り安定した精神性を取り戻すのに役立つと言われています。例えば、ブリクシャーサナ(立ち木のポーズ)などもそう。
今回はもう少し、ウディヤナバンダ(腹部の引き締め)も意識しやすいウトゥカターサナを、バランス感覚を養う片脚バージョンで組み込んでみました。
ヴィラバトラーサナIから前脚に体重移動させ、後脚を前腿に掛け両腕を上に挙げ目線は手と手の間へ、吐く息で腰を落としキープします。軸脚を根っこのように強く保ち、大地のエネルギーを自分の下腹部に向けて吸い上げるようにイメージしてみましょう。
イメージの力というのは本当に大きくて、ヨガのアーサナの意味も、ムドラーなどの意味もほとんどそこにあると私は思っています。様々なエクササイズで同じポーズを取るだけでターゲットマッスルに効かす事はできても、セラピー効果を得る事はヨガでしかできません。
せっかくアーサナを取るのであれば、絶対にイメージすることを怠るべからずです!
脚をクロスさせて胸を開き、神様にお辞儀をするポーズへ
掛けた脚を床につきクロスさせ、後で手を組み息を吸いながら胸を反らせます。吐きながら前屈し、組んだ手を引き上げて肩甲骨を寄せ合います。
神様にお辞儀をするポーズと言われるこのアーサナ。顔の緊張も解いて上半身をリラックスさせます。後の膝裏の伸びを心地よく感じ、呼吸を楽に繰り返します。
チャイルドポーズで心と身体のリラックス
ここでチャイルドポーズ。全身をしっかり脱力する練習です。これってなかなか難しい!
どこかに入っている無駄な力に気がつき、吐く息で抜きましょう。後のシャバーサナの質を左右する重要な段階です。
ワニのポーズで腰回りを緩め、最後のシャバーサナ
仰向けになったらワニのポーズで骨盤周りもしっかり緩めます。ここまで来たら、かなりヴァータが落ち着いているはず(^^)
最後のシャバーサナでは全身の力を抜いて、自然呼吸で心と身体が調和するのを感じてみてくださいね。
まとめ
冒頭からシャバーサナまでまとめるとこうなります。
乾燥と冷えが進み、ヴァータが増大しやすくなる秋の後半。心のざわつきや落ち着きの無さ、気持ちの落差を感じたときは、ヴァータが乱れているサインかもしれません。
健やかに冬を迎えられるように、ヴァータを整えるフローヨガ、ぜひトライしてみてくださいね♪