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お悩み:フリーランスのヨガインストラクターになるには、まず何をすればいい?
初めまして。去年の夏にRYT200取得した者です。ただ、取得したものの何から動いていいのか分からず半年以上も経ちました…。
取得後すぐ、少数の友達には教えていましたが、仕事が忙しくなり、今はヨガの指導はしていません。
フリーランスとしてヨガのインストラクターになるのが夢ですが、まずは何をしたらいいのか教えていただきたいです。
(27歳、ストレッチのトレーナー)
田村佳世:準備よりも、今すぐにクラスを担当しよう!
こんにちは!ご質問をいただきありがとうございます。
私が代表を務めるヨガスタジオでも200時間ヨガ指導者養成講座を開講していますが、質問者さんのように、ヨガ講師として活動をするのに、日々の忙しさに追われて、なかなか1歩を踏み出せない受講生たちをたくさん見てきました。
そんな方達に「準備が整っていなくても良いので、今すぐヨガを教えてください!」とアドバイスすると、決まってこんな言葉が返ってきます。
- インストラクションを間違えないようマスターしてからにしたい
- まずは、筋肉や骨の名前を完璧に把握したい
- サンスクリット語のアーサナ名を覚えてから
- もう少し仕事が落ち着いてから
- 今は家族に色々あって
…など、様々な理由をつけて「今は教えられないけど、いつかは教えたい」と言うのです。
自信がない、勇気がない、恥ずかしい、忙しいから準備できない、間違えたらどうしよう…という不安な気持ちはわかります。でも、“いつか”というのは一体いつやってくるのでしょうか?
少なくとも200時間のヨガ指導者養成講座を卒業しているのであれば、ヨガを指導する最低限の学びと実践を積んでいるはずです。
そんな受講生たちに、私が強く伝えているのは、完璧な環境や準備が整うことは一生ない、ということ。忙しくても不完全でも構わないので、いつかヨガを教えたいと思っているなら、1日も早くヨガを教えること!
教科書を見直したり、SNSやネット検索をしていても、生徒さんが見つかるわけではありませんし、誰かからお声がかかるわけでもありません。ましてや突然人気のヨガインストラクターになることもありません。実際にクラスを行って初めて、自分に何が足りなくて、どこを強化しなければならないのかが見えてきます。それが今後の活動をより強化してくれる、ご自身にとって必要な要素ではないでしょうか?
準備はいらない。今すぐに定期クラスを始めよう!
免許書を持っていても車に乗らなければ、日が経つほどに運転することが怖くなるように、ヨガの資格があっても、それを活かさなければ、教えることへの恐怖心は、どんどん強くなります。ペーパードライバーにならない秘訣は、とにかく運転する機会を作って定期的に運転し続けることが大切ですよね。相談者さんはペーパーインストラクターになっていませんか?
今はお仕事が忙しいとのことですが、忙しさを理由に今の生活の中でヨガを教えることを後回しにしていると、夢のフリーランスからはどんどん遠ざかります。週に1回、難しければ月に1回でも良いので、とにかく今すぐ、定期クラスを持ちましょう。
以前教えていたお友達にもう一度声をかけてみても良いですし、自主クラスを開催するのもいいですね。もし自主クラスの集客が難しいのであれば、スポーツジムやスタジオでヨガ講師の募集が無いか調べてみてください。通える範囲で必ず見つかるはずです。
ヨガ講師としての活動に必要な準備は、クラスを担当し教え始めてからでも大丈夫。実践しながら、今の自分にとって強化しなければならないことを明確しにし、後日ワークショップや勉強会、他の先生のクラスに通うなどして対応していきましょう。
今のお仕事を続けながら、まずは副業としてヨガを教え始めることが、夢を叶える第1歩になるかもしれません。以前書いた記事に「副業ヨガ講師の活動方法」がありますので、こちらも併せてご覧ください。
クラスの質を上げるヒントは、リアルなクラスの中にある
私の経験上、解剖学の知識やサンスクリット語のアーサナ名などは、ヨガクラス中、生徒さんにわかりやすく伝えるうえで必要ありません。養成講座をとおして、頑張って覚えたその知識はヨガ講師だけが知っていれば良いことです。
実際のクラスで生徒さんにわかりやすく教えるには、ヨガの専門用語を小学生でも理解できるくらい簡単な言葉に言い換える必要があります。そのうえで、自分なりに工夫した言葉やインストラクションが本当に生徒さんに伝わるのかは、リアルなクラスの中で試さなければ分かりません。
また、クラスはライブです。その日その時間に集まった生徒さんのコンディションはいつも違います。体力や柔軟性の違いはもちろん、同じ生徒さんであっても時間帯や季節、また周囲の家族や職場の影響を受けて、変化する可能性もあります。
また、こちらが準備していたシークエンスが、生徒さんにとって難しすぎる場合もあるでしょう。こちらの予想を超えて、体の硬い生徒さんや体力のない生徒さんがくることも考えられます。それは実際に会って一緒に呼吸して動いてみないと分からないのです。
今この瞬間、目の前の生徒さんたちに本当に必要なヨガは何なのか?実際のクラスの度にトライ&エラーを繰り返しながら、生徒さんの反応を確認し、その都度クラス内容を調整していかなければなりません。
教科書をいくら見直して覚えても、クラスで活用できるかどうかは、実際のクラスで生徒さんの反応を見てみないとわからないので、頑張って準備したことが無意味に感じてしまうこともあります。
だからこそ指導力を上げるには1日も早く教えること。そしてリアルな経験を積み重ねながら、生徒さんにより良く伝わるよう、微調整を繰り返していくことが大切です。そうすることで、より早く着実にご自身の指導力を上げることができると思います。
質の高いヨガ講師を目指して、1日も早く活躍開始してくださいね。応援しています!